真実の10メートル手前

著者 :
  • 東京創元社
3.66
  • (94)
  • (317)
  • (261)
  • (32)
  • (4)
本棚登録 : 1751
レビュー : 285
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027568

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 太刀洗万智は、栗山千明のイメージ。すっきり甘すぎず、苦すぎず。心地よい後味の作品。

  • 記者・太刀洗万智のミステリー短編集。

    ・真実の10メートル手前
    ・正義漢
    ・恋累心中
    ・名を刻む死
    ・ナイフを失われた思い出の中に
    ・綱渡りの成功例
    の七編収録。
    新聞社時代あり、「さよなら妖精」つながりあり、「王とサーカス」の前日譚ありと贅沢な短編集でした。
    視点としては「真実の10メートル手前」が「王とサーカス」同様の太刀洗視点ですが、それ以外は「さよなら妖精」同様ほかの視点になっていました。
    真相のこじつけ的な作品もありますが、太刀洗の洞察力、考察力、推理力を堪能するシリーズだと思います。
    しかも、ヒントは読者にすべて開示されているので大変フェアな推理小説でもあると思います。
    続編を期待したいです。
    ちなみに、昨年来、若竹さんの葉村晶といいクールでかっこいい女探偵と出会って幸せです。

  • 太刀洗さんの事件簿。
    後暗くやましい部分を抉るような、はしたなく浅ましいことを卑下せずすくい上げるような、何とも言えない味わいの短編集。
    警察ではなく記者っていう立場が、切なく歯がゆく、淡々としてる割にはどこか暖かみのある話でもあった。

    太刀洗さん美人で聡明なのにどこか存在が希薄で何か心配になるわ。
    彼女自身の目線で語られない分、感情がないわけではないけれど多くを語らない謎めいた存在ですが、「王とサーカス」ではなかなか多弁で人情じみた葛藤も記者としての矜持も多分にある印象だったので、あとがき読んで確かになるほどと感じました。

  • 大刀洗万智という女性記者(新聞社勤務からフリーランス)が活躍?する短編集。
    仕事は出来るし頭が下がり切れるが淡々としていて事件にも物事にもひょっとしたら人にもさほど執着しない彼女をとても魅力的に興味深く描いていた本だった。
    彼女が主役の長編である『王とサーカス』も読んでみたい!

  • 太刀洗万智を主人公とした短編6篇。
    王とサーカスの時に比べるとだいぶ冷静沈着に感じましたが、
    一人称では無いからなんですね。

    全体的に、表層的な事実、隠された真実、そしてその裏にある理由
    と段階的に明かされていき、ミステリとしても、人間ドラマとしても楽しめた。

    善人とはいえないがどれも、人間だし、緊急事態だし、そう考えることもあり得る、
    人間味がある、と納得してしまい、後味の悪さというよりは寂しさが残った。

    作者が本当に書きたいのはこういう話なのだとしたら、
    古典部シリーズはなかなか書かれないのだろうなと少し悲しい気持ちにもなりました。
    彼らにこのようなテーマは、少し相容れない。

  • フリージャーナリストの太刀洗万智の活動記録。
    ベンチャー企業を立ち上げた兄妹に詐欺疑惑が出た。行方不明となった妹を追う。「真実の10メートル手前」
    よくある駅のホームの人身事故。そこに居合わせ太刀洗は
    突落した犯人を見つけ出す。「正義感」
    高校生の心中と図書館の火災、この二つの事件が結びつく
    「恋累心中」
    老人の孤独死とその発見者の高校生との関わりとは「名を刻む死」
    叔父が姪を殺した事件。叔父の手記から太刀洗は真犯人を見つける「ナイフを失われた思い出の中に」
    台風によって陸の孤島となった集落から何日かぶりに老夫婦が助け出された。コーンフレークを食べて生き延びた夫婦に太刀洗は疑問を抱く「綱渡りの成功例」

  • 面白かった。
    是非シリーズ化して欲しいものです。

  • 分かりやすい疑問が散りばめられていて、結末も分かりやすい。
    でも、そこに至る過程に個性を感じる。
    それが、著者の力量というものだろうか。

    大刀洗万智、という主人公を聖人にしないよう著者が配慮している気がしながら読んだ。

  • 王とサーカスの主人公、記者太刀洗万智にどんどん惹かれていく短編集。

    久しぶりに惚れ込めそうなヒロイン登場にうれしくなってしまった。

    しかも、この短編で起こるいくつかの事件は、主人公たちの活躍とは別に、事件そのものが提示する問題というか理不尽だが本当のことみたいなことが、読み終わった後ももやもやと残ってしまう良い本だと思う。

    「目とは人が見たいと思っているものを見る器官なのです」というのが一番印象深かった。

    太刀洗シリーズという新しい楽しみができた。

  • 滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執-。己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するフリージャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。粒揃いの6編を収録。『ミステリーズ!』『ユリイカ』掲載等をまとめて単行本化。

    真実の10メートル手前
    週刊誌のアラサー女性記者。太刀洗万智。ベンチャー企業の社長とその妹の広報担当が失踪。会社がつぶれて詐欺の疑いあり。
    親族から電話の録音入手。祖母の家の近くにいることがわかる。泥酔していた居酒屋の外国人バイトから情報入手。
    裏手の駐車場にいるかも?車の中で自殺していた

    正義感
    フリー女性記者太刀洗万智が男がホームから落ちて死んだ現場にいた
    電車で携帯使用していた男だった・
    記者は、男が突き落とされていたのを見ていた。
    携帯で連絡。連れに犯人がよってくることを予想し撮影を頼む。犯人は逮捕。
    記事にはならない。

    恋塁心中
    高校生が心中。本社から記者が出張。スクープを依頼しているフリー、太刀洗と待ち合わせ。
    元担任、顧問教師とインタビュー設定済み。
    真相は毒、黄燐の入手先。管理不行き届きの疑いのある高校の理科室。楽に死ねる方法を相談されたベテラン教師が黄燐の残量がでたらめなのを隠すために心中した高校生に渡していた・
    ベテラン教師は黄燐を爆弾事件に利用していた・

    名を刻む死
    老人の孤独死。発見者は隣の高校生。太刀洗が取材
    きた。老人の息子に会うのに同行。老人が死にそうになっていたのを息子が放置していたのがわかる。
    無職で死ぬのを恐れていた老人は、高校生の父親にタイトルだけでいいからと頼んでいた。老人は近所で難癖をつける嫌われ者。
    高校生が自分が連絡していれば、助かったのか?
    太刀洗「悪い人間はろくな死に方をしない

    ナイフを失われた思い出の中に
    東ヨーロッパ人が太刀洗に会いにくる。妹の友人。
    16才が3才の幼女を殺した事件の取材に同行
    幼女の母、20才。その弟が殺したと自供。

    綱渡りの成功例
    台風で孤立した老人が暮らす家。消防団の男の家は移動店舗を経営。買ってくれた家の老夫婦は救出。買ってくれなかった老夫婦は生き埋め。三日間何を食べていたのか?自分が1年以上前に売ったコーンフレークだった
    大学の先輩太刀洗が取材にきていた。同行する
    太刀洗の質問「コーンフレークには何をかけていた?」牛乳だった。停電していたが、生き埋めになった隣は電気がきていた。冷蔵庫に牛乳をいれた・冷蔵庫の中の食べ物には手をつけていいない・
    書くのは私の仕事。

全285件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

真実の10メートル手前のその他の作品

米澤穂信の作品

ツイートする