- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488027735
作品紹介・あらすじ
死体が発見されるたびに、なぜか刺し傷の数はひとつずつ減ってゆく。殺された男たちのあいだに交友関係などは一切見つからず、共通しているのは全員が多額の借金を背負っていたことのみ。警視庁特別捜査隊は奇妙な連続刺殺事件の謎を追い、帝都全体に捜査の網を広げてゆくが――。捜査隊隊長が目の当たりにした、事件の異様な構図とは? 『黒龍荘の惨劇』が話題を呼んだ時代推理の雄が満を持して放つ、全体像を最後まで掴ませない油断厳禁の長編推理!
感想・レビュー・書評
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タイトルからは想像できない内容で意外だった。昭和初期の連続刺殺事件のミステリー、とても面白かったです。最終的にそうなるとはね。人間、欲に目がくらむということでしょうか。
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いくつかのドンデン返しがあって面白い。
最後の最後で、あっ、そういうこと!となってしまった。
結局、隊長の名前、なんやったんやろー -
昭和十一年の連続殺人事件。死体が発見されるたびに、刺し傷が一つずつ減ってゆくのはなぜか。
警視庁特別捜査隊が事件を追うが、物語は捜査陣と事件関係者の二つの視点で交互に進んでゆくので、謎解きというよりクライムノベルのサスペンスだった。この時代にこんな犯罪があったらすごい。
面白かったけど、事件を後追いする捜査陣パートのインパクトが弱かったのがちょっと残念だし、最後のオチはなるほどと思ったが物語の中では浮いてるかも。 -
警視庁の特別捜査隊が被害者全員が多額の借金を背負っていたという唯一の共通点から事件の真相を探って行きます。二つのパートが交互に展開して行くのですが、犯人側パートはコンゲーム的な駆け引きが繰り広げられる心理戦が面白いですし、終盤からはどんでん返しの連続でページをめくる手が止まりません。満足度は高めですが、解決した後の最後のサプライズが蛇足に感じるのと、この時代にする必要を感じられないのが唯一残念に思うところです。
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昭和初期を舞台にクリスティの“十二の刺傷(アレです)"にインスパイアされたミステリ。1日毎に新たな死体が発見され、その度に傷跡がひとつずつ減っていく猟奇に塗れた事件が読者の期待と歓心を煽ります。捜査を行う警察ではなく不幸にして加害者サイドに回ることになった男の巻き込まれる命を賭した悲喜劇が主軸になるのは予想外。本格ミステリというより小技を利かせたサスペンスといった具合か。
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舞台は昭和11年、帝都。連続殺人事件モノ。一見接点が無いように思われる被害者達。死体は発見される度に刺し傷の数が一つずつ減っていくのだが、なぜか?
途中から被害者側からの視点も描かれ、デス・ゲーム(コン・ゲーム?)の様相を呈してくる所から俄然面白くなっていきますね。
ネタバレ回避の為にぼかして書きますが、アレに向けての随所のあれ関係の記述は、ミステリ読み慣れてる読者からすると半分見え見えなんで、衝撃あんまり受けなかったんですが、そんなところより、普通に途中のデス・ゲーム部分の貝塚視点の心理描写だけで充分面白かったです。 -
昭和の東京が舞台のミステリー。謎の連続殺人事件が起きて警察が捜査するわけだが割と序盤で事件の全貌は明らかに。トリッキーな形の倒叙が面白い。だが、そうなると物語はどこに向かうのか?計画外の方向に進む連続殺人と少しずつ真相に迫る警察、からのラスト1行!もう一度読み返したくなるはず。
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昭和11年頃の帝都を舞台に、奇妙な連続刺殺事件の真相を警視庁特別捜査隊が追う。
帝都警察による推理捜査モノと思いきや、交互に事件の描写も進行していくため、クライムノベル的な要素もあり。その事件がまさにクローズドサークル内のデス・ゲーム。まぁ、時代推理モノでこの手の犯罪は新鮮かもしれない。なので、面白く読めたのではあるが、ただ肝心の捜査の詰めの部分で、娘と事件の繋がりが出てきたことには不満。ご都合感満載じゃないか。最後の一文も、確かに驚きつつ納得はしたものの、デスゲームの事件の真相が面白かっただけに、それほど必要な設定だと思わなかった。