ブルーローズは眠らない

著者 :
  • 東京創元社
3.62
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本棚登録 : 595
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027766

作品紹介・あらすじ

両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。一方、〈ジェリーフィッシュ〉事件後、閑職に回されたマリアと漣は、P署の刑事ドミニクから依頼を受ける。幻の青いバラを同時期に開発した、テニエル博士とクリーヴランド牧師を調査してほしいと。しかし両者への面談直後、温室内で切断された首が発見される。バラの蔓が扉と窓を覆い、密室状態の温室には縛られた生存者と「実験体七十二号がお前を見ている」という血文字も残されていた。年末ミステリベストに全てランクインした、『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 前回のクローズドサークルとは打って変わって今回は密室殺人+α
    市川憂人さんはこのシリーズで探偵小説のトリックの見本市でも開くつもりでしょうか?
    それならそれで楽しみ

    そして今回は前作よりも仕掛けが洗練されていいてかつ斬新さもあって面白い!非常に面白い秀作なんですが何か足りない気がするんですよね

    そしてそれはやっぱり「人」というか「人の想い」だと思うんです
    だいぶ偉そうなこと言わせてもらいますが市川憂人さんの作品を2作読んでみてこの素晴らしい仕掛けに対して人はそれを成立させるためのパーツのように感じてしまうんです
    人の「感情」でさえもこの仕掛けをもっともらしく見せるために、この仕掛けを成立させるにはこういう「感情」のほうがいいよな、みたいな
    仕掛けありきに見えるんです
    物語の中心に仕掛けが据えられてるんです
    でも自分は「人」が中心の物語が読みたいんですよね

    なので!すんばらしいアイディアに溢れた市川憂人さんのこの倍くらいの長編が読みたいなぁって思うのです
    そしたらもっともっと人を掘り下げたとんでもない傑作が生まれるような気がするんですよね〜

  • 2020/09/05読了
    #このミス作品45冊目

    青いバラを巡る現在過去の2件の
    殺人事件。
    ストーリーは常に違和感を抱かせ、
    モヤモヤしながら読み進められるも
    最後に綺麗に伏線回収される。
    頭を整理するのが結構大変だが楽しめた。

  • 読み始めてすぐに既視感。。
    そうだ!以前この作品、なじめずに脱落したんだった。
    一番のなじめなさは、文章の横につく”傍点”と呼ばれるもの。
    文を強調させるために付けるものらしいんだけど、
    しょっちゅう出てくるのがわずらわしくて。。
    どんだけ強調したいことあるねん!と、ひとり怒る。
    こんなことに神経質になるわたしって、ちょっと変、、かな?

    内容は、目次を見た時点でトリッキーな予感があり、
    どう騙されてるのかわからないまま、ラスト近くで
    えーっ?と驚かされる。

    ただし、殺人の動機と、被害者に関する意外な事実は納得しがたい。

    このシリーズの装丁やちょっと凝った雰囲気のコンセプトは好きなので、残りの作品も読もうとは思っているものの、果たして達成できるのか、少し不安。

    • 111108さん
      ちぃさん、こんにちは。

      文庫で読み終えました!傍点は、もっといっぱいあるかと(1ページに半分くらいとか)構えてたので、そこまでは気にならな...
      ちぃさん、こんにちは。

      文庫で読み終えました!傍点は、もっといっぱいあるかと(1ページに半分くらいとか)構えてたので、そこまでは気にならなかったです。傍点好きな作者なのね、と思う事にします。笑
      前作でも辛い過去の回想シーンありましたが、今回もそうだったので「あぁ、苦手かも‥」と思いましたが、それを逆手に取っての展開だったので納得です。なかなか入れなかったけれど最後の方はページ巡る手が止まらないという状況でした。
      ちぃさんのおかげでまた追いたいシリーズできて嬉しいです♪
      2023/11/05
    • ちぃさん
      あはは!ポジティブ発言に笑っちゃいました。
      そうですよね。作者の個性ですね。
      シリーズを読み進んでいくと、マリアの過去のお話などもあり、この...
      あはは!ポジティブ発言に笑っちゃいました。
      そうですよね。作者の個性ですね。
      シリーズを読み進んでいくと、マリアの過去のお話などもあり、この先まだまだ驚かされる展開が用意されているように感じます。
      いろいろ文句を言いつつも気になる作家さんの一人です。
      2023/11/05
    • 111108さん
      ポジティブ発言⁈いいですよね⁈
      マリアはまだ私の中では蓮ほど評価高くないのですが、今後過去などわかってくるのですね。楽しみです♪
      ポジティブ発言⁈いいですよね⁈
      マリアはまだ私の中では蓮ほど評価高くないのですが、今後過去などわかってくるのですね。楽しみです♪
      2023/11/05
  • 2016年の年末に話題になった「ジェリーフィッシュは眠らない」のコンビによる続編。
    続編が出たらいいのに、と前作のコメントで書いておきながら、2018年のこのミスで3作目がランクインしたことで、この作品の存在を知り、早速読んでみることに。
    「青いバラ」を巡る奇妙な事件を、マリア&蓮の視点と、エリックと言う少年の視点から描く。
    どこか微妙にずれている時間軸。
    時間軸がズレいていることは分かるのに、それがどう物語に影響するのかが分からない、絶妙なトリック。
    密室のトリックも現代のミステリー作家では、あまり見なれなくなった本格的なもので、後半の謎解きは圧巻。
    日本人作者によるアメリカの物語で、名詞の使い方がイマイチ違和感もあるが、トリックや犯行の動機などで見事にカバーされている。
    3作目も楽しみ。

  • 確かに最初からこれいつの話?という感じはあったけど、そこがそう繋がるのねー

    マリアとレンのやりとりは毎度少々鬱陶しい
    こういう女性キャラちょっと古くないか??

  • 前作のジェリーフィッシュから引き続きマリアと蓮コンビのシリーズ。
    前作よりもミステリに穴がなく、ストーリーもプロトタイプ編と青いバラ編とが混じって、ホラーとミステリを両方味わえる独特な世界。
    アイリスの頭脳明晰でツンデレな性格がちょっとマリアと似てるので、作者の性癖かな?と余計なことを考えてしまう。
    刑事コンビ(プラス巻き込まれる軍人)の作戦会議は、ほんと読者へのフェアな説明になってて、論理的でいい。
    青いバラがなぜ不可能なのかを化学式で説明してくれて、すごく面白かった。あつまれどうぶつの森では交配で作ったけど、現実には不可能なんやなぁ。勉強になるー。

  •  「マリア&漣」シリーズ2作目。前作よりも読みやすいし、作品の出来も上。ただ、最初の「事件」の動機が弱いように思える。密室トリック、時間トリック、あと叙述トリックあり。この叙述トリックは、日本語だから成り立つとも言える。あと名前の「愛称」は、これ〇子に使うっけ? 読後に英和辞典を引きました。ほかにも引いた方がいるようですが、確かに載っています。

  • 自分の読解力のなさなのか、
    それと単純に合わなかったのかわからないが、
    前評判を聞いて期待していた分、かなり読むのが辛かった。
    楽しめなかった。

    登場人物、メインのマリアと漣がどうにも苦手で
    あんなにいちいち揚げ足取りをしてたら疲れてしまう。
    海外ドラマのテイストなのかもしれないが、映像で見るのと文章で見るのでは違う。
    いちいち余計な一言とヒステリックに返すやり取りで内心(どうでも良いから話を早く進めて……)という気持ちになってしまった。
    また、彼女の奇抜な見た目と反しての推理力とあるが、奇抜な見た目にする意味がどこにあったのか、あまり活かしきれてないような気がしてならない。
    マリアの推理力や理解力といったものも、正直最後に詰め込みのように突然マリアには閃きがあり、読者はどれほど話についていけているのかわからないが、私としては拍子抜けで、しかも、例えば理路整然と分かりやすく、そしてかつなるほど!とわかりやすいドキドキがあればまだ納得がいくものの
    (え、えー、、、そうなの?え?それらしい伏線特になかったのでは、、?)という曖昧なトリックが多く感じた。

    特にフランキーがアイリスという件。
    フランキーって一般的な女性名なのだろうか。
    海外の名前であるのでそれが引っ掛けと言われればそれまでだが、それらしい記述もなく最後まで読者が女性だとは気がつかない形で導かれる。
    が、この年代的に、男性風に振る舞う女性に対して何か一言あっても良さそうに思うのだが、、、。
    またテニエル博士やクリーヴランド牧師といった名前、
    博士、牧師という職業での呼び方なのであくまでも性的特徴がない。
    しかし槙野茜については彼女という表記があり(隠す必要もないわけだが)、統一するなら彼女にも性別表記はしない方が妥当であると思う。
    アイリスであったという事実=女性だった
    というミスリードを正され驚いてしかるべき瞬間なのにもかかわらず、読み落としたか?という?しか湧かずなんだかもったいないことをした気分になった。

    また、犯人を炙り出すためとはいえここまで時間と手間をかけないといけないものなのだろうか。
    また元凶となった人物の行動がおそまつであり、また今の地位になってまでそこを求めるのかという疑問もある。
    追求されてとった行動も苦しい。
    またそんな軽率なことをする人間が10年も黙って暮らしてるものなのだろうか。

    過去の日記や記憶のくだりは読んでいてハラハラして面白かったのだが、現実の操作シーンやラストは拍子抜けしてしまいその度に読む手が止まってしまった。
    ドミニクの、「いや、やっぱり解らねぇ」が一番わかるセリフだった。

    全然楽しめなかったので、
    楽しかったといっていた友人にポイントを聞いてみたい。

  • 読み終えてない!
    読書が進まない!
    面白くないって訳じゃない。みなさまは、こんな時どーしてますか?

    • おーじさん
      みんなどーしてる?
      みんなどーしてる?
      2024/02/20
    • おーじさん
      読み進みられず。。
      別の本かなーと思いつつ、結末は気になるw
      読み進みられず。。
      別の本かなーと思いつつ、結末は気になるw
      2024/02/20
  • 両親の虐待に耐えかね逃亡した少年エリックは、遺伝子研究を行うテニエル博士の一家に保護される。
    彼は助手として暮らし始めるが、屋敷内に潜む「実験体七十二号」の不気味な影に怯えていた。
    一方、〈ジェリーフィッシュ〉事件後、閑職に回されたマリアと漣は、P署の刑事ドミニクから依頼を受ける。
    幻の青いバラを同時期に開発した、テニエル博士とクリーヴランド牧師を調査してほしいと。
    しかし両者への面談直後、温室内で切断された首が発見される。
    バラの蔓が扉と窓を覆い、密室状態の温室には縛られた生存者と「実験体七十二号がお前を見ている」という血文字も残されていた。
    (アマゾンより引用)

    何かちょっと無理やり感もありつつ…
    面白かったけど、復讐のためとはいえ、好きな人の首を切れるかなぁ?

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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