わたしの忘れ物

著者 :
  • 東京創元社
3.24
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本棚登録 : 112
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027803

作品紹介・あらすじ

H大学生部のユウキさんに無理矢理にすすめられた、商業施設の忘れ物センターでのアルバイト。引っ込み思案で目立たない私にこの仕事を紹介したのはなぜだろう? 「他人には他愛のないモノでも、持ち主には大切な思いがある」短期間のアルバイトの中で、少しずつ理解を深めていく中辻恵麻。『メグル』『ミツハの一族』と連なる、心優しい連作集。

感想・レビュー・書評

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  • 先ず、大学事務局で紹介されるアルバイトという始まり方に、同作者の『メグル』を思い出した。
    読み進むと、“不思議”はない忘れ物を通しての“日常ミステリィ+成長物語”かと思いきや、最後はやはり乾ルカ作品らしく“不思議”込み。
    主人公のウジウジ加減にかなりゲンナリさせられたので、この評価。

    「妻の忘れ物」
    「兄の忘れ物」
    「家族の忘れ物」
    「友の忘れ物」
    「彼女の忘れ物」 
    「私の忘れ物」
    エピローグ

  • 事前情報なしで読み始めたらまさかのメグルシリーズ。

    ちょっと都合がよすぎる設定な気はするけど、
    ひとつひとつのストーリーはさすが乾さんで、
    心にしみる。

    やっぱり家族ものには弱いわたし。

  • 主人公のネガティブさに共感できないからか
    なかなか読み進む事ができなかった。

    忘れ物のエピソードも ほろりとくる物もあれば、
    違和感あるエピソードもあり。

    途中から何となく感じていたものの
    ラストはそうだったのか!という思い。

    親友とは気持ちのすれ違いのままではなくて本当に良かった。

  • 影の薄い存在と自認する女子大生が、アルバイト先である落とし物センターで経験する6つのストーリー。

    当事者にとってのみ大事な落とし物という目のつけどころはいいのだが、どのエピソードも今ひとつぱっとせず、何より自分に自信がもてない主人公が、いじいじと悩む姿にうんざりしながら読み進めた。
    と、最後の1話で全体をひっくり返すような仕掛けが。途中の漠然とした違和感は、そのせいだったのかと驚いたものの、すべてを読み終えてみればその設定自体への違和感が生じてしまった。

  •  メグルの続編でしょうか。

     忘れ物がちょっとこじつけっぽい。

     気になったのは、いらないからって置いてく事。捨てましょう、ごみ箱に。っていうか、家で捨てなさいよ。

  • 2018/6/18(月曜日)

  • なんだかわけがわからなくなり、途中挫折。
    あまり好きな感じではなかった。

  • +++
    中辻恵麻がH大学生部から無理矢理に紹介された、大型複合商業施設の忘れ物センター―届けられる忘れ物を整理し、引き取りに来る人に対応する―でのアルバイト。引っ込み思案で目立たない、透明なセロファンのような存在の私に、この仕事を紹介したのはなぜ?なぜこんな他愛のない物を引き取りに来るの?忘れ物の品々とその持ち主との出会い、センターのスタッフとの交流の中で、少しずつ心の成長を遂げる恵麻だが―。六つの忘れ物を巡って描かれる、じんわりと心に染みる連作集。
    +++

    妻、兄、家族、友、彼女、そして私、という六つの忘れ物の物語である。大型商業施設の喧騒から離れた先の、スタッフオンリーかと思ってしまうような通路を曲がったところにある忘れ物センターが物語の舞台である。中辻恵麻は、母の介護のために休職中の係長の穴埋めのために、成り行きで半ば無理やりにここでアルバイトすることになったのである。舞台や設定からは、何やら小川洋子めいた匂いがするし、ガラクタにしか見えない忘れ物たちに、見えない価値を見つけ出す水樹さんや橋野さんも、いささか謎めいていて、興味を惹かれる。忘れ物を取りに訪れる人たちにもそれぞれ生活があり、さまざまなものを抱え込んでいて、そんなその人だけの価値を知ることにも心惹かれる。だが、それだけでこの物語は終わらない。恵麻の忘れ物の物語が解き明かされるとき、いままでの不思議が氷解し、あたたかい涙とともに流れ出してくるのである。遅くなくてよかった、と恵麻に行ってあげたくなる一冊である。

  • 初出 2016〜17年「ミステリーズ!」の連続6話

    正門から入ると中央ローンの右手の事務局、図書館、という並びは、冒頭の舞台が札幌の我が母校だとわかって、映像が目に浮かび、トゥッティのモデルはどこ?と考えながら読んだ。
    トゥッティって、ソロや部分合奏が終わって全体が合奏する「総奏」のことなのだが、後から思うとそういうことか。。。

    大学の学生部の紹介で忘れ物センターでアルバイトをする恵麻が、ガラクタに見える忘れ物が誰かの思い出の品であることに気づいていく。亡き夫の靴べら、先日の火災で死んだ弟が初任給で買ってくれた手袋、忘れ物にされた認知症の老人、必ず持ち主の元へ戻る行方不明の友人とのペアウォッチ。

    その合間あいまに、優しいスタッフとふれあって、ミスセロハンと自称する恵麻の謎が少しずつ示されていくが、届けられた女子高校生の制服の話に至っては落とし主を推理する展開がミステリーめいて楽しい。

    だが、最終話は悲しくて納得がいかない!
    こんな結末も薄々予感されていくのだが、そこまでひっくり返さなくても、ねえ。

  • 大学から強引にバイトを紹介されて派遣された忘れ物センター。
    そこで出会う様々な忘れ物、その持ち主。
    一見、何の役にも立たないような、時にはゴミにも見えるような物にも、人によってはかけがえのない価値がある。
    …なんてセンチメンタルなドラマなのかと思っていたら、終盤に向けて不穏な方向へ。
    『メグル』で様々なバイトを押し付けてきた女性(「ユウキ」という名を知った)が再び登場。こんな紹介もアリとは、やはり只者ではなかった。
    忘れ物センターの水樹も橋野も素敵な人だったが、どうせなら水樹が一見冴えないオジサンみたいなキャラの方が良かったような。

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著者プロフィール

1970年北海道札幌市生まれ。2006年、「夏光」で第86回オール讀物新人賞を受賞。2010年には『あの日にかえりたい』で第143回直木賞候補となる。他の著書に『花が咲くとき』『メグル』『願いながら、祈りながら』『向かい風で飛べ!』など多数。

「2017年 『青い花は未来で眠る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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