友を待つ

著者 :
  • 東京創元社
3.21
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本棚登録 : 86
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027889

作品紹介・あらすじ

新聞は事件を、週刊誌は人間を追いかける。取材対象者へ独特の感性で切り込み、数々のスクープを飛ばしてきた伝説の週刊誌記者が、女性宅への不法侵入と窃盗の容疑で逮捕された。窃盗容疑は否認する中、一言だけ取調中に語った「友を待つ」の真意とは何なのか? 言葉の意味と目的を調べはじめた後輩記者たちは、十年前のある官僚との因縁に原因があることに気づく――。吉川英治文学新人賞受賞の『ミッドナイト・ジャーナル』に続く、傑作記者ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 元敏腕週刊誌記者・瓦間が女性宅への不法侵入と下着の窃盗容疑で逮捕される。取調べ中、彼は容疑を否認し「友を待つ」と刑事に言う。かつてコンビを組んでいた石橋と、後輩の現役記者・新見は独自に調査を開始。一方、担当刑事は警察内にきな臭動きを感じながら捜査に当たるが・・・
    いい意味で予定調和。ラストシーンは爽やかで良かった。家具職人の仕事ぶりは興味深かった。ただ、刑事のシングルマザーの問題など、やや詰め込みすぎの感も。

  • 久しぶりの本城氏の作品。序盤・中盤にかけての展開、「友を待つ」という意味深な言葉に対して刑事側の攻防や元同僚の調査が進んでいくあたりは非常に引き込まれたが、結末はイマイチだった。少し話が込み入りすぎていて、頭が追いつかなかったのが大きい。小説というよりはテレビドラマ向きな内容かなと思う。

    作者の作品の登場人物はリアリティがあり人間味があって非常に好きだ。今回も瓦間や石橋、新見はひと癖があるが日常にいそうな人物として書かれていると思う。ただ、刑事側の主人公である涼子が少し激しくて苦手だった。警察内部の不倫を糾弾する一方で、自分は夫と別れ、文句を言う割に子供のお迎えの時間には遅れ、自己正当化する。リアルといえばこれが現実なのかもしれないが、正義側の主人公なのでもっと好感が持てる人物にしてほしかった。

  • 「親しき仲にもスキャンダル」を信条とし、数々のスクープをものにした元週刊タイムズ伝説の記者・瓦間が女性宅への不法侵入及び窃盗の容疑で逮捕された。取り調べをはぐらかす彼が漏らした言葉、「友を待つ」とはどういう意味なのか。
    かつて不祥事により彼と共に解雇され今は実家の家具工房を継いでいる元同僚記者・石橋と、彼らの後輩で今タイムズの副編集長をしている記者・新見が瓦間の行動の真の目的を探るため行動を起こす。
    一方、瓦間を取り調べる目黒署の刑事・涼子は、この事件にかつて不倫スキャンダルを週刊誌にすっぱ抜かれた警察官僚・澤田が深く関与していることを知り、事件に疑念を抱く・・・

    不法侵入・窃盗、警察官僚の不倫スキャンダル、元外務大臣とロシア情報会社との癒着、政界のプリンスの過去にまつわる暗い影、フィクサーの暗躍・・・とどれだけ風呂敷を広げるんだ~というほどの息をつかせぬ展開に酸欠状態。
    抜いた抜かれたのスクープ合戦に、スキャンダルの報復に対する報復・・・あ~頭がついていけない。
    こんなことで「特定秘密保護法違反」とかいって欲しくない気もするけど、ラストの光景が爽やかな青春小説のような趣だったことで救われました。終わり良ければ総て良し?疲れた~

  • 導入は良いのだけど、冗長なのと真相が思っていたよりショボいと感じました。
    瓦間のキャラもよくつかめないまま終わってしまう等、登場人物に共感ができない。

  • 週刊誌記者が女性宅に不法侵入と窃盗容疑で逮捕される。目黒署の女性刑事が事件を取り調べるが事件の真相が見えてこない。一方、後輩記者や元同僚記者たちも事件の真相を追い始めるが、警察のキャリア官僚に妨害されながら、辿り着いた事件の真相は?

  • 「週刊誌は人間を追いかける」とかで現場は懸命に仕事してるのだろうけど、記事のタイトル見るとあまり応援はできないな。

  •  ラストが晴れやかで。

  • 新聞は事件を追っている
    週刊誌は人を追っているという言葉を言わせている時点で

    著者の思う 週刊誌の人たちがこうであってほしいと
    いう思いが結実しているんだろうなと邪推。

    少しながら予定調和ながら

    不法侵入&下着泥棒の罪で捕まった元週刊誌記者
    の『友を待つ』というセリフから始まる一連の流れと

    並行して載せるはずの政治家のインタビューが
    徐々に絡み合っていく様はそれなりに楽しめました。


  • 227今回は読み応えのあるスカッとするストーリーでしたよ。解決までの伏線も二度読む価値がありました。

  • 125-11-5

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著者プロフィール

1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、スポーツ紙記者として活躍。2009年『ノーバディノウズ』が松本清張賞候補となりデビュー。2017年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞を受賞。2018年『傍流の記者』で直木三十五賞候補。著書に『四十過ぎたら出世が仕事』(祥伝社刊)『友を待つ』(祥伝社文庫)など多数。

「2023年 『あかり野牧場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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