魔眼の匣の殺人

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027964

作品紹介・あらすじ

あと二日で、四人死ぬ――
ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾!

その日、“魔眼の匣”を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 屍人荘の殺人...が特にずば抜けて面白く感じた訳ではなかったが、斬新なアイデアが組み込まれた掛け算構築の感動をまた味わいたく第二弾、「魔眼の匣の殺人」へ。

    前作同様、主人公葉村の心の声的なアレが大変面白く ヤングな気分を味わえた。だが、どうしても脳内再生はアニメーション。リアリティを能内で補うのは難しい。まず名前が読めない。「名は体をあらわす」のこだわりについていけないアダルト勢な自分に凹んだ。

    とは言えやはり前作を嗜んでいた分、キャラクターの愛着はそれなりに持っているもので、葉村と剣崎美少女が話せばワクワク、動けばワクワク。読了スピードはベンジョンソン。
    そのスピードとファンタジー要素のせいなのか、今作は伏線の機能がやや弱く感じた。上がっていた肩がゆっくり下がる場面を何度か繰り返した。....と、まぁ強がっていますが、フィナーレのどんでん返しはまともに喰らってます。

    ただなんと言うか、驚きは勿論だったのだが飛び上がる程興奮した訳ではない。話題作のハードルの高さを痛感した。そう言えば、レビューを読み返してみれば前作屍人荘でも似た様な体験をしていた。
    恐らく、トントンとお話が進みすぎて障害物が何も無い状況なのが不服なのだろう。

    消してイージーでは無いトリックの数々、キャラクターの愛され具合、ライトな読み物としては大変楽しめた。良い事言っていないくせに次作も読むつもりマンマンだ。そんな魅力が詰まっている。
    期待値は消えていない。むしろグイグイ上がってます。これからがとても楽しみでござるます( ˙꒳​˙ )

  • 「屍人荘の殺人」に続いて、剣崎比留子第ニ弾。前作はゾンビ、今回は超能力、予言という人間が絡めなさそうな題材をホラーではなくミステリにまとめ上げているのが今村昌弘の凄さだと感じた。予言は運命だからトリックなんて存在しないかと思うと犯人はその特性を利用した上で殺人を行い、剣崎・葉村が解き明かしていく。

    サキミは祈祷を行い、ずっと先の未来を夢で見る。また、孫の十色はすぐ先の未来をスケッチブックに瞬時に描く。状況は分かっても誰に不幸が訪れるかは絵の中は黒い人影で表現されている為、分からない。というより描いた時点では不確定。この作品で自分が驚いたのはこの点で、犯人はスケッチブックの絵の状況に合わせる(鼠、赤い花を置く)事で特定の人物を陥れる。斬新だ!予言にあった人数の4人を先に殺してしまえば自分は死ななくて済む…そんな考え方があったか?!

    神紅のホームズ、愛されキャラ(?笑)の明智さんは前作早々に散ってしまっていたので今作は登場しなくて寂しいなと思ったが、明智さんについて語られる場面があって良かった。「うまくいかないもんだな」は名ゼリフ。読者の想いをしっかり作品に表現してくれていて嬉しかったです。

    図書館でタイミング良く、次作を借りられたので続けて読みます。斑目機関の真相は?次は剣崎と葉村のどんな駆け引き、推理が?う〜ん、とても楽しみ!

  • 11月28日に予言者サキミという老女の居る魔眼の匣を訪れた九人の男女。
    葉村譲と班目機関と予言との関連性を調べる剣崎比留子を含む九人は外へと繋がる橋を村人により、焼け落とされ、閉じ込められてしまいます。
    サキミは「11月の最後の二日間に魔眼で男女が二人ずつ、四人死ぬ」という予言をしていました。
    クローズドサークルになった魔眼の匣(という元班目研究所)に閉じ込められた九人のうち、本当に四人が死ぬのか。

    偶然集まっただけだと思われていた外部からきた者を含む九人ですが、様々な土地と縁のある者たちだったということが発覚していきます。
    その中の女子高生、十色真理絵もまた、未来の光景を絵に描く予知能力を持っていました。

    「二人の予知能力が本物かどうかは別として、私たちがその能力を恐れる気持ちや一種の信仰心が事件を左右している」という比留子のことば。
    犯人が誰かというフーダニットより、なぜそれが起こったかというホワイダニットが恐ろしい作品でした。

    最後の予言者サキミの運命が一番憐れでした。
    比留子の葉村を思う気持ちからとった行動も勇敢だったと思いました。
    過去に班目研究所で起きていたことの謎解きは興味深く、予言者として生きる者のことが少しわかった気がしました。

    • やまさん
      まことさん
      こんにちは。
      1月から、その月の最後に読んだ本に、その月のベスト3を載せています。
      きょうから始めています。
      やま

      ...
      まことさん
      こんにちは。
      1月から、その月の最後に読んだ本に、その月のベスト3を載せています。
      きょうから始めています。
      やま

      2020/02/23
    • やまさん
      各位
      こんにちは。
      1月最後に読んだ本は、「新・浪人若さま 新見左近【四】-桜田の悪 (双葉文庫) 」です。
      見つけ方は、私のページの...
      各位
      こんにちは。
      1月最後に読んだ本は、「新・浪人若さま 新見左近【四】-桜田の悪 (双葉文庫) 」です。
      見つけ方は、私のページの「読書グラフ」の2020.01をクリックして、1月、本、27(冊)をクリックして、一番最後までもって行くと最後に読んだ本の所に行き当たります。
      やま
      2020/02/23
  • 鬼才・今村昌弘氏のデビュー作であり、スマッシュヒットとなった前作『屍人荘の殺人』の続編ということで、これは期待しない訳にはいかない。
    しかし、前作で読者の度肝を抜いたあの仕掛けは何度も使えないだろうから、続編の完成度については少し心配していたところもあるのだが、全くの杞憂であった。
    さすがにデビュー作であれだけの小説を書く作家だ、この続編も当然のように面白い。

    本書では、前作の『屍人荘の殺人』であまり語られなかった謎の組織「斑目機関」に対する直接の調査に神紅大学ミステリー愛好会の美少女探偵・剣崎比留子と同会会長の葉村譲が挑む。

    今回もクローズドサークルを舞台とした殺人事件が発生する。
    数十年前に斑目機関によって超能力実験が行われていたという情報を入手し、二人は斑目機関の実験施設があったとされる某県の好見地区・真雁へと向かう。そこにはサキミと呼ばれる老予言者が居住する『魔眼の匣』が存在した。

    予言者サキミによってなされた
      『十一月最後の二日間に、真雁で男女が二人ずつ、四人死ぬ』
    という予言。
    比留子と葉村を含めた男5人、女4人の計9人が陸の孤島と化した真雁地区に取り残される。そんなおり、突然発生した地滑りによって1名が死んでしまう。
      予言は本当なのか
    残された男女8人による壮絶なサバイバルが開始される・・・。

    前作『屍人荘の殺人』では読者の想像の遙か斜め上を超す状況を使ってクローズドサークルを完成させたが、本作では集落との唯一の交通路である橋が焼き落とされてしまうというオーソドックスな方法によってクローズドサークルが作られる。
      あれ?本作は普通のミステリーかな?
    と読者に最初は思わせておきながら、そこは鬼才・今村昌弘氏だ。そんな簡単なミステリーは書かない。
    今回のプロットは
      『絶対に外れない予言』との対決
    だ。
    どう見ても人為的ではない普通の地殻変動によって1人が亡くなってしまったことに残された8人は
      サキミの予言は本物だ!次に死ぬのは自分ではないのか?
    と疑心暗鬼になる、さらに
      では他の人間があと3人死ねば、自分は助かるのではないか
    と考えつくのも無理もない状況となる。
    ここからはお互いが敵同士となり『予言など当たる訳がない』と考えつつも『もしかしたら予言は当たるのかもしれない』と二律背反する意識のなかで誰もが葛藤する。

    いや~。さすがだ。
    このような状況で本格ミステリーを読ませてくれる今村昌弘氏、ただ者ではない。
    『バトルロワイヤル』のような状況になりそうな状況を上手くコントロールし、殺人事件&謎解きというミステリストーリーにスムーズに仕上げてくる。最後に大どんでん返しもあってラスト1ページまで読者を飽きさせることがない。
    そして、読者には比留子と葉村のくっつきそうでくっつかないラブロマンス要素も楽しませてくれるのだ。これ以上の読書体験を小説家に求めるのは酷だろう。

    さらに今村昌弘氏の凄いところは、この本を2作目にもってきたというところだ。
    実際、本作を1作目、『屍人荘の殺人』を2作目にストーリーを作ることも可能だろう。しかしながら、どちらのストーリーが読者に与えるインパクトがあるかと考えれば、間違いなく『屍人荘の殺人』だ。
    トリッキーな状況を使ってミステリーを描いた『屍人荘の殺人』で多くの読者の目を引きつけ、2作目の本書で本格ミステリーを読ませれば、
       トリッキーも本格派も両方イケる作者
    という印象を確実に読者に与えられる。
    本作を1作目にしてしまったら『屍人荘の殺人』で獲得したほどの読者数は残念ながら得られないだろう。これは本作が面白くないという意味ではなく、あくまでもマーケティングとしての話だ。
    さらに本シリーズは3作目も予定されているだろうから、より一層楽しみである。

    それにしても映像化の影響は凄い。
    まだ映画『屍人荘の殺人』の予告編しか見ていないが、本作を読んでいる際、葉村君が完全に神木隆之介君で脳内再生された。違和感全く無し。
    でも剣崎比留子は浜辺美波さんでは再生されなかったなあ。ちょっとイメージが違うんだよな。小説の中の剣崎比留子のあのしゃべり方は非常に独特だから、あの口調でしゃべる女優さんをイメージするのは難しい。映画を見たら変わるのかもしれないけど。

    というか、僕がこのレビューで言いたかったことはこんなことでは全くなく、この小説の内容の時期、つまり「11月の最後の2日に男女2人ずつ4人が死ぬという予言」の時期と僕がこの本を読んだ時期が偶然にも完全に一致していた!ということだ(笑)。
    僕がこの本を読み始めたのが11月29日、そして読み終わったのが12月1日。小説でも12月1日で事件が結了を迎えるので、まさに僕の読書時間と小説の時系列が完全一致するというリアル『24』状態が完成されたのだ!!!
    なんというもの凄い偶然だろう、もう著者と自分との浅からぬ因縁を感じてしまう(向こうは何の因縁も感じていないだろうけどw)。
    という訳で、本作も『屍人荘の殺人』に負けず劣らずの面白さ。『屍人荘の殺人』を楽しんだ読者にはぜひ読んでもらいたい続編であることは間違いない。

    • やまさん
      kazzu008さん
      こんにちは。
      いいね!有難う御座います。
      『左近 浪華の事件帖』シリーズは、3冊で終わりです。
      来年の1月に4...
      kazzu008さん
      こんにちは。
      いいね!有難う御座います。
      『左近 浪華の事件帖』シリーズは、3冊で終わりです。
      来年の1月に4冊目が出る予定です。
      楽しみにしていてください。
      やま
      2019/12/04
    • kazzu008さん
      やまさん。こんにちは。
      いいね&コメントありがとうございます!
      来年1月に新しい本がでるのですね。やまさんのレビューを楽しみにしています...
      やまさん。こんにちは。
      いいね&コメントありがとうございます!
      来年1月に新しい本がでるのですね。やまさんのレビューを楽しみにしています!
      2019/12/04
  • はい、今回もクローズドサークルです
    クローズドサークルの設定そのものは今回はスタンダードですが
    (作者曰く)ミステリーファンなら誰もが持つ疑問にこのシリーズならではの解を提示してくれています

    ①なぜ真犯人はクローズドサークルという必ず自分が容疑者として特定され、後の科学捜査により簡単に犯人と立証されかつ逃げることもできない圧倒的不利な状況で犯行に及ぶのか

    ②なぜ登場人物たちは確実に自分たちの中に犯人がいると分かっていながら相互監視をせずにそれぞれの部屋に帰っていくのか(あるいは集団から離れるのか)

    うん、実は自分も思ってました
    こいつらバカか!とw
    思っててそれじゃ成り立たないよなと蓋をしてました
    その疑問にシリーズならではのとんでも設定を利用して答えてくれてます

    良い!w
    でもちょっとずるいw

  • 一気読み。ただ『屍人荘の殺人』に比べたらやっぱり衝撃度は落ちるかな。比留子さんと葉村くんの関係性とか理詰めの謎解きとかは楽しかったけど、おどろおどろ感が好きなのでちょっと物足りない気がした。

  • 隠された秘密の危うさと、それを探る危うさ。橋を落とされ、よくない予感の中まきこまれてしまう。斑目機関はいったいどういうつもりなのか?犯人のトリックとそれを回避したり、見破るためのトリックか?烙印をどう受け止め回避するかという一抹の不安が漂い続ける中、剣崎比留子が論破する。剣崎比留子にとって斑目機関とはいったいなんなのかが話を作り上げているのだろう。その少し翳りあるところがよい。

  • 「屍人荘の殺人」がおもしろかったので第二弾に手を伸ばす。
    大好きなクローズドサークルもの!のはずが、今回は自分のワクワク度が低かった。んんー、なぜだろう?屍人荘の殺人が好みすぎたのでちょっと本作に挑む姿勢が違ったのかもしれない。超能力モノも好きなはずなんだけどなー。でも比留子のキャラクターが好きなので三作目も見ちゃうかな?

    • ほん3さん
      こんにちは!
      わたしも「屍人荘の殺人」の方がワクワクしました。
      面白いけれど、前作の衝撃には勝てなかった感じでした。
      比留子、いいですよね!...
      こんにちは!
      わたしも「屍人荘の殺人」の方がワクワクしました。
      面白いけれど、前作の衝撃には勝てなかった感じでした。
      比留子、いいですよね!

      2022/06/02
    • あささん
      ほん3さん、こんにちは!
      まさしくです!前作の衝撃には勝てなかったです。三作目、設定が地方テーマパークなんてまた面白そうですよねぇ(n´—`...
      ほん3さん、こんにちは!
      まさしくです!前作の衝撃には勝てなかったです。三作目、設定が地方テーマパークなんてまた面白そうですよねぇ(n´—`n)あらすじを読んで期待してしまっています。

      そういえば自由研究には向かない殺人を予約待ちなのですが、ほん3さんの感想を読んではやくはやくーっ!となっております。笑
      2022/06/05
    • ほん3さん
      三作目はテーマパークの設定なんですか。知らなかったー。面白そうですね!

      「自由研究には〜」面白かったですよ。
      あささんにも面白いと思っても...
      三作目はテーマパークの設定なんですか。知らなかったー。面白そうですね!

      「自由研究には〜」面白かったですよ。
      あささんにも面白いと思ってもらえたら、嬉しいなあ。
      早く予約の順番が来ると良いですね(๑˃̵ᴗ˂̵)
      2022/06/05
  • 『屍人荘の殺人』から3か月。惨禍を引き起こした斑目機関について有力な情報を得た剣崎比留子と葉村譲は、W県の好見地区に赴く。好見の集落を探索するも住人は姿を見せない。2人はそこで偶然出会った6人の男女と共に、元住人の女に導かれて橋の先の『真雁』に住む老女のもとを訪れる。人里離れ、窓のない奇妙な建物は『魔眼の匣』と呼ばれ、そこに居を構える老女『サキミ様』は、予言者として好見の住民から恐れられていた。サキミは葉村たちに、「あと二日のうちに、この地で4人が死ぬ」と告げる。その直後、外界と唯一繋がる橋が燃え落ち、そして予言が成就するがごとく一人が死に、魔眼の匣に閉じ込められた9人に、混乱と恐怖が襲う──

    本作にもベタな登場人物一覧に、ベタな見取り図、部屋割図。今回は、見取り図からしても、あ〜なるほどクローズドサークルなのねとわかる。電話の通じない山奥に、焼け落ちた唯一の橋って、金田一少年やら色々なところで見かけたことのある設定。
    でもベタに見せかけて第一作の設定がぶっ飛んでたから、今作はどうぶっ飛ぶのかしらと期待しつつ身構えて読んだ。結果、第一作みたいな「目が点!」の大衝撃はなく、むしろ地に足がついたミステリーになっていた。

    このクローズドサークルは永遠ではない。数日のうちに解かれて、警察が捜査に乗り出す。容疑者はこの中に「しか」いない。しかも今回、ほぼ初対面の者同士。それなのになぜクローズドサークルで殺人を犯すのか。
    予知という超現象が人を追い詰め、極端に視野を狭くする。それしかないと思わされる。単なる超能力のキワモノでは終わらせない、作者の構成、心理戦の描き方のうまさに感心する。

    予知したから事件や事故が起こるのではない、予知は呪いではない、はずだけど…。この事件に関して、予知は呪いだったのだな。沢山の人の人生が狂ってしまった。どうやっても避けられないなら、こんな力はいらない!本当にそうだよね。あの人には幸せになってほしかった。。

    これは、第一作『屍人荘の殺人』を読んでからでないといけません!という注意書きも必要よね。前の事件から引き続いていて、2人の追う斑目機関とは何か、彼女がホームズになっているのはなぜか、葉村くんが時々やり場がない気持ちに揺れているのはなぜか、明らかに想いあっているのに2人の間の微妙な距離感が縮まらないのはなぜか(このモダモダ感は嫌いじゃないが、というか大好物であるが)、、、などなど、屍人荘読んでからの方がずっと楽しめる。
    葉村くんが落ち込んでるとき、何メソメソしてんだよ、お前のホームズ登場〜!みたいなノリで出てきてくれないかなぁって、ちょっと思っちゃったよ。

    前作では少し消化不良だった斑目機関の一端が明かされ、まだまだ深いんだよと闇の中に誘われる。今作でシリーズ物であることがはっきりし、次作はどうくるのかなと楽しみ。


    ※追記
    そうそう!この作者さんが、名前を覚えやすいように工夫してくれているところ、とても好きです(笑)。こういうクローズドサークル系ミステリーは、一気に新しい登場人物が10人くらい出てくるのだけど私は人の名前覚えるのが実生活でも本でも苦手で。。横文字の名前は特に覚えられなくて途中でわからなくなるため海外ミステリーは苦手分野…。
    このシリーズは、前作に続き今作も、先見のサキミ様、王子のような外見の王寺さん、薄っぺらいライターの臼井頼太など、ここまで名を体で表す人たち見たことないわというレベルにわかりやすい(笑)。物覚えの悪い私でも覚えられる名付けで、しかも途中でおさらいまでしてくれるから、名前に困らずに本編に集中できる。この有り難さたるや!!ほぼ一度も、えーとどちら様だっけ?と迷子になることなく読むことができた。ミステリー初心者にもわかりやすい説明といい、本編に入る前に脱落者を作らないように工夫されていて、作者が時々振り返って、「ついてこれてる?」と確認してくれる安心感がある。作者の気遣いに感謝。

  • 今回も面白かった!
    トンネルの怪談や、比留子さんが叙述トリックに腹を立ててたことまで伏線だったとは。
    今村さん、とことん本格ミステリの人ですねえ。フェアですわ。粋ですわ。
    表紙が炎を連想させるの何で?と思ってたけど、トンネルの事件のイメージもあるんですかね。

    前作で好きだった明智会長の存在が無きものにならず、ちょこちょこ回想されるのも嬉しかった。
    次作も楽しみです。

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著者プロフィール

1985年長崎県生まれ。岡山大学卒。2017年『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は『このミステリーがすごい!』、〈週刊文春〉ミステリーベスト10、『本格ミステリ・ベスト10』で第1位を獲得し、第18回本格ミステリ大賞[小説部門]を受賞、第15回本屋大賞第3位に選出。映画化、コミカライズもされた。シリーズ第2弾『魔眼の匣の殺人』も各ミステリランキングベスト3に連続ランクイン。2021年、テレビドラマ『ネメシス』に脚本協力として参加。いま最も注目される期待の俊英。

「2021年 『兇人邸の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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