魔眼の匣の殺人

著者 :
  • 東京創元社
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レビュー : 167
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027964

作品紹介・あらすじ

あと二日で、四人死ぬ――
ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾!

その日、“魔眼の匣”を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  •  精神的クローズドサークルとか、初めて読んだ。

     いやあの、前作でも思ったけど、このひと、天才じゃね? すごくね?
     今回は超能力者、預言者の出てくるお話でした。トンデモ設定のなかでうまく転がしてくれるのは前作で実績があるので全然心配はしてなかったんだけど、預言をそう使ってくるかっていう。その発想はなかったわ、ほんと。
     物理的にもクローズドサークルなんだけど、こう、動機の面というか、犯人が犯行に至らざるを得なかった理由がね、なるほど、と。
     そこで感心しているところで、もう一つオチが重なって、さらに最後にもっかいひっくり返されるっていう。展開がすばらしい。文句がない。トンネルの話はこれ絶対あとで生きてくるなって思ってたんだよ。読んでる途中で忘れちゃったけど。うんほんと、面白かったです。比留子さんと犯人の死闘の部分とか、鳥肌立つね。
     要所要所に明智さんが生きてきてるのがすごい好き。あと純くんが健やかに育ってくれることを祈ってます。
     抜粋。勧められたミステリを読んでの比留子さんの感想。


    「あんなに心配しながら読んだのに。ああ騙されたよ笑えばいいさ。ミステリは意地悪ばかりだ!」

  • 『屍人荘の殺人』で奇想天外な発想で度肝を抜かれた前作。あまりに面白く、思わず☆5を付けてしまった作品の続編ということで、期待して読み始めてみた。

    前回と同じ手は使えないだろうと、でも、気は抜けないぞと、あらゆる衝撃に耐える心持ちで挑んだ今作。結論から言えば、前作とは全く違った志向。本格的なミステリを堪能することになった。まあ、予知能力等を使った多少トリッキーなミステリだったが。

    さて、前作でも登場した譲と比留子。2人は班目機関が実験を行っていたとされる地区に向かう。そこに集まった人々。高校生のカップル、大学教授の親子、オカルト雑誌の記者、ツーリングの最中にガス欠になった会社員、もと住民。
    偶然出会った9人は、未来を予知できるサキミという予言者に会いに行くと、そこに通じる橋が火事で落ちてしまったことで、施設に閉じ込められてしまう。
    施設にいるのは、サキミとサキミに仕える住人。登場人物はほぼこの11人。サキミはこの2日で男女2人ずつ死亡すると予言する。
    すると、地震による崖崩れの下敷きになって記者が死亡。次に高校生の女子が銃で撃たれて死亡。残る死亡者は2名。予言によるものなのか、それとも・・・。

    前作ほどではないが、今作も楽しめた。登場人物の紹介で明智恭介の名があったので、もしやと期待したが、やはりそんなことはなく。でも、まだ続きそうなので、次作にも期待大。次はどんな手を使って楽しませてくれるだろうか。少し変わったミステリを楽しむにはオススメな一冊。

  • なかなか私には難しい内容でした。
    比留子さんが最後に犯人を説明してくれるのに、うまく飲み込めなかった。
    結局は、そっちの呪いの方が作用されたのかって。
    本当のラストはちょっと切なかったかな。
    最初に読んでて岡町さんってなんかキーワードかなって思ったらやっぱり。
    ネタバレになっちゃうけど、信じて待てるかね~でも、きっと待つんだろうな。

    純君の存在がありがたかった。
    まだまだ葉村君と比留子さんのコンビは続くみたいですね。

  • 今村昌弘『魔眼の匣の殺人』読了。
    デビュー作の『屍人荘の殺人』が大ヒットし、大きな期待をかけられたシリーズ二作目。今回は「あと二日で四人死ぬ」という予言が場を支配するクローズドサークル。前作で話題を呼んだような仕掛けはないものの、作品の質では間違いなく今作の方が上だろう。
    前作のロジックの甘さは今回で払拭・・・・・・とまでは行かないが、よりシンプルな構図で真相が判りにくい、無駄のないスマートさのあるロジックになっている。サプライズも前作では表面的過ぎたきらいがあったが、今作では本筋と絡んだ構成美の大事な楔になっている。
    今回はシリーズ化を想定したこの世界観の背景も垣間見れる。また、このシリーズならではの「特殊状況」は理解しやすく説明がなされ、誰も躓かない。やはり全体的に読者に配慮したものになっている。
    ミステリ的に大事にしてほしい部分と、ストーリー的に不可欠な特殊状況が過不足なく融合している点は、前作と同様に素晴らしい。
    屍人荘が加点法で上がり減点法でやや落とす作品であったのに対して、今作は加点法で上げ減点法でも落ちない。純粋に面白く、納得のいく内容だった。

  • とりあえず、一発屋ではなかったわけだ。

    付け加えるなら、著者はかなり自覚的に小説を書いている。
    ここで言う「自覚的」とは、ディーン・R・クーンツとか森博嗣とかと同じ意味合いである。つまり身も蓋もない言いかたをするなら、商売として計算し尽くして書いているのだ。
    たとえば比留子の造型について、拒否反応を示す向きがある。私もヲタ的ラノベのオナペット・ヒロインは大っ嫌いなくちだが、本書ではさほど癇に触らない。なんとなれば、著者の「萌え」は皆無なのが伝わってくるからだ。
    本物のヲタがヲタヒロインを書けば、とうていあんなものでは済まない。ネッチョリグッチャリと、それはそれは気持ち悪いことになる。本書からは、それが微塵も感じられない。つまり著者は読者ウケを狙って、商売としてあのキャラを造ったのだと思われる(傍証として、思わず笑ってしまうようなネーミング・センスを挙げてもいい。実用本位ですばらしいw)。
    また、著者は前作の受賞インタビューで「ミステリはあまり読んでいない」「ミステリを書いたのは今回が初めて」「ミステリ作家になろうとしたのではなく、〆切の関係上たまたま本賞に応募しただけ」といったことを語っていたように記憶する。前作、そして本作を読めば、「ミステリはあまり読んでいない」については眉に唾をつけたくなるが、ただこれも「自分はミステリ・マニアではない」という趣旨だと捉えれば納得できる。ミステリも(ラノベのオナペット・ヒロインと同じく)「好きが昂じた者が書き手に回る」ジャンルとの印象が強いが、この著者はそうではなく、かなり戦略的に書いているのではあるまいか。
    なればこそ、ミステリと×××を混ぜるというような、一部のマニアは聞くだけで拒絶反応を示す(そして、また別の人々は斬新だと褒め讃える)ようなことを平気でやるし、そんな「一見キワモノ」をやりながら、基本的なところは驚くほどキッチリと押さえた「秀作」が書けるのではあるまいか。
    そのくらい、本書は最初から最後まで、ある意味教科書どおりの王道である。良くも悪くも、道を踏み外さない。良い意味でも悪い意味でも、「すごい」ことは何も起こらない。なにしろ律儀なことに、「最後のどんでん返し」まで用意されているのだ。
    著者はそういう「水準的」な力量をしっかり備えた人であり、前作は「何も知らない素人が蛮勇をふるったビギナーズ・ラック」ではなかったことが証明された。

    そのうえで、著者のオリジナリティはというと——あるいはこれも、「商売として」のプロならではの配慮なのかもしれないが——新時代にふさわしいジェンダー感覚があるだろう。
    比留子との関係を邪推された葉村が、「僕が『女性を好きな男』だとは限らない」とはぐらかす。その嘘は見破られるのだが、ちゃんと論理的な反証によってであり、「いやいやww ないでしょフツーww」といった、従来ありがちなものではない。
    また本書では、ある人物が「男か女か」ということがかなりポイントとなるくだりがあるのだが、「そも『男か女か』とは、何をもってそう言うのか?」という議論が挟まれたりする。
    前作でも触れた、一部キャラのジェンダーフリーなしゃべりかたも然り。エンタテインメントのジャンルでさらりとこういうことができている作品が増えてくれば、この国の未来にも曙光が射すのではないかと思う。

    2019/4/14読了

  • 『屍人荘の殺人』に続く比留子大活躍の第二弾。斑目機関を追い、超能力者が集められたという施設に行く比留子と葉村。「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」という予言がある中、九人がその場に訪れた。
    前回ほどインパクトはないものの、ミステリー本格派、深く味わえました。今回は、予言。それに引き込まれました、予言とか不思議な風の印象だけれど、引きつけてゆく、おもしろい。味わえました。二人のユーモアありなかなかうまく作っている、丁寧に描かれているものの、それだけに動機が少々…だけれど、斑目機関の謎を追い、しばらく続いて欲しいです。今後も期待大。


  • 読み終わったあとラストの文のせいで早くも続編がという期待感とこの本の読了感を誰かと共有したいという2つの思いが同時に襲ってきた

    続編が一刻も早く発売されることを切に願う

  • シリーズ第2弾。
    前作の事件で知った班目機関の謎を追い、葉村と剣崎は人里離れた村に向かう。
    「あと二日で四人死ぬ」と告げる予言者、クローズドサークルとなった邸に取り残された九人。果たして予言を覆して生き残り、謎を解くことができるのか…
    前作に続き、きわめてオカルトな状況での犯罪なのにしっかり本格ミステリなところが面白い。動機にイマイチ感があるが、一応は納得できる。
    続編を予告する終わり方なので次作も楽しみ。

  • 『屍人荘の殺人』の続編,今作はクローズドサークル+「あと2日以内に男女2人ずつが死ぬ」という予言の下での連続殺人事件。皮相的な事実さえ見抜けなかった。もう少しゆっくり読むべきだったかと反省。

  • せ、切ねえ………!

    ミステリに女は不要論者の私ですが、比留子さんは別です!例外中の例外です!彼女はどうしてあんなに魅力的なんだろう?葉村くんも勿論魅力的ですし、明智さんも魅力的でした。本当に素晴らしいシリーズが生まれたものです。次回作はいつでしょう…!(少しは「待て」を覚えろ自分)

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著者プロフィール

今村 昌弘(いまむら まさひろ)
1985年、長崎県生まれ。岡山大学医学部保健学科卒業後、放射線技師として勤務。29歳で退職し、執筆活動に専念。2017年『屍人荘の殺人』で鮎川哲也賞、本格ミステリ大賞を受賞。ほか、SRの会年間ベスト第1位、「このミステリーがすごい!2018」第1位、「2018 週刊文春ミステリーベスト10」第1位、「2018 本格ミステリ・ベスト10」第1位、第15回本屋大賞第3位、「キノベス!2018」第2位ときわめて高い評価を受け、2017年度エアミステリ研究会ランキング第1位、名古屋大学生協による南部書籍大賞、福井県のみそ店「米五」の社員が選ぶ「味噌屋大賞」などにも選ばれている。2019年映画化が決定。神木隆之介・浜辺美波・中村倫也が出演。

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