スウェーデンの保育園に待機児童はいない (移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし)
- 東京創元社 (2019年6月20日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488027995
作品紹介・あらすじ
1歳の娘の理想の子育て環境を求めて、9年前、家族3人で東京からスウェーデンへ移住した著者。スウェーデンの保育園に持っていくものは? 育児休暇は何日とれて、その間のお給料は? スウェーデンのママたちに教わった手抜きメニューって? 実際に日本から移住した著者だから書ける、スウェーデンで暮らして良かったところ、悪かったところ。無理なく共働きで子育てできるとされる国での移住・子育て・日常生活を綴った、楽しく気軽に読めるエッセイ。
感想・レビュー・書評
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長田杏奈さんのなんかなんか通信(タイトル違うかもしれない…)にゲスト出演されていて興味を持った久山さんのスウェーデン移住エッセイ。
・スウェーデンでは申込みから4ヶ月以内に保育園入園に入所できる
・求職中でも入所可
・「専業主婦」という言葉はなく、あるのは「失業者」
・慣らし保育中は保護者も一緒に園で過ごす
・仮に夫が経営者でも妻は妻で働くのがほぼ当たり前
エッセイなので久山さんの体験や感じたことが書かれていて、これはこれで読んでいて興味深かったのだけど、なぜここまで共働きが当たり前になっているのか、社会的な背景や理由が知りたかった。本当に簡単にでもいいので…。あとは参考文献なども欲しかった(が、エッセイなのでそこまで望む方が高望みなのかもしれない…)。
共働きが浸透した背景についてはこちらの記事が参考になった。
「専業主婦率2%のスウェーデンは幸福度が世界トップレベル! 働く女性を幸せにする2つの条件とは」
https://woman-type.jp/wt/feature/1615/
・1960年代好景気→人手不足→政府:女性に働きに出てもらいたい
・女性:これまで私たちが担ってきた無償労働は?
→政治に進出
・制度が整えられていった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で何気なく手に取った本でしたが、面白い内容でした。保育園のことに限らず、スウェーデン子育て観や女性像についても書かれていて、範囲は思ったより広く飽きずに読めました。
スウェーデンの保育園では、子供の権利条約について子供たちに話がされ、「すべての子供には同じ価値がある」と教わってくるというエピソードが印象的でした。自分たちが素晴らしい存在だと感じられる子供時代は、何よりも大切だよなと感じました。 -
スウェーデンと比べて、日本は便利だけど
その分労働環境が悪い
スウェーデンは、物価や消費税は高いが
割りかし労働環境は良い
人間関係に関しては、個人の力量だと思うので
それは国によって変わるもんでもないと思う。
話すのが下手だったらどこへ行っても無理
自分にとって何を重視するか、
本書のテーマである保育園についてだが
日本に比べ、だいぶのびのびしているらしい
慣らし保育でも最初の1週間は、保護者が
ずっと付き添っていたりする
日本では考えられないだろう
だが、子供にとってはいきなり知らない環境に
放り出されるのは大変なことだと思う。
大人だって嫌なことを子供に強いるのは
無理があると思う。
慣らし保育のやり方は、スウェーデンの方が好きだと思った。
ママ友とかの概念も無いらしいし
日本って色々面倒くさい -
タイトルから想像するようなスウェーデンの保育システムや社会の秘密という内容も含まれていたけど、それよりも移住&育児体験記という印象が強かった。北欧暮らしに憧れてというより、保育システムの話の方に興味があったので、ちょっと残念。
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その時その時自分に合う場所ってあるんだろうな。暮らしたいな〜と思うところで暮らすのは大事。スウェーデンの保育園といろいろな人の部屋を見学してみたい。
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スウェーデンで暮らして「親になっても、自分のやりたい仕事を週に四十時間やる権利がある」と断言できるようになったという久山さん。
子供は生まれる家を選べないからどんな子供にも平等に教育の機会を与えるのが社会の役割、子供は親だけでなく社会全体で育てるものという思想が根付いているスウェーデン。
他にもスウェーデンで女性の社会進出が進んだプロセス(アファーマティブアクションの考え方から皆を平等に扱うことから生じる”関節差別”も禁じており、女性はいわゆるゲタを履かせてもらうことで社会進出が進んだ)や、有名なフィーカ文化はただのティータイムではなく実はシャイだと言われているスウェーデン人達の交流を促す重要な時間であること等、知らなかったスウェーデンのエッセンスを知ることができて面白い。
「子供がいたら早く帰ったり急に休んだりするのは当たり前のことであって、迷惑をかけていると感じる必要さえなかったはず。ただ、そう感じるような社会に住んでいただけのこと。子供に対しても「親になっても、自分のやりたい仕事を週に四十時間やる権利がある」と断言できる。そう思えるようになったのはやはり、共働きでも二人、三人と子供を育てていて、誰もそれを迷惑だとかかわいそうだとか思わない社会をスウェーデンで体験したからだ。」 -
スウェーデンの地方都市に移住した日本人家族の子育てについて書いてある。
タイトルの待機児童の話よりも、スウェーデン社会の考える平等とは、社会の責任とは、についてのほうがコンテンツも充実していて、個人的には興味深かった。
また本書の最後の方に記載があるが、必ずしも子育てについてスウェーデンがよく日本が悪い、というわけではなく、目指すところと価値観によってやはり一長一短であることもわかった。 -
スウェーデンで育児(二歳~就学前)をした方の、スウェーデンのお話。とはいえ、日本で育児をしている身として発見が多かった。
なぜかというと、たとえば、スウェーデンでは子供に暴力を振るうことは法律で禁止されている、とのこと。これは、日本でも法令化されようとしていることではないですか。それをスウェーデンでは遥か1975年より施行されてるんです。日本ではしつけとの区別云々(親から目線)で語られる法律ですが、スウェーデンでは子供の権利として、つまり子供からの目線としも語られる法律なんです。その法律だけがポツンとあるのではないんだと。
また男性の育児にしてもスウェーデンでは男女ともに育児をします。それも子供の権利「子供は同じ価値がある」ところから「比べない」につながり、「男だから~~」「女だから~~」「お兄ちゃんだから~~」という考え方がない。その延長に男女育児する、に繋がっているように思う。もちろん、男女働く。今のように育児休暇が三年もあるのとは真反対。
現代の日本の「働き方改革」が薄っぺらいものち見えて仕方ない。
もちろんスウェーデン方式でも悪いところはあるだろう。でも今は見習うべき点に目を向けてみたい。
あと、この著者で検索するとミステリーがでてくるように、現在はスウェーデンミステリーの翻訳家として活躍されています。そのせいか、とても読みやすい文章となっています。
育児をしていなくても、スウェーデンが好きな人にもスウェーデンで暮らしているかのように感じられて楽しく読めると思う。 -
「日本・スウェーデン両方の保育園を経験した著者だからこそ書けた、スウェーデン子育て事情解説書」
とことん合理的なスウェーデン社会。政府や保育園の取り組み、パパママたちの育児・仕事両立方法、保育士さんたちの労働環境など、わかりやすく紹介されています。
同時に、北欧ミステリー等を翻訳されている著者の紡ぎだす文章はとても情景描写豊かで、エッセイとしても楽しむことができました。
スウェーデンで実現している仕組みをうまく日本社会に取り入れるにはどうすればいいのか、もっと深く考えてみようと思います。 -
新聞の書評で知り図書館で予約した本。
私自身子供はいないが、周囲を見ると子育てと仕事に奮闘する同僚がそこかしこにいる。
誰もが有休残日数と保育園の呼び出し電話に頭を抱える。
なぜかいつも電話は母親にかかるのだ。
とはいえ、20年前に比べると空気感は変わってきている。
日本で生きる以上、このような事例の国内外比較を鵜呑みにはできないが、差異を少しでも減らすためにはこのような事例や体験記は必要だと思う。
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