流浪の月

  • 東京創元社 (2019年8月29日発売)
4.33
  • (4714)
  • (3290)
  • (1103)
  • (174)
  • (66)
本棚登録 : 33573
感想 : 3487
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784488028022

作品紹介・あらすじ

映画化決定!!
監督:李相日 
主演:広瀬すず 松坂桃李
横浜流星 多部未華子ほか出演
2022年公開予定

2020年本屋大賞受賞作

せっかくの善意をわたしは捨てていく。
そんなものでは、わたしはかけらも救われない。
愛ではない。けれどそばにいたい。
新しい人間関係への旅立ちを描き、
実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

みんなの感想まとめ

テーマは、理解されない孤独と、それでも寄り添い合える関係の大切さです。作品を通じて、世の中には男女の愛の形だけでなく、さまざまな愛のかたちが存在することに気づかされます。登場人物たちが抱える深い傷や、...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 我が暗黒書物リストに紛れた可哀想な孤立無援の天の書、「流浪の月」。迷い込んだ本書に哀れみの目を向けながら見守っていたが、映像化を記念して折角なので読んでみることに。
    皆様のレビューで得た知識以外は何も持っていない状態だった。唯一自覚しているのは暗黒書物大好きマンが手にするには恐れ多く、ひれ伏し懺悔する体勢を整えるべき重責が生じている  と、いう事。プレッシャーだもん。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーー

    自由を望んだ少女と、少女しか愛せない男の誘拐劇。後に訪れるのは湾曲され塗り替えられた真実に侵食された、偽りの未来を生きる二人の姿だ。そしてこの「正義の事実」はいつの間にか諦めを連れ、当事者自らに演じさせる事となる。著者の言葉を借りるなら、「同じ絵の具で違う絵を書かれている」状態。なんと悲しくもどかしい事だろう。
    しかし鋭い着眼点だと思う。この誰もが感じた事があるであろう「名の無い違和感」を題材とし、物語として形にするなんて感服だ。

    私は、様々な愛のカタチに興味を持ち、結果、その中でも人を簡単に狂わせる「狂気」にばかり気を取られていた。これが求めていた「謎」なんだと納得さえしていた。しかしまさか今頃になってこんな愛のカタチを突き付けられるなんて想像もしていなかった。元から少ない語彙力を喪失するくらい中々強めの衝撃を受けている。

    とは言えこの感情が終始私を取り巻いていた訳では無い。そもそも、男性側が綺麗なファンタジー要素を持っている作品は否定はしないが相性は悪いと自覚している。少女漫画のような内容、光は闇に手を差し伸べるが、闇は光の手を拒絶する物なのだと、厨二病ステージ3を発症していたくらいだ。
    つまり、全くと言って良いほど誰にも感情移入が出来なかった。この鎮静状態は谷さんの登場から決着するまで続く。因みにここまでの進行状況は、もう終章が背後まで迫っているラスト直前である。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーー

    そしてその終章なのだが、語彙力喪失を言い訳に月並みな表現をすると感動したの一言だ。
    どこか覚めた自分がいたのも事実なのだが、ゆっくりゆっくり深く物語に没頭していく自身の事を認識しながら確実に取り込まれていった。残り少ないページ数でゆっくりというのも矛盾しているが、すれ違いを氷解していく暖かな時間は時の流れを緩めるらしい。そしてどんなに穿ってみても、二人の抱えた苦しみと求める安らぎを否定する理由が見つからなかった。

    「流浪の月」とは、なんと秀逸なタイトルだろうか。二人には流れる月をどこまでも追い続け、安らぎに満ちた日々を送って欲しい。
    ーーーーーーーーーーーーー

    そして気付いた。私は心が綺麗な人が怖い。ファンタジーだと断言して逃避するくらい恐れている。この気付きは個人的にとても衝撃を受けているし、どう処理すればいいのか戸惑っている。しかし、説明はつかないが不思議と不快感は無いんだなよなぁ。

    読まず嫌いだったのだ。だってすごく有意義な時間だったもの。しかし、これを機に〜の流れは察しているもののそう上手くいかないのもまた事実で、また私は暗黒書物に手を出すのだろう。これからも皆様の暖かい目を求み願う。

    • NORAxxさん
      みんみんさん、こちらでもこんばんはです^ ^笑

      二度見に笑ってしまいました。求めていた100点満点のリアクション...流石ですありがと...
      みんみんさん、こちらでもこんばんはです^ ^笑

      二度見に笑ってしまいました。求めていた100点満点のリアクション...流石ですありがとうございます(笑)BL作家さんだということをみんみんさんのレビューで知りました。無知の世界ですが、こんな深みのある物語を作る方がいる世界...興味がムンムン湧いてきちゃいました(´˘`*)
      コメント嬉しかったです!!ありがとうございます♡
      2022/04/05
    • ピーチフィッシュさん
      はじめまして

      いいね
      ありがとうございました。
      はじめまして

      いいね
      ありがとうございました。
      2022/04/28
    • NORAxxさん
      ピーチフィッシュさん初めまして、こんばんは。
      また遊びに行きますね。こちらこそコメントありがとうございました☆
      ピーチフィッシュさん初めまして、こんばんは。
      また遊びに行きますね。こちらこそコメントありがとうございました☆
      2022/04/28
  • 誰にも分からないこと、それは、以外と多い。分かってほしいと願う気持ちより、分かってもらえないという気持ちが勝る。それでも、ずっとそばにいて、寄り添いあえる人がいれば。それだけでも、しあわせで、安らげる。

  • どこかに理性が残ってた。邪魔だった。

    この、わたしの中にある理性のような、正義感のようなものはなんなのだ。
    気づけば、「善意をふりまく側」になって読んでいた。
    仕事でずっと、子どもと関わっている。中には、壮絶な環境で育った子もいる。だからたぶん、そっち側の立場で読んでしまったのだろう。その仕事をするために、国家資格だって取った。だからもう、感覚として染み込んでしまっているものがある。
    資格取得のための授業で叩き込まれるものは、人間に対する尊厳だ。そしてその尊厳を日常生活で具現化したものが、配慮なんじゃないかと思う。この作品でいうところの、善意だ。その感覚がずっとついてまわるものだから、もはや善意が、「偏見」となってつきまとい、わたしの心を支配する。

    「壮絶な環境」、それによって勝手に「壮絶な環境で育った子ども」のストーリーが作られ、その子に関わる大人が配慮をする。当然のことだ。そしてそれは経験として積み重なっていく。そのストーリーは、ある子どもとある子どもには通用したかもしれない。けれど、他の子には通用しないかもしれない。にも関わらず、偏見として身についてしまった善意が威力を発し、さらに経験を強固にする。さらなる善意が身につく。善意の雪だるま。そんなものただのはりぼてなのに。

    こうした方がいい、読み進めながら何度も思った。然るべき手続きをふんだ方がいい、警察に相談した方がいい、するすると、わたしの心は声を発し、物語の進行にブレーキをかける。それなのに、ページをめくる手が止まらない。この矛盾はなんなのだ。わたしの心は、グラグラと揺さぶられる。自分の中にあった偏見。それを改めて見つめる。下記にあるインタビュー記事で、同様に戒めをしてる人も多いんだなって、わかった。

    「4章 彼のはなしⅠ」で、そんな理性と偏見なんて一気にぶっ飛んで、苦しくて泣いた。

    全部で313ページ。これほどのページを費やしても、その中で強く強く、誰かのことを想っても、その思慕には名前がない。この二人の関係性にも名前がない。その名前のない世界の中で、生きるということ。つきまとう情報と好奇の目。不安と恐怖。けれど、二人でいたら、二人にさえ、わかりあえる確かなものがあれば、そこにあるのは安心と平穏、なのかもしれない。「いつ」とか「どこで」が問題じゃない、出会いって。

    インタビュー記事を読んだ。
    「家族の絆」の美しさと正しさに、追い詰められていく人もいる、と題されたインタビュー。
    https://mi-mollet.com/articles/-/23471
    凪良さんがBL出身の作家さんだというのは別のインタビューで知っていて、文の描写はまさにBLという作品から飛び出してきたかのように感じられるほど、美しく儚げだった。
    インタビューの中で、「家族」や「絆」に違和感を持っていると語る凪良さん。血縁、というだけでがんじがらめにされる社会。すべて血縁で片付けられると、そこにはまらない人たちは苦しくなる。そんな苦しさを抱えている人にとっては、紛れもなく救いの作品になる。

    読み終わってから、パタンと、本を閉じる。改めて見る表紙の写真。この本を開く前とは、全く印象が違って見えた。

    ※このレビューはnoteにも記載させていただきました。
    https://note.com/tattychannel/n/ndb8920083b84

    • まことさん
      naonaonao16gさん♪おはようございます。

      コメントありがとうございます(*^^*)
      こちらこそ、いいねをたくさんありがとう...
      naonaonao16gさん♪おはようございます。

      コメントありがとうございます(*^^*)
      こちらこそ、いいねをたくさんありがとうございます。
      今、ステイホームで名画をたくさん観ていらっつしゃるのですよね!
      『流浪の月』はよかったですよね~!
      アイスクリームはみるだけで、なんかじーんとしましたね。
      naonaonao16gさんは、いつも、作品の深いところまで、よく考えて、御自分ならではのレビューをされていて、感心しています。
      私は、あまり考えないでただ、「感動しました」みたいなかんじになってしまいます。
      『流浪の月』は今のところ、今年読んだ私のベスト1かなという気がしています。
      2020/05/29
    • まことさん
      naonaonao16gさん♪おはようございます。

      返信ありがとうございます。
      naonaonao16gさんのレビューはいつも御自分...
      naonaonao16gさん♪おはようございます。

      返信ありがとうございます。
      naonaonao16gさんのレビューはいつも御自分のお仕事や環境に照らし合わせて、真摯なご意見書かれているところがいつもすごいなあと思っています。
      自己中だなんて思いません。
      表現力があられるのだと思います。
      私には絶対書けないレビューです。
      私はあんまり自分というものを持っていないのかなと思っています。
      こんな私ですが、これからもどうぞよろしくお願いします(*^^*)
      2020/05/30
    • まことさん
      naonaonao16gさん♪こんにちは。

      心に染みる言葉、どうもありがとうございます♡
      嬉しかったです。
      naonaonao16gさん♪こんにちは。

      心に染みる言葉、どうもありがとうございます♡
      嬉しかったです。
      2020/05/31
  • R4.7.27 読了。

     本の帯には「愛ではない。けれどもそばにいたい。」と書かれていて、多分読まないジャンルの本だと思っていた。
     2020年本屋大賞受賞。そして映画化決定。という言葉とブックレビューに後押しされて読んでみた。
     冒頭から凪良先生の世界観に引き込まれてしまった。少女誘拐事件の加害者と被害者という関係と世間から認識されてしまった二人。でも当事者たちはそれぞれに人には言えない事情を抱えていた。また、世間の認識とは違った二人にしか分からない真実と事実。少しずつ明かされていく文君と更紗ちゃんの相手を想う気持ちとあの時の真実。恋愛や性愛の対象ではない人と一緒に居たい気持ちは、自分にはよく分からない感覚だけど、居心地の良さや尊敬の気持ちを相手に持てる存在となら、自分も一緒に居たいと思うことはごく自然なことだと考える。そしてお互いが必要とする相手に巡り合えたことはそれだけで幸せなことだと思う。それが孤独から解放しどんな困難も二人で乗り越えていける勇気になるのだから。読まず嫌いを公開する程の素晴らしい作品でした。
     また今更ながらマスコミが報道することが決して正しい事ではないことも痛感させられた。
     凪良ゆう先生の別の本も読んでみたいですね。

    ・「人それぞれ、みんなちがってるなんて当たり前のことなのにな。」
    ・「でも多分、事実なんてない。出来事にはそれぞれの解釈があるだけだ。」

    • 土瓶さん
      読魔虫さん、こんばんは~^^
       
      良かったですよね。
      終わり方にホッとしました。
      読魔虫さん、こんばんは~^^
       
      良かったですよね。
      終わり方にホッとしました。
      2022/07/27
    • mashiyさん
      滅びの前のシャングリラも良かったですよー✌︎('ω')✌︎
      滅びの前のシャングリラも良かったですよー✌︎('ω')✌︎
      2022/07/27
  • この本を最初に呼んだのはちょうど去年でした。最初に読んだ時は強い衝撃を受けました。そして、再読してみると、あれ?印象が変わっている!最初は理解出来ていなかったのだけれど、世間から変な目で見られて可哀想なお話という印象だったけど今回は更紗たちが一生負えない深い傷を負って、更に更紗と文の言葉に表せない関係でもどかしいという印象でした。
    やっぱり、世の中には女性と男性が愛し合うというひとつの「かたち」だけでなく沢山の「かたち」があることに気が付きました。

  • 通常とは異なるもの同士、男女の出会いもの。
    文(ふみ)の苦しみを、この作品を読んで初めて理解できた読者も多いのではないか(自分もそのひとり)。
    マスコミやSNSなど、偏見を持ちやすい今、様々な角度からものごとを判断し、自分なりの考えをしっかりともっていかなければならない。そんなことを、ここまで読みやすい作品の中で感じさせたことがすごいと思った。

    • mocasaさん
      なるほど!こういう見方もできるのですね…。
      なるほど!こういう見方もできるのですね…。
      2023/06/18
    • チャオさん
      コメントありがとうございます。
      文に対して100%理解できない方がいるのも当然だと思います。理解した上で個々のジャッジが重要に思いました。同...
      コメントありがとうございます。
      文に対して100%理解できない方がいるのも当然だと思います。理解した上で個々のジャッジが重要に思いました。同様に、この作品に対して肯定も否定も有りだと思います。
      2023/06/19
  • Audibleにて。いつもは読まないジャンルだけど、Audibleでのレビュー評価が高かったので。

    物語に惹きつけられてあっという間に読んでしまった。
    個人的に更紗が好きではなくて、読後はモヤモヤしたものが残った。

    モヤモヤしたのは、更紗が伝えなければいけないことをいつも言えないこと。

    自分が言えないことによって文を傷付けていることがわかっているのに、ずっとそのままにしている。
    当時すぐに言えなくても、その後いつでも訂正することはできたと思う。
    自分だけが傷付くなら仕方ないけど、文の人生を傷付けて、本当に悪いことをした従兄弟は何のお咎めもなかった。

    私だったら地獄から救ってくれた文を何とかして、どんなことをしても助けたいと思う。

    誤解を招いている原因は更紗にもあるのに、「世間や周りの人がわかってくれない」と周りのせいにしていることにもモヤモヤ…。

    「最初から本当のことを言ってるのに誰も信じてくれない」というストーリーならもっと更紗に感情移入できたと思う。

  • 恋愛の形、自分らしさ、生き方は自分の意思で決めるものであり、他人に許しを得たり赦されたりするものではないはずです。
    真実は当事者にしかわかりません。
    日常においても、他人への心配や慰めの言葉は自己満足でしかなく、優しさというオブラートの中に凶器が潜んでいて、無意識のうちに相手を傷つけているのではないかと感じました。

  • 感想が二極化し、感想を書くのが難しかった。良い面としては、1組の男女を通して見える日本の社会の残酷さを忌憚なく描写し、男女の微妙な心理的情動が、繊細な部分も含めて感じ取れた。今後SNS等を通した暴言は名誉棄損罪、侮辱罪等罰則が強化されると思う。次に合わなかった面としては、女性主人公の更紗が、本当のことを言わないことで、こんなにも周りに迷惑をかけていることを気付きながら、さらに周りに迷惑をかけている。ここはどうしても納得がいかない。悲劇のヒロインを演じ続けたことでリアリティが欠如し、感情移入できなかった。②

    • しずくさん
      こんちちは、ポプラ並木さん!
      アールグレイさんのところから伺いました。
      異なった感想を持った方のレビューを読むのも、違う観点が見えてきて...
      こんちちは、ポプラ並木さん!
      アールグレイさんのところから伺いました。
      異なった感想を持った方のレビューを読むのも、違う観点が見えてきて面白いです。
      2023/02/24
    • ポプラ並木さん
      しずくさん
      コメントありがとうございます(^^♪
      雫さんの感想を探しますね。
      この作品は今でも違和感を持っています。
      どうにかして伝...
      しずくさん
      コメントありがとうございます(^^♪
      雫さんの感想を探しますね。
      この作品は今でも違和感を持っています。
      どうにかして伝えようよ~って思います。
      これは人それぞれの価値観や人生観なども関連するんだろうね。

      2023/02/24
  • フォロワーさんが、皆さん絶賛されているので、図書館で予約待ちをして、期待して読みました。
    大変読みやすい、流麗な文章と、ストーリーでした。

    最後に読み終わって、余韻に浸りながら、表紙をあらためて眺めると、主人公二人の幸福を象徴するような、アンティークの食卓の上にストロベリーアイスクリームの盛られている写真があって、全部、意味がわかり、じーんとしました。

    まず、最初に読みながら、ずいぶん昔読んだ、姫野カオルコさんの『ツ、イ、ラ、ク、』を思い出し、次に吉田修一さんの『さよなら渓谷』なども思い出しましたが、どちらとも全く違う新しい話で、心の深いところの結びつきの話でした。
    文と更紗、梨花の三人の結びつきは本当によかったです。


    以下途中までのストーリー(これから読まれる方は気をつけてください)

    家内更紗は8歳の時に父の湊が亡くなり、母の灯里は湊を亡くした寂しさを埋めるために恋人とどこかへ行ってしまい、伯母の家に引き取られます。
    そこには更紗の、大好きだった父母の思い出のものは何ひとつなく、大嫌いな従兄の孝弘にわいせつ行為を強要されますが、誰にも言うことができません。

    そんな時、公園でみかけるロリコンと噂される佐伯文という19歳の大学生の家についていき、更紗は父母との思い出をそこで再現し、再び更紗は自由を手に入れ、帰りたくなくなります。文は更紗に嫌なことは何ひとつせず、好きなことをさせてくれて、眠るときは、別室で眠ります。

    そんな楽しい夢のような2カ月が過ぎて、二人が動物園に出かけた日、更紗は人々から指さされ、文は少女誘拐犯として逮捕されてしまいます。
    「ふみいいい、ふみいい」と泣きながら更紗は警察官に抱き抱えられ、文と引き離されてしまいます。

    更紗は警察で本当のことを言いそびれ、文は懲役を受けます。
    大人になった更紗は二人目の恋人と暮らしていますが、恋人のことを特に好きではないことに気が付いています。恋人には結婚をせまられています。

    そんな時、更紗は『calico』という深夜営業のカフェで、文、その人をみつけますが。文は更紗に全く気が付いていないようで…。

    • naonaonao16gさん
      まことさん、こんにちは!
      いつもいいねありがとうございます。
      ついにわたしも読みましたー。表紙の感想、わたしも同感です。そしてこのアイスの数...
      まことさん、こんにちは!
      いつもいいねありがとうございます。
      ついにわたしも読みましたー。表紙の感想、わたしも同感です。そしてこのアイスの数は、梨花とも読み取れるな、とも思いました。「心の深いところの結びつき」、とても素敵な表現です。
      2020/05/28
    • naonaonao16gさん
      まことさん、こんにちは!

      コメントありがとうございます。
      この時期を利用して、映画もたくさん観てますー(笑)
      わたしは自分が一番刺...
      まことさん、こんにちは!

      コメントありがとうございます。
      この時期を利用して、映画もたくさん観てますー(笑)
      わたしは自分が一番刺さったところを掘り下げるというか、自分と重ねまくっているという、かなり自己中なレビューだと思うのですが、そのように感心してくださるとは…ありがとうございます。

      わたしは内容を相手に伝える、というのがものすごく苦手なので、まことさんのレビューすごいなあと思います。とても内容がわかりやすいですよー!

      この作品は確かにベスト1候補に入りますね!
      2020/05/29
    • naonaonao16gさん
      まことさん、こんにちは!

      お返事ありがとうございます。
      たくさんの嬉しいお言葉を、ありがとうございます。とても嬉しいです。
      一点、...
      まことさん、こんにちは!

      お返事ありがとうございます。
      たくさんの嬉しいお言葉を、ありがとうございます。とても嬉しいです。
      一点、とても強調してお伝えしたいなと思ったことがありまして、お返事致しました。
      あんまり自分というものをもっていないとおっしゃっていらっしゃいますが、そんなことはないです!フォロワーさんとまことさんとのやりとりを他の作品で目にすることもありますが(読んでてすみません…)、そのやりとりに心が和みますし、本の知識や幅の広さに、いつも感心しています!
      なので、そんなこと言わないでください!この作品を読んで、他の作家さんと結び付けたりとかできるのも、たくさんの作品に触れているからこそです!その世界観こそが、まことさんらしさだと思いますよ(´▽`)
      なんか偉そうになってしまい恐縮ですが…どうしてもお伝えしたかったので…!

      こちらこそ、これからもどうぞよろしくお願い致します!!
      2020/05/30
  • 久しぶりに、こういう小説を読んだ気がする。主人公たちは、この後、どうなるのかなぁと思ったりした、本だった。

  • 溺れた。

    凪良さんの言葉選び、表現力に感服。

    何度も美しい言葉の波に溺れ、二人の、狂おしいほど伝わるもどかしい思いに終始溺れた。

    握った手のひらから確かに伝わる想い。

    決して愛だの恋だの一般的な枠にはめられたくない、言葉で理解してもらえない想いのせつなさに心は何度も収縮を繰り返した。

    お互いがすっぽりハマる場所。自由に心をのばせる場所。

    そんな大切な場所を世の中の色眼鏡の暴力に奪われるその苦しみさえもが波に姿を変えて心に襲いかかった。

    読了後、真っ先に浮かんだのは満月。
    どっしり堂々と輝く、二人の心で満たされた満月を願いたくなる。

    一気にこの世界にのみこまれた圧巻の作品。

    • まことさん
      くるたんさん♪

      そしてまた、くるたんさんのレビューが素晴らしいと思いました。
      この世界観を満月で表現するなんて凄い!!
      くるたんさ...
      くるたんさん♪

      そしてまた、くるたんさんのレビューが素晴らしいと思いました。
      この世界観を満月で表現するなんて凄い!!
      くるたんさんならではの表現だと思いました。
      ほおっとため息がでそうな素晴らしいレビューですね(*^^*)
      2020/03/16
    • くるたんさん
      まことさん♪
      ありがとうございます♪恥ずかしいです(/−\)

      ほんと、二人が一緒にいられたら、毎日心が満たされていたら…って思いますよね♪
      まことさん♪
      ありがとうございます♪恥ずかしいです(/−\)

      ほんと、二人が一緒にいられたら、毎日心が満たされていたら…って思いますよね♪
      2020/03/16
  • すごく面白かったです。リアリティーある人物の描き方に衝撃が止まりませんでした。ページをめくる手が止まりませんでした。
    少女誘拐の罪に問われた文(ふみ)と誘拐された更紗(さらさ)は互いにひかれあいます。恋人とも、家族とも、友だちともつかない不思議な関係。
    また不倫であったりDVであったり、育児放棄であったりと、「努力しても何ともならない部分が壊れている」人々が登場し、人間の性(さが)がこれでもかと描かれます。みんなどこか、何かが足りない。
    そういう私にも自分ではどうしようもない部分があります。心の弱さだってあります。けして完璧なんかじゃない。だから、更紗をはじめ、登場人物を嫌悪するだけでなく、共感もしてしまうのです。それくらい人間の掘り下げ方が上手くてわかりやすいし、それら人間が巻き起こすダイナミズムが心を捉えて離さないのだと思いました。
    時に落ち込んだり、悩んだりと自分だけじゃないんだな、誰もが何かしらを背負って今日も生きているんだよなと、私も一人じゃないんだと思えました。それくらいたくさんの心理描写がでてくるので付箋だらけになってしまいました。
    もちろんこの本、ブクログをやってなかったら間違いなく手にとっていないと断言できます。フォロワーの皆さんのレビューから手にとることができました。当たり前のことですが、本書にあるように人は誰かを支え支えられて生きているということを実感してしまうのです。
    きっとこの読書体験は忘れられないものになると思います。

  • フォローさせていただいている方のレビューで知った作品。
    はじめましての作家さんでしたがすごく良かったです。

    カテゴライズできない、したくない二人の関係。
    でもふたりにとってはお互いが替わりのきかない存在。
    それが痛いほど伝わってきた。
    読み進めるほどにページをめくる手が止まらず、ふたりが最終的にどうなるか知りたくてたまらなかった。

    文章は読みやすく、比喩もストンと解った。

    凪良ゆうさんはデビュー10年以上の中堅の作家さん。
    BL作品を精力的に書かれてきたそうだ。

  • 映画を観た後、暗澹たる気持ちに支配されてしまった。でもずっと塩のつぶが引っかかるように?気になっていたので読んでみた。

    読んでよかった。あまりにDVシーンの映像が鮮烈だったから、その奥にあるものや更紗の本当の気持ちに目を向けることが出来なかった。
    デジタルタトゥー。それがテーマの一つなのだろう。
    でも、それを乗り越える二人がいる。
    「今のところがほんとに駄目になったら、今度はどこにいきたい?」
    と更紗が言う。
    悲愴さや欠片もなく、やわらかで美しい音楽のように更紗が問いかけてくる。

    ふたりのつながり。手垢にまみれたタトゥーとは無縁のいや超越した更紗と文のつながりがここにある。絆という言葉もしっくりしない。安らぎ、居場所。ふたりの聖域。
    「もっと切実に好きなの」

    事実と真実は違う。
    本人達にしかわからない真実の愛がここにある。

  • 文も更紗も背負ってるものが重すぎる。なんでこんなツライ人生なんだろう。
    それでも本人たちが幸せな場所が見つかればいいな。
    それなら無人島でもいいか、と思う気持ちも分かるなぁ。
    重くてツライ内容だったけど一気読みだった。

    • Naotyさん
      ゆきみだいふくさん
      こちらこそいつもありがとうございます!
      私もフォローさせていただきました(⁠ノ⁠◕⁠ヮ⁠◕⁠)⁠ノ⁠*⁠.⁠✧
      よろしく...
      ゆきみだいふくさん
      こちらこそいつもありがとうございます!
      私もフォローさせていただきました(⁠ノ⁠◕⁠ヮ⁠◕⁠)⁠ノ⁠*⁠.⁠✧
      よろしくお願いいたします!
      2025/04/17
  • 出来事にはそれぞれの解釈がある。

    その出来事に対して自分の価値観や考えという"フィルター"を通して理解したと思い込み、決めつけることがここまで人を傷つけることになるのかと知った。

    特に子供は周りの大人のことを本当によく観察していて人間性の形成に大きな影響を与えることも。

    度を超えた"正しさ"は"歪み"になるという表現、勉強になります。

    今まで味わったことない言語化できない感情がふつふつと湧き上がりながら読んでた。

    いつか朝からハムエッグにケチャップかけて食べて、オールドバカラでスカリーワグをストレートで飲みながらトゥルー・ロマンス観て途中でピザ頼む1日送ろう。

  • 憶測や思い込みで余計
    なことを言ってしまう
    ・・・

    そういうことあります。

    その人の思いはその人
    しかわからない。

    もっと言えば出来事に
    それぞれの解釈がある
    だけで、

    事実なんてあってない
    ようなもの。

    更紗と文には、もっと
    幸せになってほしいと
    思いますが、

    それこそ最たるもので、

    二人はもう十分幸せで
    これ以上の変化なんて
    望んでいないのかも。

    安易なやさしさは人を
    傷つけてしまうこと。

    心に留めておきたいと
    思います。

  • 名前のつけられない感情、名前のつけられない関係の物語でした

    名前を付けるのが小説家の仕事やろが!
    いやいや「名前がつけられない」って名前がついてますよ

    なんだこの禅問答のようなレビューはw

    でもね、名前のつけられない不思議さを感じさせる物語でした
    そして主人公更紗にはまあまあイラっとさせられました
    そういうとこだ!そういうとこだぞ更紗よ!
    でもね〜なんか先回りしていろいろ考えて自分を縛り付けたり、どうせ無駄だと身動きできなかったりってのはあるのよ、あるな〜

    最後はかなりいい感じの結末で良かったです

    • みんみんさん
      初凪良は流浪でしたか〜
      評価高いからまずは様子見やね(*´꒳`*)
      初凪良は流浪でしたか〜
      評価高いからまずは様子見やね(*´꒳`*)
      2022/09/19
    • ひまわりめろんさん
      『恋大蛇』か市内の図書館に置いてなくて買おうかな〜どうしよっかな〜と思ってたら
      実家近くの図書館に置いてあるのがわかって、実家に用事もあった...
      『恋大蛇』か市内の図書館に置いてなくて買おうかな〜どうしよっかな〜と思ってたら
      実家近くの図書館に置いてあるのがわかって、実家に用事もあったんで読みに行ったら、たまたまこれもあったんよ

      地元の図書館で予約してたのはかなり先になってたと思うんでラッキーでした

      そこの市民じゃないんで借りることはできないから、そこで全部読んできた
      読むの早いとこういうことができるので便利っすw

      次は『わたしの美しい庭』を読む予定
      2022/09/19
    • みんみんさん
      やっぱ読むのはやっ(O_O)
      今アイヌの読んでるけど詳しくないから時間かかるわ〜。゚(゚´Д`゚)゚。
      やっぱ読むのはやっ(O_O)
      今アイヌの読んでるけど詳しくないから時間かかるわ〜。゚(゚´Д`゚)゚。
      2022/09/19
  •  読んでいて、これだけ気が重くなる小説も久しぶりなのではないかと思うくらい、とにかく我が事のような心境にさせられた辛さが、絶えず付き纏うような不安感や絶望感に苛まれたのは、まさかそんなことなんて思いたくなるものほど、実は起こり得る雰囲気が渦巻く現代社会の闇を怖いほどに写し出しているからだと、私には思われた。

     しかし、そこには闇と共に、決まった縛りなど少しも存在しないといった、限りの無い自由が渦巻いていることも確かであり、それは、凪良ゆうさんの前作「わたしの美しい庭」もそうであったことから、そこに対しては、割と違和感なく溶け込むことができた。

     正直、物語の展開に於いては、あの男に何回も一人で会いに行くかなとか、自分で自分を追い込んでしまうような行動をしてしまったり等、気になる部分もあったのだが、それも含めて、人間の行動は時に想像を上回ることをするくらい自由なんだと言われれば、それまでだし、凪良さんに関しては、そこに確かな説得力があることが、何よりも物語を血肉の通ったものにしている点に、縋りたくなる情があるのだと思う。

     自由という言葉には良い面も悪い面もあるし、そのどちらでも無い面もあるのだと思うと、それが収拾のつかないものになることも予想されると思われながら、それとは対照的に、いつまでも抜け出せないような閉塞感も世の中にはあり、それらが無差別に繰り出されることによって、時に思いもかけない悲劇を呼んだり、奇跡的だと思われることも起こる、そんな世界だということを、まずは実感することで落ち着きを取り戻す私がいた。

     そして、そんな世界で起こり得る内容は、凪良さんの言葉で更に揺さぶりをかけられ、『白い目というものは、被害者にも向けられる』、『事実なんてない。出来事にはそれぞれの解釈があるだけだ』、『人それぞれ、みんなちがってるなんて当たり前のことなのにな』と、物事というのは絶えず変わり続けるものであるはずなのに、どこかでそれを恐れる気持ちもあるのか、時に人間は普通という言葉をお守りのように身に着けたがり、それによって、悪意の有無関係なく傷つく人間がいるということを、本書は痛いほどに教えてくれる。

     更にそれの極みと思われたものとして印象深かったのが、『本物の愛』についてであり、ここでの本物という言葉自体の胡散臭さに加えて、そもそも愛というものに本物か、そうでないかなんて分かるポイントでもあるのだろうかと思った時、本書に於ける「更紗」と「文」の関係性にも肯けるものがあり、物語の展開上、そうならざるを得なかった部分もあるが、あくまでも本人達の問題であることに、いくら他人が横やりを入れたところで何が真実なのか分かるのかと思いそうなところを、そう思わないところが、実は最大の問題なのかもしれない、それこそ善意の恐ろしさなんだろうなというところを炙り出している点が、凪良さんならではの視点の凄さなんだと思う。

     ただ、そんな自由な世界の中だからこそ、物語の終わり方には大きな希望も感じられて、そこに込められていたのが、特に家族という枠組みに対する自由なんだと思われた、それは「家内更紗」という名前にも込められているようで、家庭内に於いて『やわらかく、どんな形にもなれる』更紗の布のような自由さは、まさに彼女そのものを表していながらも、それ故に独りだと思っていた者の心にも寄り添う形となることができた、そんな自由さはタイトルのように、どんなに流離い続けようが決して消えることはなく、空でひっそりと、それぞれのことだけを思いながら、いつまでも輝き続けるのである。

全2959件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

京都市在住。2007年に初著書が刊行され本格的にデビュー。BLジャンルでの代表作に『美しい彼』シリーズなど多数。2017年に『神さまのビオトープ』を刊行し高い支持を得る。
2020年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞。『滅びの前のシャングリラ』で2年連続「本屋大賞」ノミネート。
「直木賞」候補、「吉川英治文学新人賞」候補などに選ばれた『汝、星のごとく』にて、2023年に自身二度目となる「本屋大賞」を受賞する。続編『星を編む』も大きな話題となった。

凪良ゆうの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×