兇人邸の殺人

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 5543
感想 : 521
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028459

作品紹介・あらすじ

『魔眼の匣の殺人』から数ヶ月後――。神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子が突然の依頼で連れて行かれた先は、“生ける廃墟”として人気を博す地方テーマパークだった。園内にそびえる異様な建物「兇人邸」に、比留子たちが追う班目機関の研究成果が隠されているという。深夜、依頼主たちとともに兇人邸に潜入した二人を、“異形の存在”による無慈悲な殺戮が待ち受けていた。待望のシリーズ第3弾、ついに刊行!

感想・レビュー・書評

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  • 剣崎比留子が大学のミステリ愛好会の葉村譲をワトソン役に謎を解くシリーズ第3弾。

    比留子はまたしても班目機関の事件で事件を引き寄せる体質からH県馬越市外れのテーマパーク馬越ドリームシティに他から集められた数人のメンバーと共に行くことになります。

    そこにある『兇人邸』という屋敷にいけない事情を抱えている人が呼び出されいなくなるということが続いていました。
    そして比留子たちが集められた同行者と共に『兇人邸』に入るととんでもない物が出てきて襲われ、仲間の数名が首を切られて亡くなります。

    比留子は別館に閉じ込められ他の生き残った者たちも外に助けを呼ぶことができず、今回もクローズドサークルの中に葉村たちは閉じ込められます。

    今回はミステリーというよりホラーかと思う要素が強いと思いました。
    「俺たちの敵は”ジェイソン”だ”モリアーティ”じゃない。探偵の出番はないぜ」という登場人物のセリフがまさにはまっていました。

    後半になってからの比留子の作戦はホラーではなく頭を使ったものでした。
    最後の犠牲は、狂気ともいえるものでしたが、残った者たちを救うことができました。

    しかし怪物の生立ちはとても哀しいものでもありました。

    続編がありそうな終わり方でしたが、こういうホラー系なら続けて読むかどうかはちょっと考えてしまいますが。

    • まことさん
      まおちゃん、お久しぶり!毎日暑いけど元気そうでよかったです。
      スマホが一昨日、壊れてしまって(まだ買ったばっかりなのに)お返事が遅くなって...
      まおちゃん、お久しぶり!毎日暑いけど元気そうでよかったです。
      スマホが一昨日、壊れてしまって(まだ買ったばっかりなのに)お返事が遅くなってごめんなさい。(PCで見ています)
      コロナ、日本中もう大変なことになってますね。
      私もオリンピックは反対で、開会式と閉会式しか見なかったよ。
      五輪をやってるんだから、いいだろうと思って気が緩んで、お盆に帰省したりする人も増えたんだろうね。
      私はワクチンは先週、1回目を打ちました。
      すごい怖かったけど、腕の痛みと倦怠感以外に副反応はでなかったよ。
      若い人の方が副反応、出やすくて、2回目の方が副反応出るって聞くよね。まおちゃんは若いから心配も大きいだろうね~。
      こないだ、まおちゃんのレビューを発見して、元気そうでよかったと思っていたけど、コメントどうもありがとう。
      こちらからは、できないので、またお気軽にコメントしてくれたら嬉しいです。では、またね!
      2021/08/26
  • シリーズ第3弾
    このあり得ない設定が楽しい。そしてこの状況だからこそ成り立つクローズド・サークル。なるほど、こういうクローズド・サークルもあるのね~
    今回、比留子さんは安楽椅子探偵に。安楽椅子探偵の場合、探偵のため情報を集め、精査し報告する人が優秀みたいな言葉になんか納得!
    あくまでも私的にはなんですが、あんまり難しく考えずに勢いよく読んで、スゲー!えらいこっちゃー!あらー!そうだったのねー!が楽しいかな

  • とんでも設定下でのクローズドサークル3回目
    綾辻先生の館シリーズで鍛えたのに、間取り図が頭に入らない…
    読んでて何が起こっているのか理解できず
    目だけが動いてもぉええわ状態
    まだまだ私のミステリーレベル不足を感じる

    毎回、複雑で難解なトリックと
    もやもやする結末に納得できないが
    なぜか読んでしまう不思議

  • 何とも考えられた終り方 笑。次作はいつ出るの??早く読みたい読みたい!!読み切る為に寝られない日々を過ごしたのに、読み終わっても寝られないじゃないか…

    今村昌弘さんのストーリー展開は1作品目、2作品目と読んでいるので分かっていて、巨人が出てきてもただのホラーで終わらない事は百も承知。

    誰が"生き残り"か、誰が犯人か、トリックはどんなものかと考えて冷静に読み進めているつもりでも巨人の恐怖は大きいし、兇人邸の複雑な間取りへの理解が進まない事に加えて名前のミスリードにやられた。名前が名字のみの時と名前の別の読み方の可能性は結構警戒してたつもりだった…笑。

    巨人が誰かというのと何の為に鉈で首を切っているのが分かった時は切ない気持ちになりました。

    剣崎と葉村みたいな関係性はこのシリーズでしかないような気がしています。気持ちのままに少し走りすぎてしまう葉村、どこまでも冷静で生きる事を優先な剣崎。推理力を駆使してズバズバ解決に持っていく感じではない所が作品の面白さだと思います。

    4作品目も期待!!

  • 分かってます!

    初めの頃に出てくるそこそこ難しくて注意深く読んでいれば必ず読み解ける謎は98%の確率でミスリードです

    またもやクローズドサークルです
    このままクローズドサークルで読者への挑戦状を書き続けるんでしょうか?
    面白い受けてたとうじゃないか

    しかも今回は比留子さんを特殊な環境に閉じ込めることでいわゆる安楽椅子探偵に仕上げています
    そして作者なりの安楽椅子探偵に対する思いを明かしていますが狙いはもうひとつあったと思います
    それはワトソンと読者の競争です

    超人的な推理力をもつホームズとの競争には勝てないよ〜と早々に匙を投げてしまう読者もワトソンとの競争ならどうでしょうか
    負けるものか!と鼻息荒くのめり込むのではないでしょうか?
    そして途中、途中でホームズが答え合わせをしてくれる構成になってます

    また今作は本当にミスリードが多かったと感じましたよ
    これから読む人は惑わされないよう頑張って!w

    それにしても今村昌弘さんの作品を3冊読んでみて思ったのは
    日本人作家が日本人のミステリー好きに向けて書いた作品だな〜ってことです
    え、どういうこと?って?
    それはまた次の機会で〜

  • 屍人荘、魔眼の匣、ときて次は兇人邸の殺人・・・
    もはやタイトルだけでもワクワクドキドキするこのシリーズ。
    見取り図や登場人物をしっかり把握できる方ならより楽しめる作品だと思います。(私は・・・苦手な人種です・・・)
    それでも中盤からは怒涛の展開で、隣の人にも心臓の音が聞こえるくらいの感覚でバクバクしていたと思います。
    また今回は葉村の男気のようなものを感じ、一段とたくましくなった気がしました。
    そして廃墟を売りにしたドリームシティ・・・斬新すぎてちょっと行ってみたくなりました。
    これまでのシリーズもそうでしたが、今回は特にドキドキしたりハラハラしたり最後は切なくなったり、ジェットコースターのように感情の起伏が激しかったです。
    続編があるような終わり方だったので、次回作も大大大期待しております!!!

    • もりひろさん
      ほん3さん

      こんばんは!!
      本当に心臓がやばかったですよね!!!笑
      今作はシリーズの中でも特に心臓に悪かったです・・・(いい意味で...
      ほん3さん

      こんばんは!!
      本当に心臓がやばかったですよね!!!笑
      今作はシリーズの中でも特に心臓に悪かったです・・・(いい意味で)
      2022/11/07
  •  一番怪しい(妖しい)のは、剣崎比留子だと思う。シリーズ第3弾で、相変わらずホラーテイストがある。今回はシリーズお馴染みの「見取り図」が分かりにくい。兇人邸の構造が複雑すぎるのだ。

     謎の組織「班目機関」とは?、というのが今シリーズの背景にあるのだが、そこに剣崎比留子がどう関わっているのか。何か秘密がありそうな気がする。その秘密が明らかに明らかになったとき、ワトソン役である葉村譲はどうするのか?

     それから本作の最後に登場する人物、思い出せないぞ。

  • 屍人荘の殺人シリーズ第3弾。
    おなじみ剣崎比留子、葉村譲のホームズ・ワトソンコンビのシリーズです。
    テーマパークの中にある廃墟「兇人邸」へ、斑目機関の重要機密を回収しに行く依頼を受ける。
    今回も特殊なクローズドサークル、安楽椅子探偵といった、本格推理になっています。
    「人はその選択が最善かどうかなんて分からない。できるのは選択した道の中で力を尽くすことだけ。」
    とても切ないお話でした。

  • 一気読みでした。
    このシリーズの定番のクローズドサークルでの惨劇。クローズドサークルにも種類があり、新しい展開でした。

    複雑な兇人邸の造りに、何度も見取り図を見返しました。

    斑目機関の非人道さが際立ち、真相は今までの惨劇を覆す切なく報われないもので、思わず涙が出てきました。

    少しずつホームズとワトソンとして距離が縮まってきている剣崎と葉村。
    非常に気になる終わり方だったので、次回も楽しみです。

  • クソ面白い、圧倒的に★5

    廃墟テーマパークの怪物が存在する館で発生する、ホラー&本格ミステリー。比留子&譲コンビの特殊設定ミステリー3作目。こんなミステリー良く作ったなという感動がマジでスゴイ。

    序盤はいつもの大学で行われるお気軽なミステリークイズから始まり、中盤はホラー&ミステリー、終盤にかけて本格丸出しでぐいぐい話に引き込まれていきます。

    特殊設定にも関わらず決して大味にならずに、組み立てられた構成、細部にわたるまで緻密で複雑な謎解きがあり、本格ミステリーファンは唸らずにはいられません。過去の逸話もストーリーに没頭させる味付けになっており、最後は切なさと怒りと納得感が押し寄せます。

    今回は比留子が安楽椅子探偵の立ち位置なので、譲の小気味よい絡みが少ないですが、ふたりの絆の深さがより読者に伝わる内容になっています。譲くんがうらやましい。

    1作目、2作目もすごかったが、本作も素晴らしい。昨今、特殊設定ミステリーはたくさんありますが、こんなにも磨き抜かれた本格要素を組み込まれた作品は他にありません。本格好きは、"首を切断されて"死んでも、読んどけって一冊。

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著者プロフィール

1985年長崎県生まれ。岡山大学卒。2017年『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は『このミステリーがすごい!』、〈週刊文春〉ミステリーベスト10、『本格ミステリ・ベスト10』で第1位を獲得し、第18回本格ミステリ大賞[小説部門]を受賞、第15回本屋大賞第3位に選出。映画化、コミカライズもされた。シリーズ第2弾『魔眼の匣の殺人』も各ミステリランキングベスト3に連続ランクイン。2021年、テレビドラマ『ネメシス』に脚本協力として参加。いま最も注目される期待の俊英。

「2021年 『兇人邸の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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