戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊) (創元ライブラリ)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488070786

作品紹介・あらすじ

第二次大戦終結までに、ナチス・ドイツは一億冊を超える書物を発禁・焚書処分にした。対するアメリカは、戦場の兵隊に本を送り続けた――その数、およそ一億四千万冊。図書館員は寄付された書籍を兵士に送る運動を展開し、軍と出版業界は兵士用の新しいペーパーバック“兵隊文庫”を発行し、あらゆるジャンルの本を戦地に送り届けた。史上最大の図書作戦を描き、本のもつ底力を伝え、絶賛を博した傑作ノンフィクションが遂に文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 祝文庫化!

    【書評】早稲田大学教授・有馬哲夫が読む『戦地の図書館 海を越えた一億四千万冊』 - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/life/news/160619/lif1606190025-n1.html

    『戦地の図書館――海を越えた一億四千万冊』(東京創元社) - 著者:モリー・グプティル・マニング 翻訳:松尾恭子 - 鴻巣 友季子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    https://allreviews.jp/review/1013

    戦地の図書館 モリー・グプティル・マニング(著/文) - 東京創元社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784488070786

  • 第二次大戦中のアメリカの図書作戦についての
    ノンフィクションでした。

    第二次大戦で ドイツが本を燃やしたという事って習った記憶がないので  そのような事があったとはと とてもびっくりしました。
    なんて 愚かな事をしてしまったのだろう~~
    とはいえ 当時のヒトラー政権では ヒトラーに逆らうことなど出来なかったから仕方ないのでしょうけど。
    対するアメリカは 兵隊の為に 本を用意した。

    手紙もきちんと届かない 戦場で する事もない 
    しかし、緊張は張りつめたまま。。。
    そんな状況で 日常の事や 笑いを誘う 小説はどんなに多くの兵隊の心を慰めたことでしょう。
    負傷して身体の痛みや 心の痛みに 悩まされていた時に 出逢った本のお陰で 心が救われたとか。
    本を読む習慣がなかった人達も 戦場で 本を読む喜びを覚えて 終戦後 政府が 大学への門を開いた時に 多くの兵隊は本で読んだ 弁護士や 医師などを 目指していった。

    本当に本は すごい力があるのですね。

    兵隊たちは 持って行くべき荷物を厳選しなくてはならない状況の中 本は必ず持っていった。
    だから 軽くてポケットに入る ペーパーバッグが生まれたそうです。
    どうした こんなに軽い本なんだろうと思っていましたが そういう理由だったのですね。

    この本を読んで 改めて本の素晴らしさを 再認識しました。

  • 最初は、事実の羅列が多かったので、このままいくのかな〜面白いのかな〜と半信半疑だったが、後半はなかなか面白かった。
    それにしても、こんな取り組みがあったとは…
    やはり「知」は武器になるんだね…

  •  第二次世界大戦で、アメリカ軍はヨーロッパ戦線やアフリカ戦線、太平洋の多数の島嶼で従軍することになった。そのとき問題になったのが、空いた時間、一人になりたい兵士の時間の過ごし方であった。兵士の士気が上がらなければ、良い成果は期待できない。そうして求められたのが、安価な娯楽物、書籍であった。

     最初に始められたのは、図書館員を中心とする戦勝図書運動、目標は一千万冊の寄付である。目標は達成された。しかし、この運動で集まった本は、当時の本の主流、大きくて重いハードカバーであった。小さく、軽く、面白い、三拍子揃った本が求められた。
     そして運動は、出版社主体のペーパーバック、兵隊文庫に移行した。

     ドイツ・ナチスによる焚書と対比させながら、こうした動き、読者である兵隊の気持ち、微笑ましい作者とのやり取りなどを紹介していく。

     約一億四千万冊の本が戦場に送り続けられたということだが、日本とのあまりの違いを、こういったところからも思い知らされた。
     
     巻末の兵隊文庫リストは資料的価値があって、貴重である。

  • 興味深いがちとくどい。

  • 読売新聞20201220掲載 評者:石井千湖(書評家、ライター)
    読売新聞2023528掲載 評者:梅田明日佳(作家)

  • ▼かなり以前に読んで、その時に感想を書きそびれたもの。

    ▼もうだいぶ忘れてしまいましたが、とにかく第一次世界大戦だったか第二次だったか、前線の兵士の慰めに、いわゆる文庫サイズの小説本が大変に人気だった、ということ。まあ確かに、恐ろしいまでに「待機」の時間が長いでしょうからね・・・。

  • ナチスは1億本の焚書をし、アメリカは1億4千万の本を戦地に送った。国の前に人がいる。民主主義、人権の国だと改めて認識される。戦時中、アメリカでの、戦勝図書運動、戦時図書審議会、出版業界、陸海軍、海兵隊、上下議会などが侃々諤々協議し兵隊文庫を戦地に送り届け続けたことが詳細に書かれてます。また、兵隊文庫を戦地にて読んだ兵士が戦後大学に入り多くの国民が大学で勉学に励んだことが書かれてます。
     本は重火器よりも勝る最高の武器であることを著者は述べている。

  • 019.0253||Ma

  • 本は武器である。1億冊の本を焚書したナチス・ドイツ。かたや1億4千万冊の本を兵士に送ったアメリカ。娯楽の少ない兵士たちの支えとなった兵士用ペーパーバックに焦点をあてた感動のノンフィクション。

    第二次世界大戦中の秘話を発掘した作品。戦中から戦後の復員まで、スケールの大きな図書作戦。

    訳者によると、実は日本にも兵士文庫があったそうでそちらも気になる。

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