ローマ帽子の謎 新訳版 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2011年8月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (454ページ) / ISBN・EAN: 9784488104368

感想・レビュー・書評

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  • 『アガサ・クリスティー読み直しキャンペーン』改め『海外古典ミステリー読み直しキャンペーン』の第五弾です!(たぶん)クリスティーに限らず広く読み直して行こうということでキャンペーンの内容を変更することにしました!どうでもいいですかそうですか
    これは全くの自慢ですが大々的なキャンペーンを張れるくらい海外古典ミステリーは読み尽くしておりますのでご心配無用です心配してないですかそうですか
    そして全く自慢できませんがそのほとんどの内容を忘れてますのでご心配無用です心配してないですかそうですか

    さて前置きはこのくらいにして、アガサに続いて手に取ったのはもちろんエラリー・クイーンですよ!そりゃあそうでしょうよ!『Xの悲劇』と迷いましたが、まあデビュー作ということと名探偵エラリー・クイーンが登場するこちらを先に読みました
    スマートなという表現がぴったりなエラリー・クイーンですが、それは容姿や立ち振る舞いだけでなく、その論理的な思考方法にもよく表れていて、無駄のない推理が読者を唸らせます
    しかし多くの読者が一番本作に惹きつけられるのは「ローマ関係ないやん!」というところじゃないでしょうか(絶対違う)

    そしてエラリー・クイーンと言えばなんと言っても〈読者への挑戦状〉ですよね(本作では章題がちょっと変わっているんですが、そんなところでオリジナリティ出すな!と言いたい)
    ただ実は私、「推理しない読者」なんですよね、これは積極的にはという意味でということで、なんとなくこの人かなぁ?って思ったりはしますよ
    でも自分から犯人はこいつだ!って特定しようとして考えを巡らせたりはしないんです
    だって推理は読者じゃなくて探偵の仕事でしょ?
    よって自分にとって〈読者への挑戦状〉は、単に舞台が暗転した程度のことでしかありません
    もちろんこの暗転は演出効果としてたいへんすんばらしいのですが

    「推理小説」と「探偵小説」は本来同義なんですが、自分はこれを読者の側の気構えによって使い分けることを提唱します
    自ら推理をしたい、犯人を見つけてやるぞ!トリックを暴いてやるぞ!という気構えの人は「推理小説」、超人的な推理力をもち常に読者の先を行く名探偵たちの活躍を楽しみたい!驚かせてほしい!って読者は「探偵小説」

    どうですか?(どうもこうも)
    このすんばらしいミステリーをなんと呼ぶかでその人の立ち位置が明確になるって寸法です

    もちろん自分にとってこの『ローマ帽子の謎』は「探偵小説」の名作中の名作なのです

    • ひまわりめろんさん
      だろうなw
      だろうなw
      2023/01/23
    • 土瓶さん
      懐かしい~( 一一)
      次はモーリス・ルブランだ!
      ル、ル、ル、ルパン♪
      懐かしい~( 一一)
      次はモーリス・ルブランだ!
      ル、ル、ル、ルパン♪
      2023/01/23
    • ひまわりめろんさん
      げげ!
      エスパーか!
      エスパー魔美か!
      げげ!
      エスパーか!
      エスパー魔美か!
      2023/01/23
  • 国名シリーズ第1作。
    平成のエラリーの館シリーズがとにかく面白かったので、読んだことなかった本家に手を伸ばしてみる。

    まず、そのいかにもなお膳立てにワクワクする。
    いまや警察官を引退し、イタリアの片田舎で余生を送るリチャード・クイーンとその息子で推理作家のエラリー・クイーンの元を訪れる友人。
    目的は、実際に二人が解決することになった「ローマ帽子の謎」事件の原稿を、本国アメリカへ持ち帰って出版するため。
    そうしてなんとか出版にこぎつけた『ローマ帽子の謎』の序文という形式で始まる本書。

    ページを進めると事件の舞台となるローマ劇場の見取り図と共に、二つ目の登場人物表まで記されている(東京創元社さんの用意した通常の登場人物表とは別!)。
    その人物紹介の仕方がおもしろい。
    「ベンジャミン・モーガン」なんて「どう説明すればいいだろう?」だ。

    読めば、「最有力容疑者、だけど、、、」というような立場であることがわかるのだが、「どう説明すればいいだろう?」ってそんな紹介文見たことない。
    そういう序盤でかまされる茶目っ気は好印象。

    事件はローマ劇場で奇作<ピストル騒動>の上演中に弁護士のモンティ・フィールドが殺される。
    死体を検分していくうちに、その装い的にはシルクハットを持っているはずなのだが、見当たらない。
    持ち去ったとすれば犯人であろうが、何故持ち去ったのか。
    劇場は事件発覚後すぐに出入り禁止にされ、帰宅時には全員身体検査をしたため、衣装にそぐわないそんなものを持っていたり、恰好的には相応しくても2つのシルクハットを持っていたりしたら不自然になるため、すぐにわかる。
    この帽子の消失をキーに調査を進める二人のクイーンの事件解決譚。

    結末は、クラシカルミステリにありがちな急に取って付けた感があったようにも感じたけど、解決編で言うとおり、途中からその人をターゲットに調査していたというようなことも、言われてみれば確かに符合するのでフェアではある。

    どうでもいいけど何か気になってしまったのが、国名に続くアイテムで構成されたキャッチーなタイトルの意味。
    今作だとローマ帽子(ROMAN HAT)。
    シルクハットってイタリア由来の帽子なの?
    ローマ劇場での事件のキーを握った帽子だからローマ帽子なのかな?
    あれ、そもそもローマって国名じゃなくない!?帝国まで遡る!?

    次は『フランス白粉の謎』。

  • 2025/6/20読了(再読)
    巨匠E・クイーンのデビュー作。始めに、「人類の頭脳が考えうるかぎりにおいて、ほぼ完璧に近い犯罪」とブチ上げてくる辺り、自信の程が覗える。とは言え、探偵の設定とかを数年先輩のヴァン・ダイン(既に〈ファイロ・ヴァンス〉シリーズは『グリーン家殺人事件』まで発表)に倣った所や、タイトルからしても、シリーズ化を最初から構想し、なんなら最初3作くらいはプロットを用意した上でのデビューだったのではないか、と勝手に勘繰っている(根拠? ありません。自分だったらそうする、というくらいで)。
    既に100年近く前の作品であり、観劇の際にはシルクハットに夜会服という盛装をしているとか、犯行動機とか、現代の感覚ではピンと来ない所もある。また、作中での証拠物件の雑な扱い方は、ミステリファンならずとも、現代なら裁判で不採用になるぞと突っ込みたくなる。――実際、当時の犯罪捜査はそんなものだったのか、綿密なリサーチをしていたとは思えない作者の想像の産物なのか。後者だとして、リアリティの欠如を誹っても仕方ない。そもそも捜査責任者の身内とはいえ、いち民間人が犯罪捜査に協力するという設定がリアリティ欠如の極みなんだから。そんなこんなの突っ込みポイントを、「ま、昔のことだし」と、脳内の“未決・保留BOX”に放り込んで読んでも、「犯罪現場の劇場から消えた帽子の謎」は十分に楽しい。生活スタイルが変わろうとも論理は不変である、と改めて知る。

    追記1)
    ひょっとしたら、本棚表示をみて、おや?と思った方もいるかもしれない。カバーデザインのシルクハットが、隣の『ブラック・ショーマン』と被っている、と。――ただの偶然です。
    追記2)
    以前にも別のレビューで書いたことだが、自分が本格ミステリに嵌まった切っ掛けが、この〈国名シリーズ〉。中学生の頃、お小遣いを貯めてはあちこちの書店で、〈創元推理文庫〉の旧訳版(井上勇訳、真鍋博カバーデザインのVerです。判る人~!)を買い集め(なにせ、当時はネット通販どころかインターネット自体が黎明期である)、『ニッポン樫鳥の謎』まで揃えて一気読み。これが、今も大型商業施設とかに行けば、まずは書店の場所を確認し、なんやかや本を買い込んでは書棚に収める場所に悩むという今の生活に繋がっている……と思うと、人生を決定づけた作品といってしまうのは言い過ぎか? そんな“聖典”が新訳で出たと知るや、速攻で購入したのも早や10年以上前のことである。'17年に『アメリカ銃』が刊行されてから止まっているけど、取り敢えず新訳版『シャム双子』、早く出ないかな?

  • 「Lipstick」の日本語訳は、「棒紅」から「口紅」へ。

     自分が持っているのが1960年度版なので、翻訳がどれくらい違っているかを確認するために購入。冒頭はその一例。
      この程度の変化は予想していたけれど、ジューナの説明が「新人類」になっていたのにはちょっと紅茶をふきかけた(笑) ええええええー?

    海外ミステリーの中でも、この一冊は、個人的に非常に思い入れが深かったりする。内容やトリックがというのではない、邪道な観点からで申し訳ないのだけれど、作中、重要参考人に目された貴族の令嬢のハンドバッグの中身をリストにした際の一文、

    「……という名前を、きれいに銅版刷にした数枚の名刺、二枚残ったレースのハンカチ、白粉をいっぱいにつめたヴァニティー・ケース……」

     これが子どもの私には、ものすごくひっかかっていたのだ。
    「二枚【残った】レースのハンカチ」って、どういうこと? ハンカチって「残す」ようなものなの? それも「数枚持っている」って、どういうことなの?

     この疑問が氷解するのは十数年たってから、つまり大人になって、友達の影響で西洋骨董に興味を持つようになってからのことだったのだけど―――
    (当時、上流階級の女性は名刺代わりに、瀟洒な刺繍をみっちりとしたレースのハンカチを数枚持つのが普通であった。
    →こんなの http://www.angelcollection.jp/favohome/favo21.htm

    これらのハンカチは洗うことが出来なかったため、基本、使い捨てとなる、と。アンティークレースのバイヤーさんに教えていただきました。つまり作中の令嬢の所属階級と裕福さが、この描写から説明されているわけです)

     その時代背景をひもとくことによって、はじめて見えてくるものがある。
     そんな、タイムスリップ的な読書の楽しさを教えてくれたのが、この一冊だった、ということで。

  • 国名シリーズ2周目ですが、やはり最初は「ローマ帽子の謎」ですね〜。流石エラリー・クイーンです。
    推理小説=エラリー・クイーンの作品だと、自分で勝手に定義してます!笑

     これほどまでに全ての可能性について考慮し尽くす探偵は他にいないと思います。そもそも世間によく知られている探偵は如何に推理を省略しているんだろうと、クイーンの本を読んでいると、そう思います。
     モンティ・フィールドの自宅を2度目に大捜索するところで、とにかく細かいところまで描写されていて一番好きなところです。エラリーたちが見た景色?と同じものを読者も見れて、そうやって見れることで、如何にエラリーたちの着眼点が優れているか実感できます。
     また、エラリーと警視の親子愛が、難しい演繹法による推理から構成される話の中で、読者に息継ぎをさせてくれます✨
     

  • ヒントはあらゆる所にあるのに絶対に自分では解けないのがエラリークイーンの作品な気がする。
    最後の解決の仕方がリアルっちゃリアルでそうやって物証あげるの!?ってビックリした。意外とシンプルでミステリーだとあまり見ない気がした。
    帽子のなかに書類を隠してたっていうトリックは本当にできるのか、どのくらいの量を隠せるのかっていうところがとても気になった笑そもそも、正装する時は必ずシルクハットとかの帽子をかぶるというところには時代を感じた。当時の人には自然なことだったのかな…?犯人の動機も現代で考えるとそこまでする?っていうものだけど、当時はとても重要な問題だったんだろうな、と当時の社会も考えさせられた。
    エラリークイーンの描く人物は他の推理小説よりも皆人間味が強くて好き。

  • エラリー・クイーンの記念すべきデビュー作にして国名シリーズ第一弾『ローマ帽子の謎』を読了。

    クイーンの作品を読んだのは、実はまだ二つ目。三年ほど前に読んだ『オランダ靴の謎』以来になる。

    まず感じたのは、登場人物の多さ。『オランダ靴の謎』でもそうだったのだが、今回も三十人を超えている。序盤は憶えるのが大変なので、登場人物一覧のページに栞を挟み、誰が誰だったかを確認しながら読んだ。これだけの登場人物がいてしっかり描き分けられるのは凄いことだと感心する。

    さて、謎解き面。これはタイトルにある通り、シルクハットを手掛かりにしていく。勿論それだけではないが、シルクハットは事件解決への重要なキーになる。クイーンお得意の論理的な推理で謎が解けたときは、なるほど納得させられた。

    そして忘れてはいけないのが“読者への挑戦"。簡単に言うと、それまでに提示された情報で犯人を論理的に当てることが出来るというもの。オレは“読者への挑戦"のページまで進んだら一度読むのをストップし考えるタイプ。勿論、今回も色々と考えてみた。……しかし、そう簡単には納得のいく推理ができないもので、結局考えがまとまらないまま進んだ。結果的には動機くらいしか当たっていなかった。犯人が予想外だったのは痛いところ。まだまだ甘いということだろう。

    まだまだ一作目ということで後の作品に比べたら完成度は低いのかもしれないが、十分に楽しめた。国名シリーズに限らず悲劇四部作も読むつもりなので、今から楽しみである(特に『Yの悲劇』が楽しみ)。

  • よかった〜…クイーン父子大好きすぎる…
    特にクイーン警視がとってもチャーミングでエラリーのことが大好きでかわいい…

    エラリー・クイーンは『Xの悲劇』以来二作目だけど、かなり読むのが大変だったので、なんとなく足が遠のいていた…
    だけど今回いよいよ国名シリーズを読むぞ!と思い立って、いざ読んでみたらクイーン父子の魅力にすっかりハマってしまった。
    警視は抜け目のない精力的な捜査する一方で、深まる事件の謎に対して感情的になる場面も多くあって、親しみやすい。息子と小間使いのジューナをとても可愛がっていて、最後にエラリーが旅行に行っちゃったときの落ち込み方は本当にかわいかった。
    一方のエラリーはつかみどころのないインテリ青年…という感じだけど、警視のことを尊敬しているし大切にしているんだなとところどころで感じられる。
    警視は事件の謎にぶつかり続けて四苦八苦しているし、エラリーはのらりくらりとしていて事件に真剣に向き合ってるのかな?という印象だったけど、解決編を読んでいかに二人がお互いの考えを理解して捜査を進めてきたかがわかって、真犯人にもびっくりしたけどそこにもびっくりした!
    なるほどこの2人はこうやって事件を解決してきたのか…とわかって、その前提がわかった状態で読む今後のシリーズが楽しみになった。

    真犯人については、名前が出た瞬間に「あ!そうだよなあ……それしかないよ…」と思ったけど、やっぱり意外だったし驚いた。
    解説で、クリスティーはプロット派、クイーンは論理派とりあったけれど、まさにその通りで、「事件現場から帽子がなくなった」という事実に対して丁寧に考えられる方法を潰していった。その過程というか、解決編に至るまでがかなり長く感じたけど、振り返ってみるとクイーン父子が論理的に徹底的に考えうる線を潰していく過程であって、読んでいる最中はそれが場当たり的な捜査に見えたんだけど、実はそうではなかったという裏切りもうれしかった。
    今後国名シリーズを読んでいくことができることが幸せだ…

  • エラリー・クイーン初登場の国名シリーズ一作目。
    上演中の劇場で毒殺事件が発生。警察到着までに劇場内から逃げた人物はおらず、被害者が被ってきたはずのシルクハットはどこにもない。シルクハットはなぜなくなったのか?どうやって持ち去られたのか?丁寧な推理を重ねて真相が示された時、ここまでの丁寧すぎるほどの謎の描かれ方に感動してしまった。面白い!

    クイーン父子は初登場からずっとチャーミングな親子関係。エラリー初登場だけど、むしろ警視の魅力がたっぷりだった。そしてジューナの可愛らしさ!およそ100年前のニューヨークで、19歳の青年がこんなに可愛らしく描写されてるのってどういうこと??と轟くほど。100年前とすると、人種的な扱いもあるのかな…
    犯人の動機その他に、やはり時代を感じつつ、新訳の読みやすさで楽しく読めてとても良かった。

  • エラリー・クイーンのデビュー作であり、国名シリーズの一作。
    警視の息子という立場で推理に加わるエラリーと
    その父リチャードの捜査で事件が進む。

    劇場で上演中に突如発生した殺人事件。
    彼が身に着けていたシルクハットが無くなっていることに気づいた小説家エラリーは、
    これを事件の大きな要素だと重要視する。
    劇場の詳細な見取り図、たくさんの証人、細かな聞き取り、現場調査。
    しっかりとした王道推理小説で、
    論理的に読者へのヒント、手がかりを提示している。
    国名シリーズは、謎解きの前に「読者への挑戦」というコーナーがあり、
    きちんと読んでいれば犯人が分かるはず、
    というエラリーからの問いかけがある意欲的な作り。
    ある種の緊張感が漂うシステムなのです。

    二十年ぶりくらいに再読したので、すべてが朧気。
    しかし、今読んでみると、アメリカ禁酒法時代のすさんだ雰囲気がとても印象的。
    アルコールの味が多少おかしくとも、ヤミ酒に慣れた人間なら
    そのまま飲んでしまうという今作の殺害方法になんら違和感がない状況。
    そして動機の悲しいこと。

  • 今年から読み始めたエラリー・クイーン作品の3冊目。古い作品を読むのにも慣れてきたかも。
    王道に少しづつ謎が解けていくのが楽しかった。
    最後の方でちょっと置いてけぼりにされた感もあるけど…
    次は、国名シリーズの傑作ってよく聞く『ギリシア』と『エジプト』を読もうかなぁ〜

  • 初の国名シリーズ。
    まず、最初に長い登場人物目録を見て不安になったが、読んでみると名前を覚えられないということはなく、文章も読みやすく、現代的すぎず、適度に古さが感じられる訳も良い。
    有栖川さんのクイーン愛が感じられる解説も面白かった。

    そして肝心の内容はというと、大勢の観客がいる劇場の中で、犯人を見事に一人に絞る論理は圧巻。
    "帽子がどこに消えたのか"という謎の答えに、見事に盲点を突かれたのが悔しい。
    だが、「役者の中でシルクハットをして帰ったのがバリーだけ」なんて情報あったか?と思い読み返してみると、

    「もう全員、外に出ていますーー天井桟敷の客も、従業員も、出演者も...役者ってのは不思議な生き物ですね。ひと晩じゅう、神を演じていても、突然、街ゆく人と変わらない、ありふれた普段着の姿になりさがり、(略)
    それはともかく、ヴェリーがオフィスから出てきた五人の身体検査をしましたよ。いや、すばらしい取り巻きを持ってますね、あのご婦人は」

    と、エラリーが言っている。少々アンフェアに見えないこともないが、これは手がかりを何の変哲もない台詞に紛れ込ませる手腕を賞賛するべきだろう。

    ただ、惜しむらくは、"帽子はどこに消えたか"という謎以外でも、もう一つぐらい華麗なロジックが欲しかったかな、というところ。
    とはいえ、期待には十分に応えてくれた。
    今後の国名シリーズへの期待が高まる。

  • ストーリーに時代の古さを感じても十分に面白かった。
    正統派とはこういうものではなかろうかと思う。
    犯人がわかった瞬間はわかったのだが、誰かは論理的に推理できなかった。 当時4人しかわからなかったというから、私などにわかるわけもなく。

    #読了
    #エラリー・クイーン

  • エラリー・クイーンのデビュー作品。
    劇場で起こった殺人事件。消えたシルクハットの謎。エラリーによるロジカルな推理と意外な犯人、シンプルながらも謎は複雑で最後まで楽しめました。






    ただエラリーよりリチャード警視が主役なんじゃないかと思わせる内容。最後のシーンに至っては本人居ないし…

  • エラリー・クイーンの「国名シリーズ」の第1弾!

    ブロードウェイのローマ劇場で、舞台上演中に弁護士の遺体が発見されます。

    死の直前の被害者の発言から、殺人であったことがわかり、すぐに警察が現場を封鎖。

    リチャード・クイーン老警視も息子の作家エラリー・クイーンを伴って現れます。

    頭の回転の速いクイーン親子が最前線で捜査を進めていきますが、これまでになく捜査は難航。

    果たして大勢の客がいる中で、大胆にも殺人を犯したのは一体誰なのでしょうか。


    初めての国名シリーズでしたが、推理を楽しむ余裕はありませんでしたww

    情報量がとにかく多くて整理しきれず、情報整理パートが時折挟まれるのに助けられます。

    それでも捜査の過程を読み進めていくことしかできず、いつの間にか犯人逮捕という感じでした。

    種明かしされると、なるほどねと思えるのですが、ちょっと自力ではそこまで推理できなかった。。。

    シリーズの雰囲気に慣れてくれば、推理も楽しめるようになるかもしれませんね。

    個人的には、クイーン親子の自宅での様子や数少ない食事シーンが楽しかったです◎

    エラリーが古書好きの作家というのもポイント高し。

    こうした生活描写やキャラ設定は、作品世界をリアルに感じられる大好きな部分です。

    ◇おすすめポイント
     ・国名シリーズの最初の作品
     ・頭の回転の速いエラリー親子の捜査と推理
     ・時折登場する生活描写

    ◇こんな方におすすめ!
     ・1920年代のアメリカが好き
     ・国名シリーズを読んだことがない
     ・エラリー・クイーンを読んでみたい

  • 本格ミステリの巨匠クイーン、颯爽と登場
    “読者への挑戦状”を掲げたデビュー長編

    ローマ劇場、上演中の毒殺事件
    遺体のそばから消えた帽子(シルクハット)の謎

    エラリー・クイーンのデビュー作にして、
    リチャード警視と推理小説作家エラリーのクイーン父子が難事件に挑む、
    「国名」シリーズの第1弾。

    その魅力は解説の有栖川有栖氏が述べている通り、論理にこだわりぬいた作風だ。
    「クイーンが選んだ探偵法は、ヴァン・ダインの対極と言える。つまり、論理的思考を尽くして、唯一無二の解答に至るというものだった。
    そこには、不確かで移ろいやすい人間の心理=感情が入り込む余地がない。
    そんなものは捨象して、人間にはプログラムされたコンピュータのごとく論理的=合理的に動く側面があることを認め、そこから推理を巡らせるのである。」

    完全には同意できないものの、その論理の詰め方には、やはり唸らされる。
    と同時にそこまで検証もしなければならないのねと、実作者に対する同情心のようなものまで芽生えてくる。

    この作品は「なぜ犯行現場から被害者の帽子がなくなっていたのか?」というシンプルな問いが柱となっているが、
    その謎がもやもやした霧のように不気味にずっとつきまとう。
    冗長感があるものの、これぞクイーンと思わせられる傑作です。

  • なんというか、渋いです。帽子がどこにあるのか? あるいはどうやって持ち出されたのか? という謎一点です。犯人が誰だろうかというところに目が向かないというか、帽子の謎が解ければ自動的に犯人が分かるという仕組みです。

    帽子の謎は惜しいところまでわかりましたが、そうするとどうやって犯行現場から逃げることができたのかがわからず、真相を外してしまいました。というか、扉を閉めていたから、出られないはずじゃなかったのかな。なんかよくわからん。

    クイーン警視は渋い感じで、なかなかいいキャラをしています。エラリーより好きかも。

  • 舞台の上演中に客席で殺害された悪徳弁護士。消えたシルクハット。

    あくまでも物的手がかりからから導かれたロジックで唯一無二の真相に迫って いくクイーンのスタイルは、デビュー作からその萌芽を感じさせる。
    初読時より遥かに好印象。

  • 演繹法
    真実から謎を解き明かす!

    これだけで興奮する

  • 決して驚天動地のトリックがあるわけではない。しかし、犯人にたどり着くまでの論理はしっかりしており、エラリー・クイーンのシリーズが今も大勢に読まれていることを納得させられた。まだまだ続編が残ってるので楽しみである。

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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