ギリシャ棺の謎 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (562ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488104399

作品紹介・あらすじ

ギリシャ人美術商の豪邸で起きた小箱の消失に端を発する難事件は、若き日の名探偵エラリーを極限まで追いこむ強固な謎をはらんでいた。〈国名シリーズ〉最大級の傑作登場!

感想・レビュー・書評

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  • 初エラリー・クイーン。
    登場人物多すぎてなかなかサクサク読み進まず。
    すごい推理であっという間に解決?!でもまだまだページ数残ってる!そんなわけないよねと思ったら案の定。
    主人公をこういう設定にして恥をかかすのはなかなか面白い。
    予想外から更に予想外の展開で途中から一気読みでした。

  • 献本でいただいた一冊。
    エラリー・クイーン、十何年ぶりでしょうか。。

    舞台はアメリカ、時代は1930年代、になるのかな。

    主人公は著者と同名の、エラリー・クイーン。
    その若き日の物語、、大分イケメンのようです。

    事件の発端は美術商・ハルキスの死。
    これ自体は自然死で、特に問題はないと思われたのですが、、

    死の直前に彼の“遺言状”が書き換えられたこと、
    そして、その遺言状が紛失されたところから物語が始まります。

    なんといっても、登場人物の多さにビックリです。
    巻頭に上がっているだけでも、約30名。

    その人物相関図を思い浮かべるだけで、なかなかに混乱でした。
    で、そんなこんがらがった状態を解きほぐすのが、、

    大学を卒業して間もない、若き日のエラリー・クイーン。
    警視を父に持ち、頭のよさでやや天狗状態でもあります。

    意気揚々と推理した“遺言状”の在処からは、
    見知らぬ男の死体が出てきたり(第二の事件)、、

    ハルキス氏が死の直前にあっていたというシーンの推理を、
    いとも簡単にひっくり返されたりと、、

    いい感じに鼻をへし折られる様子が、若いなぁ、と。

    最後には、その失敗を糧にして見事!になるわけですが、
    そこに至る過程もなかなかに興味深く。

    また、タイプライターを使ったトリックなど、
    当時を偲ばせるネタも多く、ふむふむと。

    1930年代のアメリカ文化、意外と違和感なく読めました。

    いわゆる“国名シリーズ”に分類されるようですが、
    他のも読んでみますかね~、なんて。

  • 相変わらずの美しいロジック、と思いきや、なんとその強固に見えたロジックがいとも簡単に崩れていく...そんな体験が2度もできる作品。
    そこに物語としての面白さも加わっている。

    二転三転する展開、現れる新たなロジック、そしてそれを否定するさらなるロジック。
    凄まじいボリュームではあるが、長さを気にせずにノンストップで読み切れる。
    後期クイーン問題の片鱗も見えており、クイーンが更なるステージへと進んだことが実感できる作品。

    ↓↓↓↓以下、使われているロジックの記録↓↓↓
    まず、犯人の一つ目の偽装。
    使われたカップの個数とポットの水の量の矛盾や身元を隠して訪れた男は目が見えていたこと、ハルキスが最初につけていたネクタイは緑だったはずだということなどから「ハルキスは殺されたとき目が見えていた」という事実を導き、エラリーは犯人を特定。(したつもり)
    しかし実はデニーは赤緑色盲(クイーンの誤解はあるが)だったため、ハルキスは元々赤いネクタイをつけており、訪れた男はノックス。
    加えて、この偽装をした犯人は「ノックスが名乗り出るはずがない」ことを知っていた、つまりグリムショーの相棒であると分かる。

    二つ目はスローンへの偽装、そして三つ目にノックスへの偽装。
    ノックス邸の特殊なタイプライター(ここの伏線も見事)を使用して脅迫状を送る。
    エラリーは"あえて共犯という可能性を除いた"犯人の三つの条件から犯人をノックスだと宣言。
    しかし、ノックスが犯人ならグリムショーの時計の中の札を抜いたはず。

    では真犯人はというと、まず、1000ドル札の話を聞いていたジョーンではない。
    そして犯人が"2通目のみ"ノックス邸のタイプライターを利用したという事実から共犯の否定ができ、そして"2通目のときのみ"ノックス邸のタイプライターを使えた人物ということから犯人はペッピーだと分かる。




  • 読んでたのに登録漏れてた。

  • 二転三転する容疑者、真犯人は意外な人物... って書くとありきたりなミステリーだが、真犯人は完全にノーマークで全くわからんかった。伏線もある程度あったけど、全く思いが至らず...
    流石です。

  • これまでの国名シリーズの中でも群を抜いていて、これほど複雑でエラリー・クイーンを悩ませた事件もなかっただろう。まさに二転三転する展開には本当にハラハラさせられた。

    物語の前半から後半にかけてとにかく犯人に翻弄され続け一度は赤っ恥をかいたエラリーだったが、物語が終盤に近づくにつれてこれまでに読者が読み慣れているエラリー・クイーンの本領が発揮されていったので単純に物語としても上手く盛り上がっていた。

    犯人の狡猾さには誰もがきっと度肝を抜かれることだろう。そして、その犯人を打ち負かすエラリーの比類なき推理に驚嘆するだろう。

  • 亡くなったギリシャ人美術商の盗まれた遺言書を探して棺を開けたらもう一つ死体が入ってた!というとんでもなく惹きつけられる謎から始まり、二転三転する推理、魅力的なご婦人の謎、意外な犯人、ともう面白さ目白押しで大変。ボリュームもあるけど、ほんとに三、四冊くらい面白いミステリ読んだみたいな満足感!
    大学卒業したての若いエラリーの若さゆえの大失敗もまた楽しい。いやあ大傑作!

  • めちゃくちゃ複雑な話で、通勤中に細切れで読むと理解するのが大変やった。
    犯人は意外すぎて全然わからず、最後まで楽しめました✨

  • これまでとは異なり二転三転する。エラリーが初めてミスをする。この流れも良くできている。さすがEQシリーズといった所✨
    特に終盤であれ?からえー!に変わるタイミングがある。これもまた魅力。
    これまで以上にページ数が多い分充実できる。

  • 確かに、ヒントは散りばめられていたのでしょうけれども
    犯人については、
    「それはないよ〜」って気持ちになりました(笑)

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エラリー・クイーンの作品

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