Xの悲劇 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2019年4月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784488104436

作品紹介・あらすじ

鋭敏な推理力を持つ引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼される。ニコチン毒を塗ったコルク球という異様な凶器が使われた、あまりにも容疑者が多い難事件から、ただひとりの犯人Xを指し示すべく、名探偵は推理と俳優技術のかぎりを尽くす。巨匠クイーンがバーナビー・ロス名義で発表した、本格ミステリ史に燦然と輝く〈レーン四部作〉の開幕を華々しく飾る、傑作中の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • エラリー・クイーン初読み。
    カーに続き『十角館の殺人』のエラリイもやっと読めた。

    新訳のおかげもあって、この作品もとても読みやすかった。

    殺害方法がリアルに感じて怖い。
    探偵役のドルリー・レーンはシェイクスピアに心酔した元舞台俳優。
    事件は都会的なんだけど、探偵は芝居がかっていて古典的な感じ。
    この探偵は早い段階で犯人がわかってるのに、匂わすだけで全然教えてくれない。
    真ん中あたりで少し冗長に感じたけど、また面白いことが起きるのでぐいぐい読めた。
    なるほど、これが論理的な推理なんだ。

    自分は謎解きはしないで人間ドラマを読みたい方なので、やはりクリスティーの方が合ってるのかなと感じた。
    心理面に重きを置いているシリーズもあるようなので今度読んでみたい。

  • また未読の名作を読む。引退した名優ドルリー・レーンが探偵となって連続殺人事件を解決する。途中レーンの言動が思わせぶりで冗長に感じたが、犯人逮捕のシーンはお見事!意外な真犯人に驚いた。理論の積み重ねで解決するお手本の様で面白かった。

  • むかーーーしエラリー・クイーンは読んでいたんだがほぼ覚えていない、、んだが、Xの悲劇は犯人だけは覚えている状態で再読。
    やっぱり面白いな。

    株の仲買人ロングストリートが殺された。強引で傲慢な彼は人々から嫌われていた男。
    担当となったサム警部と、地方検事のブルーノは、別の事件解決に尽力した引退した俳優ドルリー・レーン氏に捜査協力を仰ぐ。

    この探偵役のドルリー・レーンは、聴力を失い引退したシェイクスピア名優。彼がなかなか面白い人物。
    一世代前の紳士のような装束、住んでいるのは「ハムレット荘」、執事の愛称はフォルスタッフ(笑)、言葉にはシェイクスピア引用を散りばめる、60歳だが見事な身体、名優のため警部に変装して部下の警官を使う(現在なら大問題になるが、この時代のおおらかさ!!)。

    このダイイングメッセージは現代では使われないものなので、現代読者には意味がわからないだろうなあとは思いますが、「じいさん」たちが立ち回る探偵小説としてとても楽しめました!

  • 100年になろうかという前に作られた本格ミステリ。でも楽しめた。読み終わった時、至るところに張り巡らされた手がかりの数々。
    これがエラリークイーンなんですね!

    ずっと読もうとして、手に取ってこなかった作家。
    翻訳されている本を読んで、違和感を感じて引っかかった経験があるから‥ただ自分が若くて理解が追いつかなかっただけかもしれないけど‥今なら全然大丈夫でした。
    これまで敬遠していた海外作家の翻訳本もこれから読んでいこうと思うきっかけになりました。
    もったいないことしてたな‥
    エラリーだけでなくヴァンダインやカーなど、手が出せなかった作品にもどんどん挑戦していきたいな!

  • 2025/3/15読了 感想500件目
    言わずと知れた本格ミステリの傑作。今回の〈創元〉新訳版は初読だが、小学生の時に図書館で借りた(子供向けにリライトされた)ものを含めて4-5回は読んでいる。……という個人的経験も踏まえ、ミステリ好きは中高生迄に読む“通過儀礼”的な作品と思っていた(独断と偏見です)が、皆さんの感想を読んでいると、まぁまぁの割合で初読の方もみえるよう。知らない間に、『戦争と平和』とか『レ・ミゼラブル』とかみたいな“タイトルは知ってるけど読んだことない”レベルの古典になっていた(えーと、だから独断と偏見です)のだろうか?

    今回の新訳で、半世紀以上前の旧訳版の時代がかった堅苦しい言葉使い(とは言え100年近く前の作品だし、時代劇の範疇に入りかけかも?)も改まり、読み易くなったが、一点だけ違和感が。サム“警視”……アレ、昔は“警部”だったけど偉くなった……? 日米英で警察官の階級制度に違いがあり、訳者によって警部か警視か訳出の違いが出ているんだろうとは判りますよ、エラリー父のリチャード・クイーンもそうだったし。でも、ヒラからの叩き上げが44歳で警視とか、現代日本の感覚だと、この人メチャクチャに優秀じゃないの、ってなりません? 『Zの悲劇』で娘から(父親のことは心から愛しているのだろうけど、こと頭脳に関しては)、「頭の回転は早くない」とか何とかボロカス言われているけど。

  • ラジオで大矢博子さんが紹介してて興味が湧いたので購入。翻訳のクラッシックはこういう機会が無ければ自ら手が出せない。
    しかしながら改めて翻訳本を読むと、長いし、お経の様で時間がかかりました。格段に大矢博子さんの紹介のレベルが高くジャパネット級という事がわかりました。暫くは翻訳本はいいかな。

  • 1932年より、鮮やかに、華やかに、甦る海外古典ミステリに悲劇をみた。ここまで読みやいのは翻訳者の力量か。他の方の翻訳を読んだ訳ではないので、確かなことは言えないがとても読みやすかった。少し時間を空けたら、次なる悲劇に逢いに行こう。

  • 本当の最後の最後にタイトル回収というか、題の“X“の象徴であるクロスした指の形は何を意味にしているかの回答で締めくくっていてスカッとした気持ちもありながら、犯人Xとして格好をつけながらXを絡ませた結論はそんなことだったのかとも思い。
    やはりEQの名作で一番に名前のあがる本作なので、Xの意味について、もっと壮大な何かがあるのかしらんと期待を抱きすぎていたか。

    犯人は復讐に囚われ、5年前に計画を建て、役を演じ、清々しいまでに次々と殺していく。特に、レーンも予想外で失態だったと言っていたが、デウィットが釈放されてから早々に殺しており、行動的で度胸があって、とレーンも褒めており笑、私的好みの犯人ではあった。ただ、犯人視点の発言はなく、奴は吐きましたよ、と全て人ずてに語られるのが物足りない。

    レーン氏は変装の名人であったり、半裸で素晴らしい肉体を披露していたりと、EQ同様、独特のキャラクター付けがなされている。変装の技術は凄すぎて、6年一緒に働いている部下が気づかないほど見事に警視に化けており、そこら辺はいかにもな態とらしさを感じて少し微妙だった。
    しかし、元役者として時折発するマクベスなどの台詞は良かった。EQはそうゆう古書が趣味で時折用いているが、レーン氏は役者として発しており、脳内でとても良い声で再生される笑

    犯人は日常に溶け込んでおり、緋色の研究を思い出した。そして犯人の生活はエジプト十字架のよう。個人的にはエジプト十字架の方が宗教などの辛気臭さもあって好みだった。

    Yを読んだ上で。
    Xは登場人物が覚えにくいので、改めて読みたい。

  • 海外小説はもともとあまり得意ではないのだが、評価が高かったので手に取ってみた。
    内容自体は悪くないものの、文化や表現の違いからどうしても馴染みにくい部分がある。
    また、シェイクスピアの引用が多い点も、個人的には読みにくさにつながった。

    もう少しテンポよく進むと良いのにと思うところもあり、やや長さを感じる。
    推理小説としては最後まで展開が読めず意外性があった。

  • ドルリー・レーン四部作の一作目。
    鮮やかな解法。ヒントは全て普通に提示されていたはずなのに、巧妙に紛れ込まされていて3回の殺人事件のどれも犯人を予想できなかった。
    時間があれば読み返したいけれど、翻訳物は読むのになぜか時間がかかる…

  • 引退俳優のレーン(聴覚障害/読唇)が探偵。乗物(列車・船)が舞台。無罪放免された男が列車内で射殺された時のダイイングメッセージが印象的。レーンの推理が鮮やかで見事。

  • 『小説という毒を浴びる』(桜庭一樹/著、集英社)のドルリー・レーンについて書かれた文章を読んで以来、彼のことが気になって仕方がなくなったので、読んでみました。

    名優・ドルリー・レーンは聴力を失ったことをきっかけに引退、その後は田舎の城館・ハムレット荘に暮らしています。
    そのハムレット荘に地方検事と警視の2人組が訪ねてきます。
    レーン氏に路面電車で起こった殺人事件の捜査協力を依頼するために…

    ドルリー・レーン氏、すてきです。
    数々の人物を演じてきた彼だからこそ、その場から一歩引いた目で事件や人々を見つめることができるのです。
    人の心を掴むことも見透かすこともできそうな、温かさと鋭さが同居する観察者の目。
    その眼差しに畏怖の念を感じつつ、そこがまたかっこいいと思ったり…。

    事件も後半に行くにつれて緊迫感が増していき、手に汗握りながら読んでいました。
    ドルリー・レーン四部作、全部読もうと決意。

  • レーンのもったいぶった態度は好き嫌い分かれそうだが、元俳優という肩書や雰囲気のある自宅など、個人的には探偵役として結構好きだと思った。サム警視とブルーノ検事のコンビも良い。
    3つも殺人事件が起きるので正直最後らへんにはロングストリートのことは忘れ始めていたが、解決編では3つの事件が1人の犯人による連続殺人だと納得させられる内容が明かされた。小さいけど確実な論拠で推理が進められていき、明快で面白い。
    指のクロスの説明読みながら車掌のパンチだったのか〜とは思ったけど、前に一人一人パンチの穴の形が違うという話があったのを思い出し、感嘆した。

  • 初読みエラリー・クイーン。
    面白かった。
    最初は設定盛り盛りのドルリー・レーンに魅せられたけれど、中盤くらいからは翻弄されるサム警視とブルーノ地方検事にすっかり肩入れしてしまった。
    二人、生き生きしていて良かったなぁ。
    真相も意外さもありつつ大体納得はしたのだけど、金額がまちまちだった理由は特に説明なしだったよね…?

  • 2024年読了。

     ミステリー史に残る名作。引退した名優ドルリー・レーンが鮮やかに推理するシリーズの第一作目。
     エラリー・クイーンといえば数多くのミステリー作家たちが薫陶を受けた大作家だ。その一番の功績はやはり「読者への挑戦」ではないだろうか。これは、これまでに開示されている情報を正しく読み解けば論理的に犯人を指摘できるというもので、言わば作者によるフェアプレイの宣言だ。
     クイーンの作品はどれも厳密にフェアプレイを重んじていると感じる。今作においても、手がかりが示す犯人の条件を正しく読み解くことで推理ができる仕組みになっている。この気づきの驚きがクイーン作品を病みつきにさせるのだろう。

  • 論理の緻密さがいい。
    特に指の怪我と回数券の位置に関しては驚嘆した。
    タイトル回収は……。

  • エラリークイーンがバーナビー・ロス名義で書いたレーンシリーズの一作目。
    耳の聞こえない引退した名俳優のドルリー・レーン氏が探偵役となり、ニューヨークの路面電車内で起こった殺人事件を解決に導く。
    レーン氏は思慮深く紳士で時におちゃめで大胆で、魅力的な人物。また、彼を取り巻くキャラクター達も個性豊かで楽しい。
    早々に犯人を見抜いてしまうレーン氏だけど、答えを焦らしまくるうちに次の殺人が起こってしまうのは古今東西探偵あるある。確かに文中にちゃんと手掛かりは提示されていたのに、盲点を突かれて最後には驚かされた。
    ひとつひとつ可能性をつぶしていって、残ったのが答えという、エラリークイーンは端正なミステリを書く人だという印象があったけど、まさにその通りのミステリだった。

  • ドルリー・レーン四部作の1作目!
    1番怪しいヤツは犯人じゃないと分かっているのに、思わず疑ってしまう言動や状況証拠。事件が重なる中でレーン氏の解決に拍手しちゃいました!
    トリックについては、最近多く見られるびっくり箱的なミステリーではなく、緻密に組み込まれたミステリーでもう1周したいくらいです!レーン氏の事件解決に至る解説を見ながら何度「言われてみれば確かに」と思ったことか…。
    しかも翻訳本特有の読みづらさを感じさせない文章(中村有希訳)で、ボリュームの割にサクッと行けました!まあ次が気になってページをめくっちゃうんですけど笑
    四部作ということで続く『Yの悲劇』も近いうち読んでいきたいと思います!

  • 噂に違わぬ傑作でした!
    とても楽しませて頂きました。

  • 芝居がかった舞台設定と、見事な描写もあってかなり楽しく読めた。
    登場人物も魅力的で、楽しく読めたけれども……登場人物が多くて、ちょっと大変だった。
    旧訳は読みにくいという話だけれど、こちらは新訳だったせいか、読むこと自体にストレスはなかった。次作である『Yの悲劇』が名作と名高いらしいので、ぜひ挑戦してみたい。

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エラリー・クイーンの作品

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