- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488104436
作品紹介・あらすじ
鋭敏な推理力を持つ引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼される。ニコチン毒を塗ったコルク球という異様な凶器が使われた、あまりにも容疑者が多い難事件から、ただひとりの犯人Xを指し示すべく、名探偵は推理と俳優技術のかぎりを尽くす。巨匠クイーンがバーナビー・ロス名義で発表した、本格ミステリ史に燦然と輝く〈レーン四部作〉の開幕を華々しく飾る、傑作中の傑作。
感想・レビュー・書評
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エラリー・クイーン初読み。
カーに続き『十角館の殺人』のエラリイもやっと読めた。
新訳のおかげもあって、この作品もとても読みやすかった。
殺害方法がリアルに感じて怖い。
探偵役のドルリー・レーンはシェイクスピアに心酔した元舞台俳優。
事件は都会的なんだけど、探偵は芝居がかっていて古典的な感じ。
この探偵は早い段階で犯人がわかってるのに、匂わすだけで全然教えてくれない。
真ん中あたりで少し冗長に感じたけど、また面白いことが起きるのでぐいぐい読めた。
なるほど、これが論理的な推理なんだ。
自分は謎解きはしないで人間ドラマを読みたい方なので、やはりクリスティーの方が合ってるのかなと感じた。
心理面に重きを置いているシリーズもあるようなので今度読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
また未読の名作を読む。引退した名優ドルリー・レーンが探偵となって連続殺人事件を解決する。途中レーンの言動が思わせぶりで冗長に感じたが、犯人逮捕のシーンはお見事!意外な真犯人に驚いた。理論の積み重ねで解決するお手本の様で面白かった。
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ラジオで大矢博子さんが紹介してて興味が湧いたので購入。翻訳のクラッシックはこういう機会が無ければ自ら手が出せない。
しかしながら改めて翻訳本を読むと、長いし、お経の様で時間がかかりました。格段に大矢博子さんの紹介のレベルが高くジャパネット級という事がわかりました。暫くは翻訳本はいいかな。 -
ドルリー・レーン四部作の一作目。
鮮やかな解法。ヒントは全て普通に提示されていたはずなのに、巧妙に紛れ込まされていて3回の殺人事件のどれも犯人を予想できなかった。
時間があれば読み返したいけれど、翻訳物は読むのになぜか時間がかかる… -
『小説という毒を浴びる』(桜庭一樹/著、集英社)のドルリー・レーンについて書かれた文章を読んで以来、彼のことが気になって仕方がなくなったので、読んでみました。
名優・ドルリー・レーンは聴力を失ったことをきっかけに引退、その後は田舎の城館・ハムレット荘に暮らしています。
そのハムレット荘に地方検事と警視の2人組が訪ねてきます。
レーン氏に路面電車で起こった殺人事件の捜査協力を依頼するために…
ドルリー・レーン氏、すてきです。
数々の人物を演じてきた彼だからこそ、その場から一歩引いた目で事件や人々を見つめることができるのです。
人の心を掴むことも見透かすこともできそうな、温かさと鋭さが同居する観察者の目。
その眼差しに畏怖の念を感じつつ、そこがまたかっこいいと思ったり…。
事件も後半に行くにつれて緊迫感が増していき、手に汗握りながら読んでいました。
ドルリー・レーン四部作、全部読もうと決意。 -
初読みエラリー・クイーン。
面白かった。
最初は設定盛り盛りのドルリー・レーンに魅せられたけれど、中盤くらいからは翻弄されるサム警視とブルーノ地方検事にすっかり肩入れしてしまった。
二人、生き生きしていて良かったなぁ。
真相も意外さもありつつ大体納得はしたのだけど、金額がまちまちだった理由は特に説明なしだったよね…? -
はるか昔に読んだとは思うのだが、全く内容は初見の感じ。やはり、あまりにも有名だったのでタイトル名は、頭に刷り込まれてるけど、実は読んでなかったのか。
最近、国内の新しい作家のものを読み始めたけど、ふと、クイーン、クリスティー、などの推理小説の原点みたいなものを読みたいと思う。
翻訳物といっても、翻訳が新しいのか、とても読みやすかった。
やっぱり、エラリー・クイーンって凄いと思わされます。とても面白かった。
これからも、国内ものと合わせて、色々読んでいきたいですね。 -
鮎川信夫訳を読みました。
訳された文章感が強くて少し読みにくさがありましたが、傑作という評価に納得です。
普段ミステリーを読むときに謎解きはせずに読むタイプですが、読者への挑戦状があるとやはり意識してしまいます。(全然解けませんが。)
Y以降読んでいないので、Xを再読してからレーンシリーズ全部を読みたいと思います。 -
『Y』に続き、クイーン作品二作目。最近森先生の『χの悲劇』を読んだので、元の作品はどうなのかなぁと思い、購入。両作のネタバレになるからあまり詳しくは言えないが——ここまで踏まえて描かれているとは思わなかった…。大まかな流れは一緒だが、全く別の物語を作る(→登場人物が違う以上、当然だが…)先生は本当に凄いなぁ。『Z』も読みたい、読みます…笑