Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488104436

作品紹介・あらすじ

鋭敏な推理力を持つ引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼される。ニコチン毒を塗ったコルク球という異様な凶器が使われた、あまりにも容疑者が多い難事件から、ただひとりの犯人Xを指し示すべく、名探偵は推理と俳優技術のかぎりを尽くす。巨匠クイーンがバーナビー・ロス名義で発表した、本格ミステリ史に燦然と輝く〈レーン四部作〉の開幕を華々しく飾る、傑作中の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • また未読の名作を読む。引退した名優ドルリー・レーンが探偵となって連続殺人事件を解決する。途中レーンの言動が思わせぶりで冗長に感じたが、犯人逮捕のシーンはお見事!意外な真犯人に驚いた。理論の積み重ねで解決するお手本の様で面白かった。

  • ラジオで大矢博子さんが紹介してて興味が湧いたので購入。翻訳のクラッシックはこういう機会が無ければ自ら手が出せない。
    しかしながら改めて翻訳本を読むと、長いし、お経の様で時間がかかりました。格段に大矢博子さんの紹介のレベルが高くジャパネット級という事がわかりました。暫くは翻訳本はいいかな。

  • ドルリー・レーン四部作の一作目。
    鮮やかな解法。ヒントは全て普通に提示されていたはずなのに、巧妙に紛れ込まされていて3回の殺人事件のどれも犯人を予想できなかった。
    時間があれば読み返したいけれど、翻訳物は読むのになぜか時間がかかる…

  • 『小説という毒を浴びる』(桜庭一樹/著、集英社)のドルリー・レーンについて書かれた文章を読んで以来、彼のことが気になって仕方がなくなったので、読んでみました。

    名優・ドルリー・レーンは聴力を失ったことをきっかけに引退、その後は田舎の城館・ハムレット荘に暮らしています。
    そのハムレット荘に地方検事と警視の2人組が訪ねてきます。
    レーン氏に路面電車で起こった殺人事件の捜査協力を依頼するために…

    ドルリー・レーン氏、すてきです。
    数々の人物を演じてきた彼だからこそ、その場から一歩引いた目で事件や人々を見つめることができるのです。
    人の心を掴むことも見透かすこともできそうな、温かさと鋭さが同居する観察者の目。
    その眼差しに畏怖の念を感じつつ、そこがまたかっこいいと思ったり…。

    事件も後半に行くにつれて緊迫感が増していき、手に汗握りながら読んでいました。
    ドルリー・レーン四部作、全部読もうと決意。

  • 初読みエラリー・クイーン。
    面白かった。
    最初は設定盛り盛りのドルリー・レーンに魅せられたけれど、中盤くらいからは翻弄されるサム警視とブルーノ地方検事にすっかり肩入れしてしまった。
    二人、生き生きしていて良かったなぁ。
    真相も意外さもありつつ大体納得はしたのだけど、金額がまちまちだった理由は特に説明なしだったよね…?

  • 芝居がかった舞台設定と、見事な描写もあってかなり楽しく読めた。
    登場人物も魅力的で、楽しく読めたけれども……登場人物が多くて、ちょっと大変だった。
    旧訳は読みにくいという話だけれど、こちらは新訳だったせいか、読むこと自体にストレスはなかった。次作である『Yの悲劇』が名作と名高いらしいので、ぜひ挑戦してみたい。

  • 作家エラリー・クイーンが、バーナビー・ロス名義で発表したドルリー・レーンシリーズ第一弾。
    作中の至る箇所にハムレットを筆頭にシェイクスピア作品からの引用などがある。
    二重の意味でニヤニヤしながら読んだ。

  • はるか昔に読んだとは思うのだが、全く内容は初見の感じ。やはり、あまりにも有名だったのでタイトル名は、頭に刷り込まれてるけど、実は読んでなかったのか。

    最近、国内の新しい作家のものを読み始めたけど、ふと、クイーン、クリスティー、などの推理小説の原点みたいなものを読みたいと思う。

    翻訳物といっても、翻訳が新しいのか、とても読みやすかった。
    やっぱり、エラリー・クイーンって凄いと思わされます。とても面白かった。
    これからも、国内ものと合わせて、色々読んでいきたいですね。

  • 論理展開が緻密。全く古さを感じさせない。思っていた以上に読みやすく、2日で通読。名作中の名作というのも頷ける。

  • 鋭敏な推理力を持つ引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼される。ニコチン毒を塗ったコルク球という異様な凶器が使われた、あまりにも容疑者が多い難事件から、ただひとりの犯人Xを指し示すべく、名探偵は推理と俳優技術のかぎりを尽くす。巨匠クイーンがバーナビー・ロス名義で発表した、本格ミステリ史に燦然と輝く〈レーン四部作〉の開幕を華々しく飾る、傑作中の傑作。



    イケおじ探偵なドルリー・レーン。引退した元俳優で、新聞から情報で推理をし、犯人逮捕に導いた経験を持つ。そんなところに、ニューヨークで起きた事件のヒントをもらいに、サム警視とブルーノ地方検事がやってくる。


    いやぁ、すごかった。ポンコツ2人というとごめんってかんじだけど、サム警視は最初からレーンのことを信じてないし、「なんだあいつ!」ってかんじだし、ブルーノ地方検事は上から言われたから来ました感あって、レーンに早く犯人を教えてほしいのに、レーンの推理が組み上がってないから焦らされてるし。


    第1と第2の事件の犯人とされたデウィットの裁判は、本当に見てて気持ちが良かった。確かに、状況証拠ばかりで逮捕起訴まで持ち込んだサム警視とブルーノ地方検事が悪いけど、レーンが弁護士に助言した件については、「た、確かに…」ってなったし、言い方悪いけど逆転裁判見てるみたいで面白かったし、すっきりした。


    その後のデウィット祝賀パーティでのデウィットが、レーンに言ったセリフは「おい…それは死亡フラグでは…」と思ったら、まんまと死亡フラグだった。まさか、目の鼻の先で殺されるとは思ってなかったなぁ。探偵っていつも遅いんだよな。何かで読んだけど、探偵は事件が起こってから出てくる人で、事前に事件を防ぐことはできない。確かになぁと。


    しかし、その後の事件解決までがすごかった。まさかの犯人だったし、正直な話、私はサム警視とブルーノ地方検事と同じように「え?え?」ってなってたと思う。そして、ページを何度も戻った。すごかった。レーンが言う通りに、全ては目の前にぶら下がっていた。気が付かなかった。でも、レーンはずっと今まで起こっていた全てのことを組み立てて推理して、真相に導いた。


    Xの悲劇。すごい。読み終わったあとに思うことは、誰か謎の人物Xとしたわけではなく、本当に目の前にXがぶら下がっていた。それに、全く気が付かない私…悲劇だ。

    2024.2.12 読了

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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