エラリー・クイーンの新冒険【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2020年7月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784488104443

作品紹介・あらすじ

荒野に建つ巨大な屋敷“黒い家”が、一夜にして忽然と消失するという強烈な謎と名探偵エラリーによる鮮やかな解明を描いて、著者の中短編でも随一の傑作と評される名品「神の灯」を巻頭にいただく、巨匠クイーンの第二短編集。そのほか、第一短編集『冒険』同様「……の冒険」で題名を統一した4編に、それぞれ異なるスポーツを題材にした連作4編の全9編からなる本書は、これぞ本格ミステリ!と読者をうならせる逸品ぞろいである。

みんなの感想まとめ

本作は、名探偵エラリー・クイーンが繰り広げるミステリ短編集で、特に「神の灯」という作品が強烈な印象を残します。屋敷が忽然と消えるという不可思議な現象を通じて、読者は緊張感と期待感に引き込まれ、見事なト...

感想・レビュー・書評

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  • エラリー・クイーンを読むのは20年ぶりくらい。
    中篇の名作との誉高い「神の灯」を読んでみたくて手に取った。

    「神の灯」はまずタイトルが秀逸。どう言う意味だろうなあ、と思いながら全く見当が付かず、トリック判明後に考えると、なるほど〜、と膝を打つ。

    他の短篇8作品の中では、「血をふく肖像画の冒険」が、冒頭のシーン(裏返ってくれ、おもてはもうすんだ、と男が女に向かって大声を出す場面)、謎の提示、容疑者のズレ、解決場面、いずれも印象深かった。

    長編のイメージしかなかったけど、さすがクイーン。

  • 著者の中短編でも随一の傑作と評される「神の灯」など全9編からなる本書は古典としては名作中の名作なんだと思う。

    ただ、現代の日本ミステリーを読んでいると、この古典に匹敵もしくはそれ以上の傑作が多数存在しているなぁと感じてしまった。

    確かに中短編に限定すると「神の灯」クラスの作品には出会ったことがないかもしれないが、それでも今のミステリー界は十分エラリーを超えていると思う。

  • 「神の灯」は、確かにあったはずの家が忽然と消えるという不可思議な現象で読者を一気に惹きつけた。期待が上がりまくりの展開の中、どんなトリックが隠され、どんな論理で解決されるのだろうというエラリー・クイーンに毎度寄せられる期待に十分過ぎるほど応えていた。あの衝撃は、国名シリーズにも引けを取らない。

    ただ、神の灯を含め前半3作はエラリー・クイーンらしくトリック自体もさることながら、ミステリー好きにはたまらない雰囲気を存分に味わわせてくれる作品であったが、それ以降は可もなく不可もなくという感じだったので★4に留まった。

  • エラリー・クイーンの短編集第二弾。評判は前作の方がいいとのことだが、個人的にはこちらの方が面白かった。
    中編小説『神の灯』は、一夜の間に邸が消滅するという突拍子もないもの。トリックは予想がつくものの、たった一人の、たった一つの良心により結末が大きく変わった点が面白い。
    『人間が犬を噛む』『大穴』『正気にかえる』は、スポーツを題材にした連作短編集。エラリーのパートナーで溌剌とした美女ポーラが全てに登場する。観戦に出向く先々で事件が起こるという名探偵コナン的な展開で、エラリー自身も「自分が行く先々で事件が起こる」ということにようやく気が付く。『アメリカ銃の秘密』でもボクシングの試合シーンが出てきたが、クイーンの描くスポーツの描写は臨場感に溢れている。

  • 解説によると、エラリー・クイーンの作家活動は長編を基準にすると次のように四期に分けられるとのこと。(ただし【】内は私コメント)

    第一期【“本格”ミステリ、無敵天才生意気エラリー】
      ローマ帽子の謎(一九二九)から
      スペイン岬の謎(一九三五)
    第二期【過渡期、エラリーはハリウッドいったり恋したり】
      中途の家(一九三六)から
      ドラゴンの歯(一九三九)
    第三期【人間ドラマ、エラリーも失敗したり悩んだり】
      災厄の町(一九四二)から
      最後の一撃(一九五八)
    第四期【クイーン名義だが監修のみというような作品も含まれるらしい】
      盤面の敵(一九六三)から
      心地よく秘密めいた場所(一九七一)

    本短編集の作品をそれに当てはめると、第一期終盤から第二期にかけての作品群ということになり、ものによっては国名シリーズのエラリーとはかなりイメージギャップがある。
    特に一九三九年の四作品(『エラリー・クイーンの異色なスポーツ・ミステリ連作』というシリーズ名までついている)は、ポーラ・パリスという美人女性記者が恋人として登場し、二人でデレデレいちゃいちゃ時に嫉妬したりしながら謎をとくという、初期国名シリーズのエラリー像からすると違和感ありまくりの展開。エラリーの恋模様を見せられることについては否定も肯定も入り交じった複雑な心境ではある(笑)が、作者クイーン(たしか広告業界出身の従兄弟同士二人組)は芸術家肌というよりは、何が受けるかを意識しているタイプの作家と思われ、エラリー像のブレもそう深刻に受け止めることもないかな、なんて。

    以下、備忘メモ(収録順ではなく発表順)。
    ■暗黒の家の冒険(一九三五、一月)
    遊園地ではしゃぐジューナと保護者エラリー。国名シリーズのエラリーのまま。
    ■神の灯(一九三五、十一月)
    傑作と名高く、後世にオマージュ作品も多いとか。確かに似たようなのを読んだことがあったので、あまり驚かなかった。
    ■宝捜しの冒険(一九三五、十二月)
    他愛ない。楽しい。軽い。
    ■がらんどうの竜の冒険(一九三六、十二月)
    日本人が出てくるのがちょっと嬉しい。変わった名前だけど。
    ■血をふく肖像画の冒険(一九三七、九月)
    人妻の美しい背中に魅せられるエラリー。こういうのは別に問題ないのよねー。
    ■人間が犬を噛む(一九三九、六月)
    ここから件の『異色なスポーツ・ミステリ連作』。恋人ポーラ登場(未読だがこれより前に書かれた別作品に出てくる人物とのこと)に加え、野球観戦に熱狂するエラリーというのもかなり違和感。『アメリカ銃』ではロデオにもボクシングにも冷めてたやんか。
    ■大穴(一九三九、九月)
    ポーラに甘えるエラリー。今回のテーマは競馬だが、エラリーは興味無さすぎてなにも知らないという設定で、スポーツとの距離感はいい感じ。
    ■正気にかえる(一九三九、十月)
    ボクサーの逞しい肉体に見惚れるポーラを見て嫉妬するエラリー、謎を解き明かしたあとには「精神は筋肉に勝つ」とほくそ笑む。だんだんこんなエラリーも許せてくる。
    ■トロイの木馬(一九三九、十二月)
    ポーラに結婚をちらつかされて逃げ腰になるエラリー。そこはそういう態度なんだ?!ポーラも「冗談よ」と引き下がっていたが実のところは…?ネットの情報によるとポーラはその後登場しないようなので、別れたのでしょうか。

  • サクッと読めて、人が基本的に死なない!

  • ミステリ短編集。有名な「神の灯」をようやく読みました。屋敷が消えた謎に関してはまあこれしかないだろうな、というのは思ったので。それほど意外でもない真相じゃないか、と前評判を聞いていただけに期待外れに感じたものの、それだけじゃなかったのか、真相は……! なるほどこれは傑作です。
    お気に入りは「暗黒の家の冒険」。完全に真っ暗なアトラクションのなかで起こった銃撃事件なんて、これはもうインパクト抜群。さりげなさすぎる手がかりも見事です。
    「人間が犬を噛む」も好き。衆人環視の中での毒殺トリックと意外な顛末には驚きでした。

  • 2023/07/30

  • エラリー・クイーン中期の傑作短編たちを集めた短編集。クイーンの長編『ハートの4』の登場人物が出てくるため、該当作を読んでから読むのが吉。ミステリの中身で言えば、超傑作『神の灯』をはじめとして、トリック創案、ストーリーテリングともにずば抜けてレベルの高い作品しかないので、満足度はめちゃくちゃ高い。後半の"スポーツ四部作"はミステリ的には軽めだが、軽妙なオチがどれも味わい深く、これぞ中期クイーンと楽しめる作品になっている。ベストは……トリッキーな展開が印象に残る『人間が犬を噛む』

  • 傑作と名高い「神の灯」が収録されている。
    同作は新潮で読んだはずなのに、まったく覚えていない。おかげで新鮮、とても楽しめた。この作品が新本格派の作家たちに人気の理由も分かるような。「時計館」は絶対影響受けてるよね。

  • すごく面白かった。特に最初の『神の灯』。
    最後の方のスポーツものは、スポーツのシーンだけ斜め読みしてしまった。読むのが面倒くさくて。

  • ミステリー
    中短編集 9編

    目覚めると巨大な「黒い家」が忽然と姿を消していた。エラリーを解決に導いたのはまさに「神の灯」だった…!

    真珠盗難犯をあぶり出すべく採られた手段とは?「宝探しの冒険」

    スポーツ観戦を絡めた4編と併せたエラリーの冒険譚

  • 新訳ということで、所持は無論していますが改めて購入して読みました。

    新訳……新訳?
    私には寧ろ少し読みづらくなったような感覚でした。
    ところどころ直訳かと思うような言葉遣いとか、文章の構築とか(句読点の扱いというか)…単に私の好みの問題なのかなとも思いますが。
    なんというか、無理をして「古き良き時代」の言い回しを使っているかのような印象とでも言えばいいのかな。
    ということで、☆はマイナス1。

    内容についてはエラリイ・クイーンですから、私が今更どうこういうことはございません/笑。(パリス女史は苦手ですが!笑)

  • 後半はちょっとコメディ入ってるかな。

  • 冒険と同じく楽しめた短編集。
    スポーツ連作シリーズは、今まで読んだエラリークイーンと違ったおもしろさがあった。

  • なぜか今まで読んだことがなかったエラリー ・クイーンもの。
    ずっと昔、手に取った時には小難しい印象で読まなかったけど、読んでみたらエラリー、なかなかチャーミングですね。思っていたより楽しく読みました。

  • そういえば有名な「~の悲劇」ぐらいしか読んだことなかったな、と手に取ってみました。何故かエラリー・クイーンはイギリスが舞台だと思ってました… アメリカなんですね。なんでそう思い込んでたんだろう…

    というわけで広大な土地がある外国らしいスケールのデカイ舞台設定だなぁという最初のお話。確かに母親の写真を持っていこうとしない場面は違和感を感じた。

    クイーン氏に惚れている女性が出てくる短編シリーズは、長さもほどほどなので読みやすかったです。が、彼が観戦に行くとことごとく不幸が起こるというのは…(笑)
    それにしてもあるところには昔からチケットはあったんだなぁ…なんてモンニョリ思いました。

  • 建築物消失の大ネタの走りとして知られる中編『神の灯』を含む、第二短編集。軽めの短編が多く、「血をふく肖像画の冒険」みたいな怪作も含まれてるが、ライトミステリだと思えば謎解きの水準は高い。ただエラリー・クイーンということでがちがちの本格を期待すると肩すかしを食うだろう。

  • 久しぶりのエラリー・クイーン。学校の図書館で借りまくって読みふけった時もあった。

    神の灯/宝捜しの冒険/暗黒の家の冒険/血をふく肖像画の冒険/人間が犬を噛む/大穴/正気にかえる/トロイの木馬

    若いエラリー・クイーンっていう感じがして、彼にも若い時があったんだと思った。

  • 2020/07/25読了

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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