- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488105136
感想・レビュー・書評
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願わくばミステリーを読み慣れた人に読んで欲しい。万が一、ミステリーを読み慣れていなかったり、クリスティの最初がこの作品であったならば、この作品にて彼女がいかにミステリーの常識をぶち壊し、ミステリージャンルの幅を広げた偽装を、衝撃を感じる事ができない、もしくはインパクトが小さくなってしまうからだ。
僕はいくつかミステリーの素養があった状態でクリスティに出会い、数作品読んだのち「アクロイド殺人事件」を手に取り、文字通り雷に打たれたような衝撃で、ミステリーとは如何に知的で素晴らしいものか。と思い知った。そもそも僕は犯人当ての為、登場人物を軒並み疑ってかかる癖があるのだが、クリスティ作品の中には沢山、裏をかかれる物語が存在する。その中でもダントツで上位になる作品だ。事前準備(ミステリーを読んだ数)は当然必要だ。
彼女以前にこの作風があったのかはわからないし、この作品以降、同じようなプロットを用いた作品があるかもしれないが(終わりなき夜に生まれつくも最高だが)全てのアイディアはクリスティに管理され、牛耳られてしまった印象がある。
当然、設定も面白い。ポアロは引退してかぼちゃを作っているようだが全く似合っていない(笑)登場人物アクロイドは世界で一番有名な被害者と言われている。
作品を通して見事な完成度だが、とある女性について、悲しむ姿が浮かぶようでいたたまれない。ハッピーエンドに無理やりしなくて良かった作品だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原書名:The murder of Roger Ackroyd
著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)
訳者:大久保康雄(1905-1987、茨城県、翻訳家)
解説:中島河太郎(1917-1999、鹿児島市、文芸評論家) -
ドラマ黒井戸殺し を観る前にと図書館で借りた文庫本。
紙は茶色く変色し、文字は極小!
ふと見たら、初版1959年、借りた本は1971年の25版でした。
恥ずかしながら、このお話全く知らず、もちろん犯人も知らないまま読んだので、最後まで愉しめました。
日本語訳の作品は苦手意識があったけど、さすがのアガサクリスティー(読んだ本にはアガサクリスチィと記述!)。他のも読んでみようかな… -
まず始めに、作者の言葉という項があります。アガサ・クリスティ女史がこの作品について語った言葉です。私は悲しいことに、この有名な作品を全く知りませんでした。だから、賛否両論の犯人についても全く知らなかったのです。しかし、この項を読んだことで、本編の半分を読まないうちになんとなく想像がついてしまいました。多くの場合、途中で犯人がわかってしまうのはつまらないことですが、この作品の場合、次から次へと明かされる不可思議な事実のせいで、楽しく混乱できます。流石、アガサ・クリスティって感じですね。
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ミステリィの女王・アガサ・クリスティの代表作。
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犯人についてはあまりにも有名でご多分に漏れず俺も読む前から知ってた。なので「あ、この辺の記述が鍵だ」っていうのは何となくわかっちゃうんだよね。でもそういう認識をも揺るがしてくるような現場の状況、ストーリーが進むにつれて次第に複雑になる事件、どれも犯人を知ってから読んでも充分楽しめる内容だった。
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クリスティのミステリの女王の名を不動にした作品。発表当時、フェアかアンフェアか話題騒然となり「誰がロジャー・アクロイドを殺そうが関係ない」ということわざ(?)まで生まれたとか。「叙述トリック」という言葉は、この作品のためにあると言っても過言ではないかも。