ABC殺人事件 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ク 2-2)

  • 東京創元社
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488105389

作品紹介・あらすじ

●大崎梢氏推薦――「連れて行かれた世界で、思い切り突き飛ばされたような、いっそすがすがしいまでの敗北感」
●深町眞理子氏推薦――「ポワロにリアリティーは無用。近頃の劇場型犯罪を先取りしたわが最愛のポワロものです。」

ポワロのもとに、奇妙な犯人から、殺人を予告する挑戦状が届いた。果然、この手紙を裏書きするかのように、アッシャー夫人(A)がアンドーヴァー(A)で殺害された。つづいてベティー・バーナード(B)がベクスヒル(B)で……。死体のそばにはABC鉄道案内がいつも置いてある。Cは、Dは誰か? ポワロの心理捜査がはじまる! 著者の代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 犯人が分かってるミステリーって、緊張感薄くてそんなに好きじゃないんだよな…と思いながら読んでいて、最後に見事やられた!!
    名作をなめてすみませんでした。これは読んでよかったな。それにしてもクリスティはいろんなトリックを考えてすごいなあ。

  •  米澤穂信さんの『クドリャフカの順番』で言及されていたので読んだ。古典名作ひとつクリアの達成感。
     クイーンの『九尾の猫』を思い出すなあと思っていたら解説にもその文字が。ミッシングリンクものというらしい。ABC順に殺されていく連続殺人の動機は、どこかの何かで読んだか見たかしたことがあるパターンだったのでなんとなく想像がついた。
     ところどころ挟まれる、犯人側と思われる人物の描写。終盤に入るとあっさり犯人逮捕。ポワロはいつ活躍するの?と思ってしまった。まさかヘイスティングズとのじゃれ合いだけではあるまいし……。と思ったらそこからのどんでん返しで活躍。殺人狂とされる人物への洞察から推理するところがさすがポワロ。得意分野というか自分のスタイルを貫き通すところが徹底していて面白い。
     クリスティ作品のなかでは、私も名前くらい知っていたから有名作品なのだろうと思うが、どういう点で評価されているのか、正直なところいまいちピンとこなかった。

    • 111108さん
      akikobbさん♪

      『九尾の猫』読んだ時これに似てるなぁと思いました。ミッシングリンクものと言うんですね。
      「〜もの」というジャンルがあ...
      akikobbさん♪

      『九尾の猫』読んだ時これに似てるなぁと思いました。ミッシングリンクものと言うんですね。
      「〜もの」というジャンルがある時点で発表された当時の驚きはもう得られないですよね。でも私も古典名作クリアの達成感得たいのと、源流にたどり着いた〜みたいな思いで、ベタな古典?読んでいきたいです。
      2024/10/09
    • akikobbさん
      111108さん、コメントありがとうございます。

      「当時は画期的だったが似たようなパターンを読んだことがあった」ためにちょっと拍子抜けだっ...
      111108さん、コメントありがとうございます。

      「当時は画期的だったが似たようなパターンを読んだことがあった」ためにちょっと拍子抜けだったかもしれません。それでも脱帽だったこともあったのですけどね(アクロイドとか)。
      でも誰もが「狂人」で片付けようとしているところをそれで済ませなかったポワロはさすがですね♪
      2024/10/09
  • 名探偵ポアロの元に届けられた挑戦状。Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場には不気味にABC鉄道案内が残されていた。まもなく第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が…。連続殺人の裏に隠された犯人の本当の目的とは。

    1936年に発表されたアガサ・クリスティの長編推理小説。殺人予告を匂わせる手紙が届き、ポアロは推理を働かせるが、アルファベットの順番に殺害される被害者。ポアロの焦りや緊迫感に支配された展開。何かがおかしいと思いつつも、その違和感の正体がわからない。

    最後に迎えるトリックや、その動機を知ったとき、ネタバレを知る前に読むことができて良かった。って思いました。

    原作が約90年前に発刊されたなんて...古典的なのに現代でも十分に通じるトリックには脱帽です。また、ポアロと相方ヘイスティングズの掛け合いも面白くて、全体的に非常に読みやすい構成でした。

    “そして誰もいなくなった”もとても印象深い作品でしたが、この作品を読んで、アガサクリスティの魅力に取り憑かれました。気になった方はぜひ、手に取ってみてくださいね。

  • 有名な作品だから読んだことあると思っていたけど、恥ずかしながら初めて読んだっぽい(ストーリーが全く記憶にないので)。

    もう犯人分かりきってるパターンか、これはこれで新しいけど、読みがいがないなぁーと思っていたら…
    いやぁー、クリスティすごい!さすがだ!裏の裏をかかれた!

    ポアロの、ヘイスティングズへの信頼感が素敵。

  • あーそこに行くんだって裏切られるからほんと好き
    何回か読み直した方が面白さがわかるお話

  • アガサ・クリスティーの名作。映像化も多いクリスティーだけれども本作と誰もが知る有名作品で展開にワクワクした。ミステリの女王の異名は伊達ではなく、被害者の名前の頭文字がABCと続く謎は、どのように考えればいいのか読者を悩ませる。名探偵ポワロシリーズの代表作。是非!

  • アガサ・クリスティ2冊目。
    わたしのひゃくごじっ冊以上ある積読の中でも、中学くらいから積んでた、化石になりそうな積読中の積読であった。

    カストくんが序盤から犯人だと読まされてたから、カストくんとの繋がりとか動機とかが分からないのが読んでて違和感があってしんどくて、多分意図的に入れた伏線とかミスリードとかやったんやろうけど、中盤はほんとに読むのがだるかった。でも最後ちゃんとどんでん返しがあってスッキリしたよ。

    ちなみに古い版だから訳者はこの人じゃないんやけど、いろんな人のレビューみる限り新しい訳者のを読んどけばもっと楽しく読めたのかもしれんな。言葉遣いに不自然なとこがちょこちょこあった。

  • <アガサの鉄道ミステリ☆地図で地名を探り当てては興奮!?>


    『ABC殺人事件』(1935)は、多作なアガサ・クリスティの著作中で群を抜いて刺激が強い。エンタメ色も濃い★ 著者が最も油ののり切った時期の一作。

     名探偵エルキュール・ポワロのもとへ、挑戦状が舞い込みます。差出人は「ABC」。犯行現場の地名と被害者の頭文字がABC順にそろった、不気味な連続殺人が始まります。仕上げにゃ現場にABC鉄道案内が置かれる、こだわりの犯行ーー

     クリスティは前年1934年『オリエント急行の殺人』、過去1928年に『青列車の謎』を発表しました。鉄道が絡む殺人への、著者の奇妙な熱意(?)が感じられ、読み比べるのも一興です☆
    『青列車』はみずみずしい魅力があふれ、『オリエント』は時代を物語る名作、そして本作『ABC』は現代的な感覚で読める快作! 舞台が次々に移るため、スピード感があります。

     地図でイギリスの地名を探り当てては興奮した覚えがあります。鉄道ファンも喜びそうな事件です(書き方が悪いか)。
     ポワロの敗北(?)をここぞとばかりに書き立てるマスゴミも、この事件には欠かせません。新聞記事の1つで大衆が本気で熱狂する時代性が、うらやましい気もします。

     この作品は真正面からズルかった★ 最後の最後まで巧みに真相を隠すクリスティに、しばしば「フェアじゃないな……」と難癖っぽくなりがちな私でも、本書だけはまるごと肯定したくなりました✧
     この事件のキモは「なぜ、犯人は殺人が徐々に困難になるようなルールを設けたのか?」です。そこには理由が な い !?
     そんなことを考えつく人間は……と、捜査より性格診断で真相に至るポワロ氏の、心理学的なアプローチが見事だなぁ☆

     おまけに大好きな場面が入ってる小説でもあります。長年ポワロの手厳しいツッコミに耐えてきた友人、例の大尉に温かい言葉がかけられる、短くともじんわり来る場面。ヘイスファンはお読み逃しなく♪



    ★ときめきの初期作品『青列車の秘密』
    https://booklog.jp/users/kotanirico/archives/1/4151300058
    ★この結末はアリか?願望小説『オリエント急行の殺人』
    https://booklog.jp/users/kotanirico/archives/1/4488105165

  • おもしろかった!
    アガサ・クリスティーの代表作。
    いまさらって感じだけど、初めて読んだ。
    カスト氏が犯人と思い込ませておいての最後のどんでん返しが鮮やかで。
    名作はやっぱり名作と言われるだけのことはある。

  • 今まで読んだアガサ・クリスティで一番好きかも。他の作品は事件が起こるまでが長いのが難点だったんだけど、この話は手紙が届くのも早いしどんどん事件が起こるのでずっとわくわくしながら読めた。あっと驚く仕掛けというよりは一般的なミステリという感じだけどこういう話はやっぱり面白い。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アガサ・クリスティの作品

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