ミス・マープルと13の謎【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488105464

作品紹介・あらすじ

「未解決の謎か」――ある夜、ミス・マープルの家に集った客が口にしたその言葉がきっかけで、〈火曜の夜〉クラブが結成された。毎週火曜日の夜、ひとりが個人的に知っている謎を提示し、ほかの五人が推理を披露するのだ。凶器なき不可解な殺人「アシュタルテの祠」、動機と機会の奇妙な交錯「動機対機会」など傑作ぞろいの13 編。ミステリの女王クリスティの生んだ名探偵として、エルキュール・ポワロと双璧を成すミス・マープル。いまなお世代を超えて愛される名探偵が初めて読者の前に登場した短編集が、新訳でリニューアル!

感想・レビュー・書評

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  • ミス・マープルの可愛らしさと鋭さが手軽に味わえる短編集。あの長編の元ネタだった作?とか『書斎の死体』のバントリー夫妻が出てきたりなどクリスティの他の作品にもつながって楽しかった。深町眞理子さんの訳も読みやすさと品があって好み。

  • ミス・マープルが登場する、13話の短編集。

    どの話も安定の“クリスティ ・クオリティ”で、丁度いい感じの品のあるミステリを堪能できます。
    毎回、ミス・マープルが美味しいところを持っていくのがお約束なのですが、特に第13話「水死した娘」でのミス・マープルの絡み方が絶妙で、オチも秀逸でした。
    古き良きイギリスの雰囲気を味わえるのも、魅力かと思います。

  • 深町眞理子さんの​​新訳が出たので再読。
    マープルものは一番最後の巻、クリスティーさんが金庫にしまっておいて、死後に出版する予定だった蔵出しの『スリーピング・マダー』から、わたしは入ってしまいましたが、これが始まりで次々と『ミス・マープル最初の事件』『書斎の死体』~『バートラムホテルにて』などなど13冊全部一気に読んでしまいましたよ。
    エリザベス朝、古き良き時代の穏やかな老婦人が鋭く、明晰に推理するキャラクター、魅せられますよね。クリスティーの本はポアロでも「人間性、普遍性」を軸に謎解きをします。まして片田舎に住んでいる独身の女性なんて世間知らず、って思いがちなのに違いますね~そこがなんともいえない面白さですね。この本の13短篇は始まりなので新鮮さが満載で、そしてなつかしさいっぱいでした。

  • うーん、何とも微妙。

    一言で言うと、やっぱり古いかな。マープルさんのなんでも分かってますよ感についてけない。

  • はじめまして、ミス・マープル。
    どうぞ、よろしく。

    安楽椅子探偵と称され、アガサ・クリスティの中ではポワロと同じく人気のあるシリーズだ。
    しかし、今までミス・マープルと会ったことがなかった。
    感想をごく単純化するなら、面白かった!

    最近海外の翻訳でよくお目にかかるのが深町眞理子氏なのだが、深町氏による新訳とのことなので、今まで読んだことがある人も、きっと楽しめるに違いない。
    二度、三度と読むことで、トリックへの伏線に気づくことができるはずだ。

    さて、本書に収められたもののほとんどは短編で、通勤時間のうち、電車に乗る時間が往復10分程度という私にとっては、片道で一編を読み終えられるのが何よりよかった。

    「青いゼラニウム」は以前読んだ、『アガサ・クリスティーと14の毒薬』で語られていた毒が使われていた。
    これかあ!と記憶が繋がった瞬間に興奮した。

    「コンパニオンの女」「四人の容疑者」など、階級の違いや知識レベルの違いという背景にも興味が湧く。
    どれもこれも面白くて、新鮮で、確かにベストセラーになるわけだ、あらゆる探偵小説家、漫画家に影響を与えるわけだ、と納得した。
    「刑事コロンボ」「刑事フォイル」(いずれも邦題)といった優秀な刑事とは違う、しかし鋭い観察眼は侮れない。
    作中でも、その洞察力ゆえに、次第に周りの評価が変わっていく様子は、勧善懲悪モノにあるような、胸のすく思いがした。
    「水死した娘」は、前段階の短編を踏まえての物語なので、安心感と期待の混ざった、そしてその期待を裏切らない作品であった。

  • ミス・マープルシリーズは初めて読んだけど、やっぱりアガサ・クリスティーはいいなあ、と思った。トリック云々よりも人間観察による推理がメインなのが良い。特に「バンガローの事件」や「水死した娘」が好きかな。
    ミス・マープルを含めた数人が集まって、色々な事件を推理するのだけど、このメンバーたちのキャラが立っているのもいい。バントリー夫人やヘンリー・クリザリング卿は他の話にも出てくるようなので、マープルシリーズも読んでいこうと思う。

  • 基本ポアロ派なもので
    ミス・マープルの、特に短編集は未読でした。
    そして今回チャレンジして
    やっぱりポアロ派から変わりそうにない(笑)

    なんだろう、自慢しぃの小男より
    謙遜遠回しのおばあちゃんの方がイライラした。
    どうもそこがネックのようです。

    謎解きの部分は、後ろにいくに従って
    だんだんおもしろくなってきたんですが。
    『コンパニオンの女』とか
    『四人の容疑者』とかね。

  • マープル短篇集
    何年前かはわからないがハヤカワの「火曜クラブ」バージョンで読んだことがあると思う。そのせいか前半はなんとなく犯人がわかった。後半のバントリー夫妻のお屋敷が舞台のものが面白かった。でも、まあ、長篇の方が好きかな。創元推進文庫を選んだのは「新訳でリニューアル」のキャッチコピー(2019初版)をみたからだが、購入してみたら訳者が1931年生まれでビックリした。ハヤカワ版の訳者は1923年生まれ。どちらもご存命のようだ。

  • ミス・マープル、垣間見える人間性から謎を解いていくのが好き。トリックよりも人間の愚かさやままならなさみたいなところを突いてくるの、アガサ・クリスティだな〜

  • ミス・マープル作品を初めて読みました。
    やっとです。
    ミス・マープルの少し皮肉で軽妙な語り口はとても楽しいです。
    そしてどの人物も魅力的で会話がお洒落。
    まだまだクリスティ女史の小説を新鮮な気持ちで読むことができます。
    幸せですよね。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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