- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488106041
感想・レビュー・書評
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宝石店の支配人が殺され、宝石やダイヤが盗まれる。怪しい人物はどんどん現れるのだが、絞れずに肩透かしを喰らう。
それにしてもクロフツの描く刑事、穏やかで紳士的…これと言った特徴のないフレンチ警部には親近感を抱いてしまう。失敗しながらもコツコツと犯人に近づいていく姿に、一緒に歩いているような錯覚さえ覚える。期待通りの一冊。 -
2018/10/18読了
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糸口が見つかったと思えば、ふつりと途切れてしまう。
ひとつひとつの手がかりやミスディレクションが魅力的で、最後まで引き込まれる。
夫人に相談するとひらめきがある、というほほえましい一面も。
交通も通信も、今より不便なところなど時代を感じるが、内容は時代を超えた面白さ。 -
1925年発表
原題:Inspector French's Greatest Case -
宝石商の支配人が殺され、ダイヤが盗まれた。金庫の鍵は1つは銀行の金庫の中、もうひとつは社長が肌身離さず持っている。
さて、犯人はどうやって鍵を手に入れたのか?
トリック暴きを主においた本格もの。
決して頭のいい法ではないというフレンチ警部が足を使い人を使い、地道に捜査を進めていく。
捜査というのは結局迷路の間違った道を塗りつぶしていく作業なんだなと思わせる作品。先は行き止まりになっていて犯人に行き着くという意味では徒労に終わるのだけど、その過程を追うことで読んでいる側も捜査を追体験できる。
途中、一人の女が捜査線上に浮かび上がり、その正体を追うあたりから俄然物語に動きが出てくる。
暗号解読あり、追跡劇ありでそれまでと雰囲気が一変する。そこもまた面白い。
ありがちだけど、共犯者が意外かな。面白かった。 -
小さな事件に思えたのに、確かに「最大」の事件に展開していく。行き詰まりながらも、しらみ潰しに一歩ずつ前進していくテンポが特に後半に入ってから良かった。
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フレンチ警部もの。事件としては、普通のやつなので、なんとなく犯人はわかるのですが、実際わかるのは警部が謎解きをしてから。本格ファンには少し物足りないかも。それでも、本格ファンじゃなかったら、犯人が現れたときには、びっくりするかも。決して悪いとはいえないし、よいともいえないと思う作品でした。