- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488106058
感想・レビュー・書評
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相手の正体と目的がわからず襲われる、チェイン氏の冒険はスリリング。が、フレンチ警部が出てからの方が、ぐっと面白くなる。彼の魅力は大きい。登場が遅かったのは、少々残念。
暗号はメインではなく、ミステリよりもサスペンス色が強い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1926年発表
原題:Inspector French and the Cheyne Mystery -
まさに古き良き時代。井上勇の訳がまた時代を感じさせる。現実感はまるでないが、これはこういう物語なのだと思って読めばそれなりにおもしろい。フレンチ警部お得意のアリバイ崩しは出てこないで、しいていえば暗号物ということになるのだろうが、その暗号も物語の最後の方でやっと実物の絵が出てくるくらいで、その解読が主題となっているわけではない。そういう意味ではミステリというよりサスペンスといったほうがいいだろう。
実際、前半のかなりの部分は謎の文書をめぐるチェインと悪党どもの活劇(という古い表現がぴったり)で、そこにメリルという勇敢な若い娘の協力者があらわれて、2人で悪者に立ち向かうという筋書き。フレンチ警部が登場してからも頭というよりは地道な足での捜査が主体で、悪人どもの行方を追いかけ、最後は絵にかいたようなハッピーエンドでめでたしめでたしと。最後の富の分配とかこんないいかげんでいいのか、など細かい点に目くじらを立てるほどの作品ではないだろう。でも「復刊フェア」で大々的に復刻するほどのものでもないような。
クロフツのフレンチ警部物も何を読んで何を読んでないのかもうわからなくなっている。クロフツに限らず昔読んだものはみなそうだ。読書ノートなどという気の利いたものはつけてないしな。年に100冊読むとして30年で3000冊。憶えきれないよ。 -
フレンチ警部シリーズの第2作目であり、前作と違い冒険物の 話しになっている。フレンチ警部が 暗号解読に自信を持ってしまっている所が笑えてしまう。前作に比べて、アリバイ崩しがないのは物足りない。また、チェインがあまりに騙されすぎる。メリルは3週間もギャング達に捕まったまま殺されずに生きていたのは、 説明はされているが、うなってしまうものがある。 まあ、最後は2人が結婚してハッピーエンドなので 良しとするか。