殺人者はへまをする (創元推理文庫 106-17)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488106171

作品紹介・あらすじ

人殺しはへまをする-とフレンチ警視は言う。しかし犯罪者が失策をしでかさなければ未解決の事件が山を成し、フレンチは体がいくつあっても足りないだろう。万全を期したはずの犯行はいかに看破されたか。完全犯罪の夢破れた二十三編の、自業自得ながらも気の毒な敗北の記録から得られる教訓は、犯罪は引き合わない、とりわけ優れた捜査官がいる場合には、ということであろう。

感想・レビュー・書評

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  • 『古い銃』
    依頼人の財産を横領したリチャード・ウェスト。依頼人の再婚相手チャールズ・ロウから財産の確認を迫られ自殺を装った殺人を計画する。

    『絶壁の道』
    恋人であるアンに飽き新たな恋人ビーと財産の為に殺害を決意するパーカー。殴打し絶壁から投げ落とし彼女の家で一度帰宅したように偽装する。ドアの取手に残った指紋。

    『かかった電話』
    自分の会社に対する裏切り行為を知り強請りをかけて来たハッバードを殺害するアーノルド・ワイルド。レストランにかかってきた電話でアリバイを偽装する。

    『下のアパート』
    事務所の金を横領したクロファード。彼の犯罪に気が付いたフォレスターを殺害したクロファード。鍵穴からのぞいて死体を発見したと証言したクロファードのミス。

    『軍用トラック』
    金持ちの叔父であるジョン・トロッターを殺害するウィリアム。軍用のトラックにひかれたように装うが・・・。フレンチ警部が気づいた被害者の上着についていた泥。ウィリアムの体に残された証拠。

    『病弱な大佐』
    隣人であるパタスン大佐の妻と恋に落ち大佐の殺害をたくらむモウルズワース。大佐が従軍した作戦の話を聞きながらの殺害。アリバイに利用されたレコードの録音に隠された謎。

    『隠された機関銃』
    自分にとっての厄病神であるシェパードを殺害するハーヴィー。ステン銃を使用した殺害。

    『狩猟舞踏会』
    カードでのいかさまがバレ、街からの退去を要求された冒険家スキフィントン。目撃者であるホルトを狩猟舞踏会の夜に殺害する。

    『貪欲な金貸し』
    友人であるベン・アイザックスに金を借り激しい返済要求に苦しむチャールズ・マラリー。アリバイを作りアイザックスを殺害するが・・・。

    『夜の訪問者』
    ある相続人から新しい遺言を破棄するように依頼され承諾した弁護士マーチン・レゲイト。その事実からキャノンに強請られる。夜の訪問での殺害。キャノンの持つ2つの眼鏡の秘密。

    『熱心な兎飼い』
    隣人グレーの妻ミュリエルと恋に落ち彼の殺害を計画するチャールズ・ハウドア。写真に写した時計をアリバイに利用するが・・・。写真に写った蔭に隠された秘密。

    『酒屋の隠居』
    金持ちの伯父エビザニー・ダットンを殺害するフランク・クルーズとノラ・スオコット。消音銃で頭を撃ちぬき2丁目の銃で発砲するノラ。2丁目の銃の秘密。

    『国防市民軍の塹壕』
    1年前に失踪したアリス・ベルの遺体が塹壕の中で発見された。恋人ファウラーと妹リリー、リリーの婚約者サルマンに容疑が。月明かりにアリスを訪ねたファウラーのアリバイの秘密。

    『劇作家の原稿』
    殺害された劇作家アンブローズ・ホープ。消えた彼の原稿。ぬかるみに残された足跡の秘密。

  • 短編集でもクロフツの面白さは変わりません。
    むしろ倒叙が第一部のほうでたくさんみられるので
    アリバイ崩しを味わい人には間違いなくお勧め。

    第2部はフレンチ警部自身が赴いた事件。
    中には一見すると事故死?と思われるのが
    結構あります。

    しかし見せかけはフレンチ警部には
    通用しないのです。

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著者プロフィール

フリーマン・ウィルス・クロフツ(Freeman Wills Crofts)
1879年6月1日 - 1957年4月11日
アイルランド生まれ、イギリスの推理作家。アルスター地方で育ち鉄道技師となったが、40歳で病を患い入院。療養しながら記した『樽』を出版社に送ったところ採用、1920年刊行。名声を博し、推理作家デビューとなる。50歳まで本業の技師を続けながら兼業作家を続けていたが、体調悪化で退職して作家専業に。その後、英国芸術学士院の会員にまで上り詰める。
本格推理作家として、S・S・ヴァン・ダイン、アガサ・クリスティー、エラリー・クイーン、ディクスン・カーと並んで極めて高い評価を受けている一人。代表作に前述の『樽』『ポンスン事件』、フレンチ警部シリーズ『フレンチ警部最大の事件』『スターヴェルの悲劇』『マギル卿最後の旅』『クロイドン発12時30分』 など。

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