- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488106195
作品紹介・あらすじ
英国本格派の雄クロフツが満を持して発表した、アリバイ破りの名手フレンチ警部のめざましい業績を綴る21の短編を収めた作品集。「いずれも殺人事件であって、しかも、犯人は必ずまちがいをして、そのためにつかまっている。そのまちがいに、読者が事前に気がつけば読者の勝ち、気がつかなかったら、筆者の勝ちというわけである」(まえがきより)と、読者に挑戦状を叩きつける。
感想・レビュー・書評
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独身時代に何回も読んだ作品の再読。
コロンボ方式で、最初に犯罪が行われており、それを解き明かすフレンチ警視…という短編集。いろんな動機でいろんな殺害方法があるんだけど、結局は欲望のままに殺人に走る。でもやっぱり殺人者は様々なミスをするのです。それを解けますか⁇と読者に挑戦してくる話でもあります。
ぶっちゃけみんな同じ話といえばそうなんだけど、たくさんあってなかなか良いお話もあるのです!
なんといっても60年近く前の作品なのに色褪せない!大好きな作家さんです☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
倒叙のファンにとっては
たまらない作品集。
ただし普通の人には犯人の羅列に
しか見えないかもしれません。
面白いのは「殺人者はへまをする」と違って
女性の犯人が出てくること。
ただ1つは従犯です。
残りのひとつは印象に残るぐらい
悪女ですよ。
怖さすら感じました。 -
全部同じ話に思えた
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フレンチ警部の口癖だよ。
「複雑な犯罪というものにはかならずといっていいくらい、
その全体を暴露してしまうようなつまらぬミスが
あるということを示すものなんだね」
まぁ、これはクロフツ先生のさじ加減ひとつ、
と言うこともありますがね。
今回のこの本は20編くらい納められているだけあって、
一つ一つが短い。
ある人が殺人を思いつき、
ある意味必然的にクロフツ警部に会い、
(出かけた先、休暇中と言う場合もある)
そして、逮捕。
次々と事件が起こるので
あまりにもたくさんの人が諸問題の解決方法に
殺人を選ぶのも、なんだかな~と思ったのと、
(そういう小説、なんですがね)
ちょっと同情できる犯人でも容赦なく逮捕となるから、
そこが、ホームズとは違って、ね。
まあ、フレンチ警部は所詮(?)
ヤードの雇われ人ですから仕方ないですが…。
やっぱり中編、長編になった方が面白い作家のような気がした。
気軽にフレンチ警部の活躍を読めるというのはよかった。
しかし、伝達手段も、交通手段も発達している
今のような時代は、
完全犯罪と言うのは、難しいね…。 -
謎解き役にフレンチ警部を配し、犯罪の様々な場面で起こる「致命的なミス」を暴いていく。短編21篇を収録。
事件に到る過程はさまざまあれど、動機は金か色なのね。
今読むと笑ってしまうようなくだらない謎解き(死体の傷が死後ついたものであるとわかってアリバイが崩れるとか)もあるけれど、どれもこれもきちんと筋道だった推理がなされていて楽しめた。
クロフツは読者に謎解きの手掛かりを必ず与えてくれているので、じっくり読むと犯人の犯したミスが分かる。
でもその手掛かりは本当に些細で、しかもさりげなく提示されているので気をつけていないと読み逃してしまうんだよね。
考えながら読んで、謎解きされてから相当箇所を探して再読して、なんだか1冊で2度美味しい本だった。