- Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488106294
感想・レビュー・書評
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敵の多い証券会社社長の死。自殺と思われたが、フレンチ警部は殺人を視野に入れ、地道な捜査を展開する。複雑な家族関係や社長の誘拐事件など、様々な要因が絡まり、捜査は遅々として進まない。フレンチ警部と一緒に辛抱強く歩いているような錯覚を覚える。見当違いや無駄足もあり、臨場感が十分感じられる。
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証券業界の大物ハリスンが、シグニット号のキャビンの中で殺されていた。事件は自殺として一旦処理されるも、他殺の疑いが出てきて…。
うむむ。クロフツ読むの3作目なんですが(『樽』と『クロイドン発12時30分』が既読)、イマイチまだこの作家の持ち味が掴み切れない。
前半の秘書視点は楽しく読み進んでたのですが、クロフツ視点になってからは、クロフツの「犯人の行動を推論し」、「その裏付けを取るために捜査する」、の繰り返しで、時々壁にぶつかっていたりと、ちょっと捜査が迷走しているようにも見えたり…。どうやら『地道に足で捜査する』を描いている結果こうなっているって事で良いんですかね。(あと地方都市が舞台なのでトラベルミステリーっぽい雰囲気も)
とりあえず、まだ何作か読んで、もう少しこの作家さんを知ってみようとは思います。
ところで、前半の事件の関係者視点から一転、後半はクロフツ視点になったとたんに影が薄くなってしまった(というか、完全に消えてしまった…)、あの秘書の『その後』が気になって仕方がありません! ハリスンの家族のその後なんてどうでも良いから、彼のその後を…(笑) -
一見すると普通の事件、と思いたいことでしょう。
実際定石どおり犯人は複数なのですが…
ところが、ちょっと毛色が違うのは
事件が実は複数絡んでいるのです。
しかも一見したらつながっているとしか見えないのに…
犯行はクロフツの作品どおり
結構凝っています。
化学反応をフルに活用していたりと
非常に飽きの来ないつくりです。
フレンチの落ち込みは控えめでしたが
冗長な展開ではなく
良作でした。