黄色い部屋の謎 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (1965年5月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (386ページ) / ISBN・EAN: 9784488108014

感想・レビュー・書評

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  • フランス人は「悪の英雄」というのがどうも好きらしい。その最たる代表はルパンであるが、本作も希代の詐欺師パルメイエなる者を設定し、犯人に仕立て上げ、しかも逃がしている。
    従ってそういった一種特別な技能を持った人物を想定する事で、衆徒環視の下での人間消失とか、密室犯罪だとかの魅力ある不可能事象が作者の御都合主義の下に制御され、興醒めである。

    本作のメインの謎の真相が詐欺師の早業だとか被害者の悪夢による狂乱事だったとは…。
    果たして本作の歴史的地位というのは一体何に起因するのだろうか?誰か教えてくれ!

  • ミスリードならぬ、めちゃくちゃな展開で“密室”の謎を構築させて、
    真相は…?

    有名なミステリー古典作品でずっと前から気になっていました。
    読みにくいことはなく、謎が謎を呼び転げ落ちるような感じで
    読み進め、「なるほど、世界十指に入る謎とは…」

    現在、溺れるばかりの溢れかえるミステリー小説の中で、
    トリックやら密室の真相やら奇想天外のモノを数々見てきている
    つもりの私にとって・・・
    期待もむなしく、密室の謎も「え!?」
    読んでおいて損はなかったですね。

  • 『森博嗣のミステリィ工作室』から。
    意外と読みやすい。
    名探偵vs名探偵の推理対決。密室トリック。犯人消失トリック×2。意外な犯人。
    ミステリーとして読み応え十分。
    個人的には最初の20ページまでに、事件の謎を提示しているのが好印象。
    おかげで、すんなりと物語に入っていけました。

  • 密室のトリックは具体的にイメージすると正直コメディだけど、これ以前が「モルグ街の殺人」とか「まだらの紐」だと思えば、確かに画期的か。主人公は17歳らしさが足りないのが惜しい。完全におっちゃんとして脳内再生されてた。

  • 綾辻vs京極vs辻村対談で、綾辻&辻村両先生が最初に読んだ本格ミステリとのことで読んでみた。
    もともと訳書が苦手な上に、初版1965年ということもあって読むのに結構苦労した。
    ケチらず最新版買って読めばよかったかな…
    「読む時期によってはハマる」との綾辻談の通り、高校生くらいまでに読んでたらどハマりしただろうなーと。
    あまり古典は読んでこなかったので、これを機に色々読んでみようかなと思う。

  • 密室ものと言えば、必ず名前が上がる一冊。
    個人的には、若いうちに(笑)読んでおきたい一冊。

  • 3
    密室と小生意気な若者と後出しジャンケン。
    本作が百余年前に発表された密室クラシックであるというだけで十分称賛に値するが、そうでなければ取り立てて誉め讃えるところはない。推理小説としては逆に欠点が多く目につくが、時代性というか、フィクションの妙というか、勢いがあるわけでもないのに、何となく雰囲気で押し切っているあたりは力技であり、微笑ましくもある。

  •  密室ミステリの古典作品。なわけで、最初のほうに読まないと、拍子抜けするやも。

  • とりあえず探偵にイラっとしたw

  • 名作なのか?チョッとそれは無いんじゃないか?
    期待しすぎたのかもしれないけど密室ミステリーってそれで良いの?
    なんか唐突すぎるような気がする。期待しすぎたか。

  • 十角館の殺人に出てくるニックネームの作家の作品を読んでみたくて購入しました

    だいぶ昔の本なので、字が小さい小さいw
    読むのが大変でした

    これ、部屋が黄色なことには、なんにも意味ないってこと…?

  • 古典ミステリに疎い自分でもタイトルを知っているほど有名な作品。有名なので、ぶっ飛んだトリックが出てくるのかと思ってた。しかし、正々堂々とした好印象な作品だった。 現代ではあり得ないのも、趣があって良い。

  • 横溝正史の本を読んでいて密室の古典だよ、とあったので興味を持って図書館で借りてみました。正直ラストにええっ?という感じでした。そして少し描写がくどいなあとは思いましたがトリックはさすがになるほどと思いました。

    それにしても彼が犯人と言うのはちょっと卑怯…というかびっくり。彼女の過去は何かありそうだなあと思っていたのでそれほど驚きもなく読んだのですが続きで補完ってのはずるいですね。でも続きは彼女の過去の秘密をえぐるだけになると思うのであまり読む気にならないなあ…。私は犯人
    にちょっと同情。もう少し早くに連絡取り合えば良かったのになあと読み終わった後思いました。

  • 物語の結末が非常にルパンっぽいと思ったらモーリスルブランもガストンルルーもフランス人作家なのね。半世紀も前に書かれた作品なので捜査方法や心理的なものに時代を感じざるを得ないが、それ以外はまるで色褪せていない…はさすがに言い過ぎだけど、3つある謎の内、タイトルにもなってる黄色い部屋の謎のトリックは秀逸です。

  • 密室トリックにはあまり感心しなかったが、廊下での犯人消失トリックのほうが面白かった。

  • オペラ座の怪人は、最初は音楽で、次に映画で、最後に原作を読みました。

    映画の印象が強いので、原作をしっかり消化できたように思えなかったので、
    ルルーの他の著作を読もうと思って、この本を手に取りました。

    ミステリーがすごく好きという訳ではありませんが、
    オペラ座の怪人よりは、容易に読み進むことができました。

    文学者で、映画化で脚光をあびるものがいろいろありますが、
    オペラ座の怪人は、その筆頭かもしれません。

    こうやって、他の著作の方を満足してしまう読者がいるのですから。

  • 古典ミステリ。ガストン・ルルーはこれで3作目。
    今読むと大分読みづらさもあるけれど、なるほどなぁと言った感じ。
    やっぱりちょっと誰も彼も身振りが大袈裟というか、時代だなぁとしみじみ。

  • ガストン・ルルーの代表作という事らしい、オペラ座の怪人しか知らなかったので読んでみました。
    古典なので読みづらいと思ったら翻訳者さんが良いのかまだ読みやすいほうですね(✿´д`)
    読み物としてはミステリーとして導入がそそるので入りやすいんですが、
    気持ちがノってくるまでがちょっとかかりますね。
    密室の謎だけではなく物語を紐解いていく様子は名作と言われるだけあって見事ですね!
    今でこそ推理物が乱立してる中で100年前の作品でこの内容なら素晴らしいと思います!

  • 1世紀以上たった今でも「密室」最高峰といわれるのも納得です。若い探偵ルールタビーユと名探偵ラルサン二人の謎解きに読者は惑わされる。
    父に薦められて読んだ作品。ミステリというものを知らなかった頃にその世界に引き込まれるきっかけになった(それほど衝撃を受けた)一冊です

  • フランスの著名な科学者・スタンガースン博士父娘が住む屋敷でショッキングな事件が起こった。内部から完全に密閉された部屋で令嬢が襲われ、犯人は忽然と消えていたという。世間的に話題となったこの謎に取り組むべく、敏腕新聞記者のルールタビーユは屋敷に乗り込む。密室トリックの驚くべき名作!という定評に惹かれて手にしたこの本。(以下ネタバレ含むため、未読の方はご注意)第1の黄色い部屋の謎は、女性が何者かに絞殺未遂・強打されたにも関わらず部屋には女性の他に誰もいなかったという密室トリック。ドイルの「まだらの紐」を引き合いに出したりしながら、この部屋が内側から鍵をかけられ蛇の通る穴もなく蠅一匹出られない完全な密室であることが強調される。これじゃ脱出は不可能(あきらめ早っ)、一体どんなトリックなんだー!と未解決のまま、続いて悲劇が起きてしまう。第二の不可思議な廊下の謎では、T字型の廊下の3点の端に人を配置して犯人を挟み撃ちするが、交差点まで追いつめたところでの突然の人物消失トリック。これまたキツネにつままれた様な謎。これらの謎が解き明かされるのはラスト、誤認逮捕された令嬢の婚約者の裁きが行われている法廷内にて。さんざん焦らされた(3時間も待たされた)挙句、判明した第1の黄色い部屋の謎は…令嬢の虚言(&寝言)かいっ!ちょっとがっかり〜。まあ、心理トリックのひとつにはなるのか。うーむ。第2の人物消失の謎のほうは早変わりの技を使ったにしても、まだトリックとしては納得がいく。一番納得がいかないのは、3時間も法廷での審議を中断させて時間稼ぎをしルールタビーユが犯人を逃がしたこと。いくら令嬢の秘密のためとはいえ、あんな詐欺師の極悪人を放ったら、必ずまた新たな被害が出るであろうことは目に見えてるのに…(不満)。「意外な犯人」という点では評価できるが、ちょっと裏技的。作者は「ドイルやポー以上の怪事件を考えだした」と自信満々だったようだが、この内容ならもう少しメロドラマ的な要素を削ってトリックをシンプルに味わえたほうが面白かったはず。少なくてもドイル以上とは思えない(ひいき目もあるけど)。

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著者プロフィール

Gaston Leroux(1868-1927)
パリ生まれ。「最後の連載小説家」と称されるベル・エポック期の人気作家。大学卒業後弁護士となるが、まもなくジャーナリストに転身。1894年、《ル・マタン》紙に入社し司法記者となり、のちにこの日刊紙の名物記者となる。評判を呼んだ『黄色い部屋の謎』(1907年)を発表した年にル・マタン社を辞し、小説家として独り立ちする。〈ルールタビーユ〉〈シェリ=ビビ〉シリーズの他、『オペラ座の怪人』(1910年)、『バラオー』(1911年)等のヒット作がある。その作品の多くは、演劇、映画、ミュージカル、BDなど、多岐にわたって翻案されている。

「2022年 『シェリ=ビビの最初の冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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