- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488108021
感想・レビュー・書評
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「黄色い部屋の謎」の続編。マチルドとダルザック教授は結婚したが、新婚旅行の旅先でラルサンの影を見る。ルルビターユの出生の秘密も冒頭で語られる。
恋愛小説か?と思わせるような雰囲気も。しかし1909年の小説なんだなあ、という時代感も。いくら変装したとはいえ、見破られないものなのか。直訳っぽい文体がちょっと読みずらい。また説明も過剰な感じで、100ページ位まではちゃんと読んでいたが、以後は飛ばし、最後の種明かしを読んでしまった。
1909発表 フランス
1976.3.19初版 1977.9.23第3版 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作『黄色い部屋の謎』で “黒衣婦人の香り” が謎のまま残されたが、前作の登場人物(死んだはずの犯人までも)を丸ごと引き継いだこの続編で、大驚愕の秘密が明かされる。〝こんなの有りか!〟の〝まさか、まさか!〟の真相解明編。これを知るだけでも読む価値が有るかも。フランスの誇る大メロドラマの情念を投影した本作は、前世紀初頭に大好評を得たようだが、今日では好事家のみが興味を示す読み物と言うのも頷ける。
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『黄色い部屋の謎』の続編です。前作で謎のまま残っていた『黒衣婦人の香り』が気になったため、読みました。
本作では、死んだと思われていた悪党ラルサンが、マルチドたちの周りに再び現れます。そして、彼らが滞在していたヘラクレス砦で、≪余分な肉体の袋≫というおそろしい悲劇が起こってしまいます。ラルサンは誰なのか、袋に入っていた人物は誰なのか、謎をまたルールタビーユが解決します。
前作と比べると、謎解きミステリの要素だけでなく、登場人物たちの繋がりや感情の動きについて書かれている部分が多いように感じました。ルールタビーユの過去に関わる『黒衣婦人の香り』も明らかにされています。 -
新聞記者ルールタビーユものの第2作。
前作『黄色い部屋の謎』を前提にストーリーが進むので、読む順番を間違えると一体何がなんだか……になってしまうのが欠点か。また、『黄色い部屋の謎』に比べると、論理性よりも情緒的な比重が大きく、続編でありながら作品の雰囲気がかなり異なっている。
どうも長らく品切れのようだが(但し古本屋では割と見かける)、やっぱりテイストの違いが理由だったりするのだろうか? -
一応の読了・・・・・・というのは、話の筋道をつかんだだけだからです。
まず、この本は、同氏の「黄色い部屋の謎(http://booklog.jp/item/1/4488108032)」という作品で残された謎から始まる物語です。ですから、前作を読まないとなにがなんだかわからないことは間違いありません。
ルールタビーユとバルメイエ、そしてルールタビーユの思い出に刻まれた黒衣婦人、この三者の因縁はどこへたどり着くのか。
・・・ 以下は自分用メモ ・・・
○前作との関係でこの本をとらえると、こちらは前作よりもかなり感情的で、人間の物語というべき内容になっています。末尾にある広告欄をみても、前作のジャンルは「本格」なのに、この作品は「スリラー」になっています。
○ルールタビーユの理性全開の推理のみを期待する方にとっては、感情的な描写は冗長そのもの、うんざりされるかもしれません。
例えば、前作では無駄のない立ち回りをみせていたルールタビーユも、自分の存在にまつわる大問題のなかで極めて感情的で迷いのある人物になっていますし、前作でも語り部だったサンクレールも、今作では猪突猛進というか、はっきりいって愚直な一面をみせています。
○とはいえ、ミステリーもしっかりあります。とりわけ大きな謎は、物語全体をつらぬく「バルメイエはどこにいるのか」という謎と、もう一つは「余分な死体」という謎。
○ルールタビーユの考え方は面白いです。僕などは、はじめから「こいつ怪しいな!」と思いながら読んでいたので(その勘は当たっていました!)、ルールタビーユに叱られることは間違いありません。彼にとっては、正しい理性がもたらす論理が物的証拠の存在を説明するのであって、物的証拠の存在から論理を導くべきではないし(これは前作のラルサンのやり方ですね)、まして経験的な判断(”こいつ怪しい!”という判断)から出発してそれを論理的に正当化するような方法は決して認めないでしょう。
というわけで、ルールタビーユさんごめんなさい。あなたの論理的世界には全くついていけませんでした。とほほ。
○ちなみに、続編として"Rouletabille Chez le Tzar"、そして"Le Chateau Noir"、"Les Etranges Noces de Rouletabille"の二部作、さらに"Rouletabille Chez Krupp"など八篇のルールタビーユものがあるとのこと。ところが、これらの作品は解説いわく「顧みられていない」とのことで、残念ですね。 -
変装した犯人の招待は面白かったけど、ベルニエおやじの死の真相はずっこけた( ̄◇ ̄;)えーーと、これでこのシリーズって終わりなのかな?
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北村薫さんの「ミステリ十二か月」にあった黄色い部屋の謎つながりで読みました。が、途中で…
私にとっては、学生の時みたいな情熱というか、集中力が必要な作品でした涙 -
前作「黄色い部屋の謎」にあった、黒衣婦人の香りというキーワードがあり、それが気になり、この作品に。
古い本なので読むづらかったが、黒衣婦人の秘密の判明し、すっきりした。
どんでん返し的な展開だがこの時代なら、ありえるのかな。