- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488110048
感想・レビュー・書評
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短編集。「ブラウン神父の秘密」「大法律家の鏡」「顎ひげの二つある男」「飛び魚の歌」「俳優とアリバイ」「ヴォードリーの失踪」「世の中で一番重い罪」「メルーの赤い月」「マーン城の喪主」「フランボウの秘密」の十編を収録。
実はブラウン神父もの苦手だったのです。というよりか、チェスタトンの文章が苦手というか、そういう印象がこれまでの作品を読んでいてあったのですが、今回読んでみてそんなことないと思いました。むしろ、シーンがはっきりしていて読みやすかったです。もっとも、わからない部分も多々ありましたが……。
特に各最後の神父の発言は、宗教上のものだからなのだと思うのですが、少々理解できない箇所があって、余韻がいまいちでした。もっと煎じ詰めればいいのかもしれませんが。
作品の内容としても、ブラウン神父らしい作品ばかりでした。そのあたり解説に書いてあったのですが、ああなるほどと思いました。早業だったり、その人間の行動だったり、着眼点が鋭い。
ブラウン神父が好きになる作品集でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
チェスタトンのブラウン神父もの、第4編。なぜか第3編をすっ飛ばしてしまいました。
前に『ブラウン神父の童心』や『ブラウン神父の知恵』の書評でも書いたかもしれないけど、ブラウン神父ものは「注意深く読んでりゃトリックが分かる」といったジャンルではありません。もちろん解けるトリックもあるんだけど、原典が出版された1900年代初頭のイギリス文化や、その当時に常識とされていた風俗が理解できないと、そもそもヒントさえ掴めないような作品も多くあります。
ということで、チェスタトンの頭脳に挑戦しようと考えるより、推理小説の古典の一つとして娯楽として読む、というのが正解かと個人的には思います。 -
特に際立ったトリックはなかったな。