灰色の部屋 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488111038

感想・レビュー・書評

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  •  フィルポッツの初期長編。あのフィルポッツだからすべて傑作というわけでもあるまいし、まして初期の作品だからどうかな。歴史あるチャドランズ屋敷の通称灰色の部屋で昔から怪死事件が相次ぐ。現代にそんな怪異があるわけがないと試しに一夜を過ごした猛者が同じように次々と不審死を遂げる。さてその謎とはいかに。カーもかくやの不可思議密室ものだ。ロンドンから招聘されて乗り込んだ名探偵がその謎を解き明かすのかと思いきや、え、そうなるのという意外な展開。これどうやって納得のいく解決をつけるのだろうと読み進んだ結末は。ん~、脱力のとはいわないがこんなのありかー。これなら心霊の仕業の方がまだましだったのでは。全体のおどろおどろしい雰囲気や、当主レノックス卿の心の揺れなどの舞台の描き方はうまいが、さすがに古典という時代性を割り引いてもミステリとしてはお粗末だろう。

  • 本格推理小説のつもりで読んだけど、ビックリ。これは謎小説だ。もちろんイーデン・フィルポッツなので、ぐいぐい読ませる面白さなのだが、うーむ釈然とせず。それにしてもすごい作家だったのだなあ。

  • 買った記憶がないので恐らく貰い物か。『赤毛のレドメイン家』はなんとなく憶えているが、こっちは綺麗さっぱり忘れてしまっているので最早再読とは言えまい。そして、どうして忘れてしまったのかも読み直してみてよく判った。このメイントリックには怒り出す人もいるかもしれない。しかも謎を解明するのは求心力に欠ける老人である。けれどもちょっと待ってほしい。魅力的な謎の提示や展開の妙、鳴り物入りで登場した名探偵の呆気ない消え方等々、読みどころは幾つもある。メイントリック以外はなかなか素晴らしいのだ。傑作になり損ねた秀作。

  • 復刊していたので。読んで見ると確かに他のフィルポッツ作品に比べれば一度版が切れるもの仕方ないかなあ…という感じではある。ミステリとしては微妙なので、描写や人物の様子、討論の長さから当時の文化や思想を楽しむというフィルポッツのもう一つの側面を中心に読むの吉かと。

  • 2016/10/23読了

  • 東京創元社2016年復刊フェア書目。
    ミステリ作家として紹介されると同時に、一般文芸でも多くの著作があると必ず注釈がつくフィルポッツ。本書は一般文芸っぽい方のフィルポッツだった。確かに事件は起きるし、解決されるが、登場人物の言動の方が魅力的ではあった。

  • THE GREY ROOM by Eden Phillpotts (1921)
    これは何?ホラー小説?などと訝りながらも先が気になって読み急いだが・・・結末はかなり残念。それにしても、各登場人物の台詞はまるでいちいち演説を聞いているかのよう。あまりの長さに閉口するが、作者の持つ教養の幅の広さ、奥行きの深さには感嘆させられる。

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