- Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488118273
感想・レビュー・書評
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ミステリ。演劇。舞台。フェル博士。
事件現場は劇場だが、船上で始まる物語。
意外にも、森博嗣『恋恋蓮歩の演習』を連想した。
いくつものミスリードによって、なかなか予想外の犯人。
コミカルなシーンに恋愛要素もあり、読みやすい。
作品の舞台が、個人的に馴染みのない劇場ということで、見取り図があると、イメージしやすくてより親切だったかも。いくらなんでも贅沢か。
派手ではないが、かなりの良作だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久々のカー、しかも復刊ではなく新訳である。この前の『喉切り隊長』が結構面白かったのもあるし、フェル博士物でもあるということで期待したが・・・。
今回はカーネギー・ホールなどに代表される欧米の劇場が舞台ということでボックス席がどういう物かを漠然としか想像できなく、登場人物の行動の推移が何が何やら十全に理解できなかったことが大きい。
しかし、それだけでないのも確か。450ページ弱を要して殺人事件が1つ、しかもネタ的には短編小説並みのものでしかないというのが結構痛かった。最後の最後でトリックは明かされ、なるほどと思うが、450ページを引っ張るほどの魅力は無かった。
本筋から関係のない脱線気味の笑劇もあり、カーのサービス性がどうも悪い方向に働いたようだ。
なぜ平成の世になって漸くこれが訳されたのか?この問いの答えは様々だろうなぁ。 -
『三つの棺』同様、最後まで犯人もトリックも読めない、手ごわい作品だった。
しかしそれは、肝心の犯人探しから焦点がずれてしまっているのが一因のような気も。。。
とはいえ、長い間別居している夫婦の微妙な心理は、とても楽しく読めた。 -
2020/07/11読了
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フィル博士