- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488118341
感想・レビュー・書評
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フェル博士シリーズ9冊目、ギミック満載で興味津々の読ませる傑作▲爵位と地所を継いだジョン・ファーンリー卿は偽者だと主張する男が現れた。渡米の際にタイタニック号の船上で入れ替わったのだと▼もったいぶるのは探偵だけではない「いったいどちらが本物なのか」そして「あまりにも与えられた情報が少なすぎる」と言いつつ、すべてをさらうフェル博士。登場人物みな腹に一物あるようで、主張に思惑が感じられる。そのせいか二転三転、ペイジ君はスリリングな羽目に合いつつも、やはりロマンス展開、ラストはスッキリどっきり蝶番(1938年)
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2020/04/21読了
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4+
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久々にカーを読んでみた。んー、面白い。
英国ケント州の准男爵家の当主が突然死し、ごくつぶしの弟が米国から戻ってきた。土地と爵位を相続し一年がすぎたころ「本物の相続人は私だ」と名乗る男が現れる。はたしてどちらが本物なのか?
この謎がまずキャッチーで引きつけられる。そして、とうとう決着がつく!と思ったところで殺人事件が起こる。
この状況が、密室ではないけれども何人も証人がいる中庭で、実質的に密室。どうやって犯人は誰にも見られずに被害者を殺せたのか?おおお、これぞカーって感じ。
タイタニック号沈没事件をからめるメロドラマ性、呪いのからくり人形なんていういかにもカー好みの小道具(新訳創元推理文庫の表紙はこれ)が出てくるのにもにんまり。
クリスチアナ・ブランド『ジェゼベルの死』の解説で山口雅也が書いていたように、本格ミステリで大事なのは議論。本作では、フェル博士たちがああでもないこうでもないと議論して、ちゃんと可能性をつぶしていってくれるから話の流れがスムーズ。
で、肝心のトリックですが……いや、こりゃないっしょ~。反則ですよ。ズッコケちゃいました。でも本を叩きつけたくはならず、苦笑いして「ま、いっか」とつぶやく。カーには稚気があるから、どうも憎めない。巻末にはフェル博士シリーズ一覧表が載っていて便利。 -
1年前、25年ぶりにアメリカから帰国し、爵位と地所を継いだジョン・ファーンリー卿は偽物であり、自分こそが正当な相続人であると主張する男が現れた。
渡米の際にタイタニック号の船上で入れ替わったのだと言う。
やがて、決定的な証拠によって事件が決しようとした矢先、不可解極まりない事件が発生した!(あらすじより)
なんとか読み通した…