髑髏城【新訳版】 (創元推理文庫)

制作 : 和爾 桃子 
  • 東京創元社
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本棚登録 : 67
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488118396

作品紹介・あらすじ

ドイツ・ライン河畔に聳える奇城〝髑髏城〟。城の持ち主であった稀代の魔術師マリーガーが、走行中の列車内から身を投げてから十七年が経った。そして今、城を継いだ男が火だるまになって胸壁から転落、凄絶な最期を迎える。魔術師の遺産を共同相続していた富豪から依頼を受けて、予審判事アンリ・バンコランは死の影が漂う城へと捜査に赴く。そこで彼は、ベルリン警察の主任捜査官にして好敵手フォン・アルンハイム男爵と邂逅を果たす――。古城を舞台に火花を散らす仏独二大名探偵の推理、新訳決定版。解説=青崎有吾

感想・レビュー・書評

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  • ディクスン・カーの第3作目とのことです。
    相変わらずカーお得意の怪奇趣味と不可能犯罪が冴え渡る作品となっています。
    今回のお題は、髑髏に見える古城での焼身場面をライン川の対岸の別荘から目撃したというシチェーションの謎です。これにかつて髑髏城の持ち主だった魔術師マリーガーの謎の死亡事件が加わります。
    謎を解くのはご存じ、フランスはパリの予審判事”魔王”アンリ・バンコランです。
    もうこの組み合わせだけでわくわくしてきちゃいますね!
    そして、バンコランのライバルとして登場するのは、ドイツの誇る主任判事ジークムント・フォン・アルンハイム男爵です。
    全体の雰囲気が重苦しく重厚に描写されているので、否が応にも小説の世界に深くハマり込んでいきます。ただ、訳者があまりにも意識し過ぎたためか、日本語訳としてはかなり大仰な表現の箇所がいくつもあり少し読みずらい部分も多々あるのですが、その内、気にならなくなりました。
    重厚な雰囲気に見合った髑髏城という大掛かりな舞台装置が用意されていて、別荘に滞在する容疑者たちもそれぞれが怪しい言動を行うので、ますます気分も高まっていきます。ただ、重厚な雰囲気を盛り上げるための描写として、時折、滞在客のバイオリニストが演奏を行うのですが、曲目といえば『アマリリス』であったり『ハンガリー舞曲5番』であったりして、これって、むしろ逆効果の癒し系とか楽しい音楽なんじゃ・・・!?(笑)
    こうした雰囲気の中で行われるバンコランとアルンハイム男爵との知恵比べというか会話の駆け引きについては、大いに魅せられました。ただ、ここまでしてライバルを煽っておきながら、ラストのアルンハイム男爵の取り扱いにはちょっと納得がいかなかったですね。(笑)
    終わってみて、冷静に考えれば、えーっ!という設定もあるにはあるのですが(第一、あの状態で果たして担ぎ上げれるのだろうか・・・?)、これも全て大掛かりな舞台装置と雰囲気の中で何となく了解できたとも言えます。(笑)
    カーの魅力が味わえる一作といって良いでしょう。

  • 本格ではなく怪奇寄りの内容。新訳ということだけど文章は読みづらかった。おそらく原文のせいだろう。

  • バンコランシリーズ。そして好敵手のアルンハイム男爵との推理勝負も読みどころ。一冊で二度おいしい解決が楽しめました。一瞬「バンコラン解決しないのかよっ!?」って思ったし(苦笑)。
    タイトルからしてもうこれは魅力的です。禍々しさ限りなし。元城主である魔術師の謎の死、そして今の城主もまた不可解な死にざまを遂げることに。かなり怪奇的雰囲気もありながら見栄えのする事件ですが。真相では、予想もしなかったところでおぞましい真実を知ることに……うわあああ、これは嫌すぎる。とんでもなくぞっとさせられました。

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著者プロフィール

John Dickson Carr

「2006年 『幻を追う男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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