白い僧院の殺人【新訳版】 (創元推理文庫)

制作 : 高沢 治 
  • 東京創元社
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本棚登録 : 35
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488118464

作品紹介・あらすじ

ロンドン近郊の由緒ある屋敷〈白い僧院〉でハリウッドの人気女優マーシャ・テイトが殺害された。周囲は百フィートにわたって雪に覆われ、発見者の足跡以外に痕跡を認めない。事件前マーシャに毒入りチョコレートが届くなど不穏な雰囲気はあった。甥が〈白い僧院〉の客だったことから呼び寄せられたヘンリ・メリヴェール卿は、たちどころに真相を看破する。江戸川乱歩が「カーの発明したトリックの内でも最も優れたものの一つ」と激賞した本格ミステリの名作。

感想・レビュー・書評

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  • 新訳のおかげかとても読みやすかったです
    密室の謎も含めた「だれがどうやって」というミステリの醍醐味が明快に解かれていて、とてもシンプルに楽しめました。しかし、血の跡が少しでも雪の上に落ちなかったんだろうかとか、少し気になりましたけれど。

  • 新訳版が出たので再読。多分、新訳で多少読み易くなっているのだろうが、カーの作品は元々読みづらいので、これも読了に手間が掛かった。
    それを別にしたら、この作品はカーの著作の中でベスト3に入る傑作だと思う。「足跡の無い殺人」トリックと、正統な犯人当ての両方楽しめた。カーのトリックは誤魔化し気味なのが多いけど、今作はシンプルであるがズルく無い。そこが素晴らしい。犯人当ての伏線もカーにしては多い方だったし(笑)、うん、面白かったな。

  • 2019年 名作ミステリ新訳プロジェクト第6弾。ヘンリ・メリヴェール卿物の長編。
    雪の中に残された足跡(『足跡のない密室』系)の名作として有名すぎるほど有名なこの作品、旧訳を大昔に読んだ筈ですがすっかり内容を忘れていてとても新鮮に楽しめました。クセのある登場人物達と次々に起こる事件からテンポ良く話が進み、カーらしいヒーローとヒロインのロマンスも若干絡めつつの見事な伏線の散りばめ方でございました。
    今回新規に追加された(?)図も良かった。あの描写だけではイメージの湧きにくい位置関係の理解が捗りました。

  • 結構まともに読める。旧版はPDF化してあるはずだが…

  •  最初は、登場人物の説明が長くてわかりにくくて辟易したが、実際に事件が始まってみると、テンポよく物語が動き始めて気持ちがよくなってくる。特に探偵役であるHMが登場すると、令によってユーモラスな雰囲気も漂ってきて楽しい。

     大きな謎がどんとあって、その周りに細かい謎がちりばめられている感じは、なんだかとてもオーソドックスで、今となってはかえって魅力的だ。その謎のシンプルさも良い。解決方法がいくつか提示され、否定されていく構成もスリリングである。

     肝心の大きな謎の解決は、この頃の作者の作品によくある「言われてみれば、なあんだ」という大胆というか、シンプルなものなのだけど、こういうのをいくつも発明した作者の手腕がすごいと思う。たとえば、メイスンもののガードナーなどは、こういったことをずいぶん作品に取り込んでいると思うんだけど、ごちゃごちゃしすぎで「なあんだ、でもなんでそれに気づかなかったんだろう」ってあっけにとられることは少ない。このあたりの大胆さが、実はこの作者の気持ちよさのような気がする。

     実は、不可能犯罪の解き方と同じくらい、HMの振る舞いの裏話の方が個人的にはおもしろく、「あのわけのわからない指示や行動の裏には、、、」というのが実に興味深く、また僕自身すっかりとだまされたりして愉快だった。最初の取っつきの悪さはいただけないが、さすがに名作を言われるだけのことはある作品である。

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