ハリー・クバート事件〈上〉 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488121044

感想・レビュー・書評

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  •  33年前に失踪した少女の白骨死体が偶然発見され、当時関係の深かった有名作家ハリーに嫌疑がかかる。それを晴らすべく奮闘する弟子の新進作家マーカス。田舎町オーロラの住人たちを巻き込んでのドタバタ劇は二転三転し、思いもよらない結末になだれこむ。とにかくテンポがよくぐいぐいと引っぱられる。途中に挟まれるマーカスとハリーの学生時代のエピソードは、直接事件とは関係ないようにみえて二人の関係やサブテーマというべき作家の苦悩と成長につながるものであり、場面転換の効果もあいまって重要なピースとなっている。ユーモアたっぷりの語り口で軽快に進むので、底流する愛情と創作にまつわるテーマの深刻さを感じさせない。新進気鋭の作者の若書きらしく荒削りというか細かいことをいえば難はいろいろあるが、ストーリーテラーとしての力量はなかなかのものだ。

  • 引き込まれる。

  • 序盤長い!
    そしてゴールドマンが鼻持ちならない奴で、ちょっと読んでいてイラっとする。
    でも、噂通り面白くって一気に読んでしまった。
    そして思うのは、どうして翻訳物っていうのはわりと話の筋に関係のない人物のキャラが濃いのだろうか。

  • テンポも良く読みやすい。
    謎も抜群。

    失踪し33年後に白骨化して見つかった少女の闇が見え隠れしてくる。結末が気になる。

    気のせいだろうか、自分が海外小説で面白いと言われ読んだ本の多くが少女が汚い大人たちの犠牲になっている話ばかりな気がする…
    ミレニアム、ザリガニの鳴くところ、自由研究には向かない殺人など
    外国では大きな問題となって永遠テーマなのかもしれない。

    とにかく傑作の予感。

  • スイスの作家がフランス語で書いたアメリカを舞台にした謎が謎呼ぶミステリ。上巻としての面白さの持続力は素晴らしい。

  • 3.6
    あくまでも、
    下巻に向かっての助走と言った印象。
    総括は下巻で。

  • デビュー作がベストセラーになったものの二作目が書けなくて苦しむマーカス・ゴールドマンは、大学の恩師で小説家としても大先輩のハリー・クバートにその苦しみを訴える。
    しかし、ハリーの家の庭から33年前に行方不明になった少女の死体が発見され、殺人犯として逮捕されてしまう。
    マーカスはハリーの無罪を証明するために、独自に調査を始める。

    実はハリーとその少女・ノラは人目を忍んで付き合っていた。
    ハリー34歳、ノラ15歳。
    付き合うだけで犯罪になる…っぽい。

    怪しい人はたくさんいるが、よきアメリカ人、よきキリスト教徒というフレーズが何度も出てくるので、多分犯人はよきアメリカ人でよきキリスト教徒と思われている人なんじゃないかなあと予想してみるが、今のところ決定打はなし。

    最後の最後で、ハリーの知らないノラの顔が出てきてびっくりしたけど、よく考えるとそれは全てハリーを守る為なのかもしれない。
    ハリーを逮捕されないように、ハリーが家を追い出されないように。
    だとすると、ノラは心からハリーを愛していたことになるけれど。

    ハリーが「ノラ。愛しいノラ。」などと言うたびに、内田百閒の「ノラや」を思い出してしまった。
    ハリーは内田百閒じゃないし、ノラは猫じゃないけども。

    それにしてもこの作品の出てくる母親どもは、ひとりとして子どもの話を聞こうとはしないのが気になる。
    そういうの、ほんと嫌なんだよね。

  • 2017/01/09読了

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