もう年はとれない (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488122058

作品紹介・あらすじ

人生最後になるかもしれない捜査に臨む伝説の元殺人課刑事、87歳。武器は357マグナムと皮肉、敵は老い。最高に格好いい主人公を生むことに成功した、清冽なデビュー作!

感想・レビュー・書評

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  • ボケてるのかどうかはさておき、頭の回転は鈍ってない洞察力は残ってる元刑事のおじいちゃんが主人公の話。

    主人公が若い時に出会ったナチス絡みの復讐劇かと思いきや…そうはいかず…

    なんか派手さはないわりに
    先に先に解決したり、謎が明かされて進んでいくのでハラハラしながら進むでもなく半分以上読んでしまったので「大丈夫かな」と心配になった。

    主人公の元刑事としての洞察力とか、皮肉を吐く感じは好きだけども、ややスローペース
    終盤はたたみかけるように進むのだけど「痛快!」って感じでもなかったな…期待しすぎたのかもしれない。

    孫と一緒に行動、主人公の子供(孫の父親)は「殺された」とあるので今後の話に出てくるのかな。
    うーん。続編はもっと暴れるのかな?

  • テネシ-州メンフィスに住むユダヤ人のバック・シャッツは、マグナム357を愛用するダーティハリー顔負けの敏腕刑事でありました。彼は因縁のナチ親衛隊将校(ハインリッヒ・ジ-グラ-)が、金塊ごと行方をくらましていると臨終前の戦友から聞かされ、孫のビリ-・シャッツを相棒にして破天荒な追跡に乗り出します。引退後も威勢の良さだけは衰えない御年87歳(作中で88歳になる)のバック爺ちゃんですが、抗凝結剤を服用し老人性認知症の初期段階にあります。にも拘わらず、皮肉とユ-モアで急場を切り抜ける才覚には拍手喝采ものです。

  • スゴ腕の警官としてかつてブイブイ言わせていたバック・シャッツ。しかし、腕を鳴らしていたのも遠い昔、退職した今は現役時代のような動きのキレもすっかりなく妻と近くに住む孫と余生を過ごす毎日。そんなバックの元にある日、旧友が死の間際に最後の願いを口にします。その依頼とは、かつての大戦の際に収容所で2人を凄惨な目に合わせたナチスの将校の行方を突き止め、大戦終了時に持ち出したという金塊を手に入れて欲しいと言うものでした。最期の依頼を託した旧友はほどなく息を引き取り、バックは弱った足腰に鞭打って、宿敵ともいえる件の人物を追跡を決意します。しかし、お宝の噂をどこから聞きつけたのか、金塊を狙う複数の人間達が現れ、バックの調査はいきなり困難を極めることになりました。

    主人公のかつての宿敵に対する因縁と200ポンドの金塊という財宝を追跡するという、ある意味分かりやすい王道のストーリーですが、本書を際立たせている設定は、『加齢』 すなわち、タイトルの「もう年はとれないDon’t Ever Get Old」という年を取る事への恐怖にあります。中年や初老を主役に据えた作品はいくつかありますが、今作の主人公のバックは第2次大戦のナチスの収容所を生き延びた(主人公はユダヤ人、宿敵はナチスの将校という設定)なんと87歳。後期高齢者どころかもうすぐ米寿のお祝いです。老いの恐怖をコミカルに描くという意味では、ジョン・スコルジーのSF「老人と宇宙」と共通する印象がある感じです。

    とにかく、いまやすっかり足腰の弱った主人公は事あるごとに身体機能の低下を訴えつつ、ダーティーハリーはクリントイーストウッドばり活躍をする本書は、ユーモラスなミステリーでありながら、バックの老いていく恐怖を説得力を持って表現している点で、本当に楽しくも魅力あるストーリーでした。

    惜しむらくは中盤に入ってからの展開。主人公を付け狙う関係者の連続殺人が発生し、こっちの捜査に軸足が移ります。「罪を犯す手段と同期を持っている人間が何人もいるにも関わらず、一人も殺人者として直感的にしっくりこないことだ」
    のセリフ通り、終盤まで全く予想できないフーダニットとして良い出来ではあるのですが、老いの恐怖という本作の魅力が隠れてしまう感じがして、個人的には微妙なところではあります。

  • 元気なじいちゃん大活躍!という感じのものかな、という予想はハズレで、結構ビターであった。シニカルなセリフの面白さはあるけれど、コメディタッチではない。87歳の探偵役という設定がとてもユニークなのは間違いないところだが、あまりにしょっちゅう年をとって頭も体も思い通りにならないとぼやかれるのは、ちょっとツライかな。

    ナチスの隠し財産とか、凄惨な殺人とか、道具立ては派手で、展開も早い。ただ、最後まで主人公のじいちゃんも孫も、今ひとつ人物像がはっきりしない感じがあった。最大の引っかかりは、なぜ猟奇殺人? そこがわからんなあ。無理があるよ。

  • 元殺人課名刑事の87歳の老人が主人公。第二次世界大戦時に捕虜収容所で、ナチスSS将校から拷問された経験をもつ。主人公と孫の二人が、その元SS将校の隠し金塊をめぐる争いに巻き込まれ、次々に周りで殺人が起こる話。
    主人公の老人らしくないかっこよさと、老人らしい体の老いた様子や、孫と妻への愛情がよく描かれていてよかった。

  • 最後までドキドキが止まらない!

  • 2019年9月16日読了。

    86歳の元殺人課刑事のアクション小説。
    スイスイと読み進めるも、あまり印象には残らず。

    主人公の年齢も高齢なので続編もないでしょう笑笑
    著者は本作がデビュー作。あとがきでは絶賛されていたがそこまでの感想なし。

  • "主人公は87歳の元殺人課の刑事。ユニークなヒーロー。孫と一緒に過去の落とし前をつけに行く羽目になる老兵。アルツハイマーにおびえながら、毎日「忘れたくないこと」を記録帳に書いている。若かりし頃のスタイルで借金取りの胴元に殴りこみにいっても、相手に傷一つ与えられない。会話の駆け引きもユーモア。
    こんなじぃさんに私はなりたい。"

  • バック・シャッツ最高!!なんて痛快なんでしょう。いうこともいちいち格好いいし笑えるし。ローズは大変かもしれないけどある意味尊敬する。家族にいたらいいなとも思うけどやっぱり孫としてがベストかなあ?
    もうホントに止まらない。読み進めるしかない。そして残りページがどんどん減っていくことに一抹の寂しさを覚える感じ。こういうの久しぶりで嬉しかった。続編も期待!
    タイプは違うけどエーランド島シリーズのイェルロフも大好きです。自分なんてまだまだ頑張りが足りないなと少し元気づけられる面もあって。

  • 主人公は87歳の元刑事のおじいちゃん、誕生日がきて88歳に。かくしゃくとしていると思いきや、結構よぼよぼ。でも毒舌と負けじ魂は健在。大学生の孫とコンビで事件に挑む。

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