もう過去はいらない (創元推理文庫)

制作 : 野口 百合子 
  • 東京創元社
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本棚登録 : 177
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488122065

作品紹介・あらすじ

88歳の元殺人課刑事バック・シャッツが、牙をむく老いと闘い、現役時代の苦い記憶と敵とマグナム357と痛烈な皮肉で勝負する。大好評『もう年はとれない』を超える爽快作。

感想・レビュー・書評

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  • 元刑事バック・シャッツのシリーズ2作目。
    88歳になったバックをまだ事件はほうっておかない!?

    前作の事件でさらに身体は衰え、とうとう妻とともに介護つきのアパートに移ったバック。
    若い頃にはダーティ・ハリーばりの力づくで行動するタイプの刑事だった。

    前に取り逃がした因縁のある、銀行強盗イライジャが訪ねて来る。こちらももはや78歳だが、何者かに命を狙われているから、助けてほしいというのだ。
    何かをたくらんでいると怪しむバックだが‥?
    50年前(!)の事件と、現在が交錯。
    プロの犯罪者との対決だけでなく、警察組織の闇も描かれます。
    ユダヤ系を排斥するような層が、警察の上層部に多かったとは。
    とても良い妻だったローズにも、知らないことがあったのですね。

    バックもメンフィス署では伝説的だけど、冗談めいて語られるような存在。実際の身近な人間には迷惑がかかることもあっただろう。
    幼かった息子に誤解されてしまうのは哀しい。
    そのあたりのことが1作目より深みを増して語られ、老いてもまだまだ語りつくせそうにない勢い。
    長く生きているのも伊達じゃない!
    バックならではの良さと味わいを発揮して欲しいです☆

  • 1作目の方が評価が高いようだが自分は断然本作の方に軍配を上げたい。本書は介護が必要な歩行器を使った老人のアクションものというよりユダヤ人問題の視点で読むとぐっとその内容に重みを感じる。米国のようなよそに比べユダヤ人が暮らしやすいと思われた地域でもこれほど差別と闘わなければならなかった。昨今米国でもユダヤ人墓地が荒らされるなどの事件が続いており、まだまだ闇は深いのだと思わされる。

  • バックが帰ってきたぁ!
    と嬉しく思ったけど、期待が大きすぎたのか、前回ほどの楽しさがあまりなかったよ……。テキーラが全然出てこなかったせい?いなくなって初めて彼の存在の大きさを知るみたいな。あのふたりの掛け合いが好きだったし。
    でもまだ続いてるみたいだから読みたい。ローズも自己主張してきたし。ブライアンの死因もまだ謎のままだし。

  • ダーティハリーvsゴーストマンか?シリーズもので主人公の死でラストを迎えるって、モース警部があったけど、このシリーズは何とか引き延ばして欲しいな。定年退職したリーバス警部も復帰したね。頑張れ、おじいちゃん。それにしてもバックってやり方自体は悪徳警官すれすれに思える。欲得ずくではないから、反感は抱かないけれど。

  • 88歳の元刑事バック・シャッツシリーズ2作目。
    前作以上にままならない体で相変わらず無茶苦茶やらかすバックじーちゃんアッパレ…!
    今回は50年前の銀行強盗事件と現在の事件とがいい具合に入り乱れて描かれてます。前回よりグロは控えめなので読みやすいかな。

    ユダヤ系の問題に触れていたりするので少々重めの部分もありますが、そのあたりにはあまり詳しくないので葛藤が理解しきれない部分はありますね。
    老老介護とか考えてしまった前作同様、単なるエンタメではなくちょっと考えさせられてしまう部分もある作品です。

  • シリーズ二作目。より不自由になった身体をおして、因縁の怪盗と対峙するバック。クチの悪さは少し減った気がしますが、人種差別を絡めた展開はシリアスで面白かったです。ローズとのやり取りは切なさも感じて良かったです。

  • 大怪我をして歩行機が手放せないのにバックじいちゃんのやることはますます過激になっている。
    体が弱っていくことへの苛立ちとあきらめ、息子を失った悲しみは前作も描かれていたが、今回はユダヤ人への偏見に対するアメリカ社会の不条理が物語に奥行きを与えている。
    主人公のモデルである作者の祖父についてのあとがきを読んで胸が熱くなった。
    バックの息子が死んだ理由がとても気になる。続編の翻訳もぜひお願いしたい。

  • 88歳の元刑事に何ができるの?と思ったら‥‥若干の介護が必要な状態にもかかわらず「なんてタフな爺さんなんだ!!」と思う。認知症っぽい症状もあるのにねぇ。精神的なタフさはいつも持っていたいな。

  • 当たり前だけど、前作よりも歳をとって、前作で受けた傷のせいもあって、身の回りのことはあれこれ不自由で、だけど、やるったらやる!というか、誰も止められない感じが健在でうれしい。

    お話の面白さとは別に、人種にまつわる様々なことをもっと真剣に知ろうとしないとだめだな、と思わせてくれた本でした。

  • アメリカの作家ダニエル・フリードマン、2014年発表の小説。アメリカ南部、メンフィスを舞台にしたクライム・サスペンスのシリーズ第2作。主人公は88歳の元刑事、大けがのリハビリ中でしかも軽度の認知症という老人の自虐趣味満載の作品ですが、描いているテーマは非常に重くハード、意外に読み応えのある作品でした。

    老人ホームに入居してリハビリ中の主人公バックのもとに50年前取り逃がした伝説的銀行強盗イライジャが助けを求めてやってきます。知り合いの刑事に自首して保護してもらうよう段取りを付けるのですが、刑事の車で警察へ向かう途中ギャングに襲われイライジャは拉致されてしまい・・・。
    50年前の銀行強盗の話と現在の話が交互に語られ、更に合間合間にユダヤ系である主人公の家庭の問題や社会の問題が語られます。

    人種差別や権力の犯罪等、非常に重いテーマにユダヤ系の立場を明確にした上で真っ向切り込んでいて、しかもユーモアたっぷりの上質のエンターテインメントに仕上げている、なかなか見事です。

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