第二の銃声 (創元推理) (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 200
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488123079

作品紹介・あらすじ

高名な探偵作家ヒルヤードの邸で、ゲストを招いて行われた推理劇。だが、被害者役を演じるスコット=デイヴィスは、二発の銃声ののち本物の死体となって発見された。事件発生時の状況から殺人の嫌疑を掛けられたピンカートンは、素人探偵シェリンガムに助けを求める。二転三転する論証の果てに明かされる驚愕の真相。探偵小説の可能性を追求し、時代を超えて高評価をを得た傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 初回は物語の動かし方に驚き、再読でその完成度の高さに驚く。信じられないほどの傑作。

  • じっくり読まないといけないけど推理小説の名作。草稿という形で物語が書かれる面白いパターン。最後は「…えっ!?Σ(・□・;)」ってなる。

  • 推理劇の途中で被害者役の男が実際に殺されてしまう。
    容疑者にされた犯人役のビンカートンは、素人探偵の友人に助けを求める。

    地味で、特に何か大事が起こる訳ではない。
    警察の捜査も、素人探偵のシェリンガムも大活躍はしない。むしろ舌先三寸で話が進んでいく感じ。
    それが話をこねくり回す感じで面白いのだ。容疑者が二転三転し、その行動や動機が本当臭いのにそうじゃなく、まるで読者と言うよりミステリ自体をおちょくっているようにすら感じられる。
    そしてエピローグ。
    ああ、そうだったよ!と唸ってしまうオチが待っている。
    バークリーにしてやられた。

  • さすがバークリー。一筋縄ではいかないだろうなと思っていたが、この展開には唸った。事件の現場にいる登場人物の「手記」という形をとってますが、これは凄い。これが1930年に書かれてしまっているのか…。
    一通り読み終わった後に、巻頭にある「A.D.ピーターズに」を読み返すと、作者のこの作品に込めた「狙い」に感服し、バークリーの筆力に魅了されます。
    あ、シェリンガムは活躍してたよ。うん。

  • 動機や殺害する機会に恵まれすぎた七人の関係者達。最重要容疑者として糾弾されそうになった男が、事件の概要を推理小説風に記述した草稿、という体裁の本作。

    二転三転する展開の果てに、読者だけに提示される驚愕の真実とは…?


    珍しく騙されなかったぞー(笑)。
    この手のミステリィは、一度矛盾点とか取っ掛かりが見えたら、その後はもう自分の出した結末に向けて情報拾っていけるのが楽しい^^

    海外翻訳ものにしては珍しくキャラクタの書き分けも上手いし(登場人物が少ないのも一因だろうけど)、語り手のピンカートン氏が自称落ち着いた大人の紳士からどんどん道化になっていくのも楽しい^^ピンキー…

    推理小説の中では、恋愛話とか本筋に関係ない逸話は出来るだけ出しゃばらないで欲しい、って言うのが個人的な考えなんですが、今作はそれも混みで最後まで興味深く読めました。アーモレル、好きだわ^^

    でも、シェリンガムが真相に気付いてないってことはないと思うなあ…ピンキーは最後までピンキーなのでした。

  • ええええーっ! てなります(笑)

    あと、語り手のピンカートンが、なかなか自分のことがわかっていない風で、それを理屈っぽく分析してみせるあたりが笑いをさそうというか、ふしぎなユーモアをたたえている。
    その、自分がわかってるのかわかってないのかようわからんあたりが、なんともunreliable narrator な雰囲気をたたえてはいるのですが。

    『毒入りチョコレート事件』のシェリンガムが登場するあたりはなかなかじゃジャジャーンというかんじでかっこいいのですけどね。

  • 面白くて一気読みしてしまった。倒叙モノならではの犯人の恐れと応戦、探偵役の捜査と追求、ロジカルに徹したストーリーの運び方、どれをとっても質が高い。 唯一ケチをつけるなら碓氷優佳と伏見以外の人物が少々間抜けで、優佳の指摘の幾つかは誰かが気づいてもよさそうなモノだ。だが本当にそれくらいしか欠点がない。 伏見には共感するところが多く自分もきっと同じような思考で行動するなと思う反面、優佳の気付くポイントにも察しが付くので「気づけ!怪しまれるぞ!」とつい応援をしてしまう。感情面でも、優佳に対する心情は痛いほど解る。

  • 探偵小説のその先へ

    探偵小説であり犯罪小説でありアンチ探偵小説であり童貞小説であり恋愛小説でありツンデレ小説であり本格ミステリである。バークリーらしいとはこのことなのか…

    殺人劇の最中に起きる殺人なのだが、殺人劇を企てるあの邪悪な会合。完璧ではないか!
    登場人物も読者も手に汗握る暴露。一瞬のうちに殺意が巻き起こる。

    なんといってもピンカートン氏。彼の魅力にとことんハマってしまった。童貞中年可愛くて仕方がなくなる。ツンデレに振り回される様が可笑しくて可笑しくて…

    シェリンガム氏が仕掛ける◯◯による証明。「ジェゼベルの死」を読んだ後だと、また新鮮。

    そして…冒頭から、この作品が指し示してきた道標は、推理小説のマンネリや、読者への挑戦を跳ね除ける。本ミスファンは必読の大傑作。

  • 頭の切れる探偵が最後にすべての謎を解き明かす...という探偵小説の伝統的な構成を取りつつ、その裏にもうひとつ仕掛けがあるところが巧み。というか、作者の意図的なアンチ。
    殺害に至る様々な動機が錯綜してカオスな現場になるところがユーモラスで楽しい。

  • 久々の再読だけど、ラスト以外結構忘れてて楽しめた。警察の捜査がシェリンガムに都合の良いようにいい加減なのはいまいちだけど、ピンキーのだめっぷりが可愛くて声だして笑った。事件の内容よりも、登場人物たちの書き分けの上手さが際立ってるかな。ラストもバークリーらしいし、これ好きです。

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