- Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488124014
感想・レビュー・書評
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(2024/03/14 4h)
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倒叙推理小説の傑作といわれる作品だけあって、最後のあまりに簡潔な大どんでん返しに唖然としてしまった。
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アイルズの名作。昔読んだ気がするが、読んでみて記憶がないのでたぶん初読。恐妻家のビクリー博士がやむにやまれず妻を亡き者にする話かと思いきや、ちょっと違う。妻も妻だが、当のビクリー博士が実はとんでもない好色家で、都合よく邪魔者を排除するべく手段を弄してゆくという物語だった。薬の副作用で深刻な頭痛を起こさせるとか、ボツリヌス菌?を自家培養するとか、ちょっとどうなのというところはまあご愛嬌。杜撰な計画は当然露見するのだが、確たる物証がなく、うまいこと裁判をすりぬけたと思いきや、思わぬ幕切れというオチになる。倒叙物の古典ということで、ビクリー博士の心理描写や画策が読みどころ。
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2023/04/30
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ヒグリー博士は妻を殺すべく周到な計画を立てて実行に移す。クロフツ「クロイドン発12時30分」、ハル「伯母殺人事件」と並ぶ三大倒叙ミステリといわれるうちのひとつで、作者はアントニーバークリーの別名義である。そして私の中では、No.1倒叙ミステリである。法廷で追い詰められていく後半のドキドキの心理描写。さらに結末でのドンデン返しが見事な名作中の名作。
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倒叙ミステリの大御所とのこと。本の前半は退屈でページが進まなかったが、後半は怒涛の勢い。犯人の心の動きがなぜにこれほど興味をかきたてるのか。
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三大倒叙推理小説のひとつということで、「クロイドン発12:30」と合わせて読みました。もうひとつの「叔母殺人事件」は図書館になくて、残念。
「殺意」の主人公は町医者とはいえ、お医者さんなのに、特に地域の名士というわけでもなく、町の人に尊敬されているわけでもなく、別に見映えが良いとか女性の喜ぶ会話ができる、とかいう描写もなかったけど、複数の女性と不倫できるほどモテてるのが、少し不思議でした。このへんは時代と文化の違いなのかもしれませんが。
主人公の奥さんは我が強くて、夫婦の仲も悪そうな描写が早々にでてくるので、「殺意」のターゲットは奥さんなんだろうな、と序盤では考えましたが、途中で、あれ?もしかしたら違うかも?と思わされる場面もあって、ターゲットが誰か考えるのはなかなか面白かったです。 -
倒叙物ミステリー。
アントニーバークリーのこういうオチは大好き。
主人公のキチガイ具合もたまらない。「私が捕まるわけがない。なぜなら私は完全犯罪を実行したからだ」と本気で考えてるあたりがもういかれてるなーと思う。
主人公の周囲の女性達もいかれてるし、ただ誰しも人は理屈に合わない、いかれた言動をとることが多いもので、この作品はそういった部分を抽出して描写されてるのだと自身で結論を出しました。