王女に捧ぐ身辺調査: ロンドン謎解き結婚相談所 (創元推理文庫 M モ 9-2)
- 東京創元社 (2021年11月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488134105
作品紹介・あらすじ
わたしたちが王子の身辺調査をするの!?――戦後ロンドンで結婚相談所を営むアイリスとグウェンに、英国王妃に仕えるグウェンのいとこから驚愕の依頼が。エリザベス王女が想いを寄せるフィリップ王子について、その母親の醜聞をほのめかす脅迫状が届いたという。英国王室の危機を救うため、ふたりは極秘で調査をはじめる。元スパイで頭脳明晰なアイリスと、鋭い観察眼と貴族の人脈を持つグウェン。対照的な女性コンビが仕事と謎解きに奔走! 『ロンドン謎解き結婚相談所』シリーズ第2弾!
感想・レビュー・書評
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「ロンドン謎解き結婚相談所」の二作目
元スパイで諜報能力の高いアイリスと
夫が戦死して心を壊すも、自分と子供のために前に進もうとするグヴェン
が結婚相談所を営み、何故か事件に巻き込まれてくシリーズ。
二ヶ月で二件…相談所の知名度は上がってます。
登場人物紹介欄の次頁に、王室の家系図が付録としてついていたため「ドラゴンタトゥーの女」の時のような「人名覚えられるかな…」と不安になりました。
案の定、色々入り乱れて少し混乱
でもなんとか最後まで辿り着けました。
なんと言っても二人の会話が面白い。
「結婚」=「幸せ」ではない二人が、この仕事をしてることに想いの強さを感じる。
続編を楽しみに待ちます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロンドン謎解き結婚相談所、シリーズ2作目。
対照的な女性二人がコンビを組んで、縁結びの仕事をしつつ、事件も解決。
大好きなシリーズです。
戦後のロンドンで、アイリスとグウェンは出会い、意気投合。
結婚相談所を始めています。
戦時中は諜報員だったアイリスは、小柄ながら腕もたち、専門知識豊か。
グウェンは貴族階級だが戦争未亡人で、長身で金髪の美女。おっとりしているが上流社会にはコネがあり、人を見る目もある。
グウェンの従姉妹が王妃の部下で、ある問題について調査を依頼してきます。
結婚にも関係している、それはエリザベス王女が恋するフィリップ殿下に関わるかもしれないスキャンダルの問題だった。
フィリップ殿下はイギリスに長くいるのだが、ギリシャの王家の血筋なのですね。
二人はそれぞれのコネを駆使し、縦横無尽の活躍をしますよ。
闇屋に、貴族、脚本家に、ギリシャ国王、スパイの親玉、とね。さらには王女様?
二人の友情はまた深まりつつあって、軽快な掛け合いがさらにアップしてます。
コージーに入るユーモアたっぷりな作風ですが、背景は決して軽くない。
アイリスは、戦争の悲惨さを目の当たりにし、自分だけ生き残った苦しみを抱えています。
グウェンは夫の死に取り乱したために精神病院へ送られ、最愛の息子の親権を奪われた経験を経ています。
新しい世界で戦い、生き続ける二人。
楽しみなシリーズ! -
戦後ロンドンで結婚相談所を営むアイリスとグウェンへの驚愕の依頼!エリザベス王女が想いを寄せるフィリップ王子の母にスキャンダル?!極秘調査を始めた二人が知った真実とは?!
シリーズ第二弾はなんとロイヤルロマンスがテーマ!グウェンのいとこが王妃の部下で、宮殿に届いた脅迫状の調査を二人に依頼する。元スパイ・アイリスの技術と、上流階級に通じるグウェンのコンビがとんでもない結婚相談を請け負うというつかみが最高。今回はグウェンの活躍が光る。監護権を義母のカロラインに奪われている息子のロニーが、母・グウェンの幸せをひたむきに願っている姿が素敵だった。
「わたしが知っているのはきみがママをものすごく幸せにしてるってことよ」
アイリスがそんな言葉をロニーにかけるのもあたたかい。お互いの家や秘密に踏み入っていくシーンがあって、二人の人間ドラマとしても進んでいく(前作ほど劇的ではない)。
スパイ・冒険小説的な味わいが濃い作品。ミステリとしての仕掛けも凝っていて、幾重にも絡んだ人間関係と伏線が一堂に会する終盤はドキドキしっぱなしだった。ちなみに、エリザベス王女、フィリップ王子は歴史上の人物なので、もちろん結果はわかってはいるものの、空白を謎で埋める発想がいい。ラストシーンは晴れやかで感慨深かった。
約450ページかつ、登場人物もボリューミー。人間関係が複雑なので、そうか!みたいな直感的なインパクトよりも、理解することにカロリーが必要で、こういうことか?そうかーという印象。謎解きがもう少し盛り上がって欲しかったなあ。ただ、エンディングは格別なので、手に取った方はぜひ最後まで読み切ってほしい。 -
戦後のロンドンを舞台に繰り広げられる、女性二人の巻き込まれミステリ第二弾。今作はロイヤルファミリーが関係していてなかなかのゴージャス感。アイリスとグウェンの楽しいやりとりは健在。ただ、登場人物が多め→
コージーミステリーテイストなんだけど(背表紙ピンクだし)謎解き自体はまぁまぁハード(に私は感じた)
気楽に読むとこんがらがって何度かページを戻る羽目に。まぁ、夏休み期間に読んだからかもやけど(読書を息子に中断されがち) -
シリーズ第二弾。
戦後のロンドンで結婚相談所を営む、アイリスとグウェンの元に、グウェンのいとこでエリザベス王妃に仕えるペイシェンスから、王妃が思いを寄せる、ギリシャのフィリップ王子の身辺調査を依頼されます。
なんでも、フィリップ王子の母上のスキャンダルを暗示する脅迫状が届いたということで・・。
元スパイのアイリスと、上流階級出身のグウェン。
性格も出目も対照的な二人が、それぞれのスキルと人脈を活かして事件解決に臨むこのシリーズ。
今回はロイヤルファミリーに関する依頼という事で、複雑な利害関係が絡みあう中、中盤での死体発見からの展開がグン!と面白くなりました。
アイリスとグウェンのウイットに富んだ会話も前回以上にパワーアップしており、お互いの信頼関係が深まっていく様子も楽しめます。
ちょっと意外だったのが、前作に登場した闇屋のボス・アーチーとアイリスが“ええ感じ”になっていた事ですかね。
ただ、まだちゃんとした恋人とまではなっていないので、金銭をチラつかせられると揺らぎがちな危うさがあるようですが、終盤でのアーチー一味の活躍はナイスでしたね。
そして、ラストで関係者が一堂に会しての謎解きは、なかなか圧巻で、“そういうことだったのか!”と腑に落ちるのと同時に、アイリスとグウェンのカッコ良さが光っていました。
という事で、主役二人が素敵なのはお約束ですが、今回はミリーがいい味出していました。あと前作に続きサリーもええキャラなので、味のあるサブキャラ達にもご注目です。
因みに、本書の解説で〈マギー・ホープ〉シリーズと〈英国王妃の事件ファイル〉シリーズが紹介されていたので、こちらも是非読んでみたいと思いました。
そして、勿論当シリーズの続編も! -
今回も最高 of 最高で一気読み! 3作目が11月刊ということで手を出したシリーズだが、本当にいい出会いだった。1作目(&シリーズ)タイトルに「ウヘァ」とならず、ぜひお手に取っていただきたい。
本格ミステリ、シスターフッド小説、ユーモア小説、英国貴族もの、(ちょこっと)エスピオナージュ、(ちょこっと)危険なラブ・アフェアもの、(ちょこっと)嫁姑ものなど、幾通りにも楽しめる。
そしてとどめは、「キングとジョーカー」以来の超良質なパラレル英国王室ものと来た。その意味では「キングとジョーカー」すら超えて、「おいおい…どーなっちゃうの???」とドキドキしっぱなし。
そして特上の「最後の一撃」。今なればこそ、読んでほしい一幕である。
2022/10/11読了 -
シリーズ第2作。
どんどんと人が増え、裏切り裏切られの展開は面白かったが、そのせいでちょっと散らかってしまった印象。
でもアイリスとグウェンの信頼が深まる様子を読めて嬉しい。
あと前作チラッと出ただけでも思ったけど、ミリー最高!