シンデレラの罠 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2012年2月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (284ページ) / ISBN・EAN: 9784488142063

みんなの感想まとめ

独特の雰囲気と複雑な心理描写が魅力の本作は、主人公ミシェル・イゾラが語る殺人事件の物語です。彼女は証人であり、被害者であり、さらには犯人でもあるという複雑な立場に置かれ、記憶喪失が事件の鍵となります。...

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーのガイドブックでだいぶ前に知り、ずっと読んでみたかった一冊です。
    フランス推理大賞受賞作。

    私の名前はミシェル・イゾラ。
    私は二十歳。
    わたしが語るのは殺人事件の物語です。
    わたしはその事件の探偵です。
    そして証人です。
    また被害者です。
    さらに犯人です。
    わたしは四人全部なのです。いったいわたしは何者でしょう?

    これは、1962年に本書が発刊されたときに掲げられた内容紹介文だそうです。

    「内容的には巨額の遺産争いに巻きこまれた貧しい娘をめぐる犯罪の話なのだが、書きたかたがいかにも新鮮だった。とくにモダン・ジャズか前衛絵画を想わせる文章の魅力!ただしこれを読んで、何やらわけのわからぬ箇所があると感じた人がいたとしてもしかたがない。何しろすべてのいきさつを読者にきちんと説明するような文体ではない上に、細部の辻つまを厳密に合わせることなどは初めから目的としていないみたいな作風だからだ。まるで、新感覚派の詩人か画家か作曲家が感興のおもむくままに奔放におのれの世界をくり広げたという感じ。些細な辻つまなんぞたいして合っていなくたっていいんだ。とうそぶいている感じ」(小泉喜美子『メインディッシュはミステリー』新潮文庫より)

    独特の雰囲気のある話でした。
    ストーリーとしては最後にどんでん返しがあります。
    記憶喪失がキーポイントです。
    最後の方は「は?」「は?」「え?」と狐につままれたような感じで、何度も文章を読み直しました。
    一体、何がどうなったのかのかと思い、自分の頭がおかしいのかとも思いました。
    真相は訳者あとがきを読むまでわかりませんでした。

  • 「シンデレラの罠」読了しました
    火事で大火傷を負った主人公のミ、現場からは1人の遺体ドが発見される。証人はミ、彼女のみ
    混乱した記憶を呼び起こしていくと、そこには食い違いが生じ始める…主人公がド…遺体がミ…
    果たして彼女はドなのか…ミなのか…
    そして事件の真相は…

    本書感想としましては、本作は心理描写、過去描写が多く、そして複雑であり、とても重要な鍵となっておりました
    非常に繊細な作りであり、とても面白かったです♪
    機会があれば、他の作品を読んでみたいです♪

  • ミとドとラという呼び名の少女の物語が導入、そして顔と手にやけどを負い包帯でミイラのようになった、わたし、の独白。5,6歳からの記憶が無くなっているらしい。名前はミシェルだという。・・少し読むと、これはなりすましの物語か? 飛行機事故での整形なりすましの「コピー・フェイス」をちょっと思い浮かべる。しかしなりすましって最後はうまくゆかないんだよなあ、と思いながら読み進める。そして現れる後見人女性ジャンヌ。中ほどで、ああこの二人の陰謀ね、となるが、しかし最後に「シンデレラの罠」の意味するところが記され、するとわたしはミなのかドなのか? 

    一番印象的なのはミとドとラという呼び名だった。ミシェル、ドムニカ、アンジェラ。犯罪の原因は遺産というよくあるもの。だが語り口が引き込まれる。



    著者のセバスチアン・ジャプリゾの説明が無いので調べると、なんと「新車の中の女」の著者。これは翻案ドラマで浅丘ルリ子が印象的だった。ほとんどの著作が映像化されている。このシンデレラの罠も1965にフランスで映画化。
    ほかに「さらば友よ」1968 「雨の訪問者」1970 など。

    セバスチアン・シャブリゾ:1931-2003 フランス。1950年ソルボンヌ大学在学中に純文学的な "Les Mal partis”でデビュー。


    1962発表 フランス
    2012.2.29初版 図書館

  • 記憶喪失により自分自身が何者なのか分からなくなる主人公の話。自分は「ミ」なのか「ド」なのか。どちらでもありそうで、最終的な答えは記憶が戻った主人公にしかわからない。もしファンタジーなら二人は同化したと言いたくなるくらい、混ざり合ってしまったようなかんじだった。

  • すこし翻訳の読みにくいところもあったが構成のすごいミステリ
    一章ごとに見えるものが変わってくる
    結論も委ねられたように見える

    好きなミステリかと言うとそうでもないかもだがすごい

  • 顔に大火傷を負い記憶喪失になった『ミ』。
    だけど数々の違和感により、自分は死んだ『ド』なのでは?と思うようになる。
    探偵で犯人で被害者で証人でもある『わたし』は一体誰なのか。
    読めば読むほど『ミ』にも『ド』にも思えてくる。
    加えて、回想と想像の区別がつきにくい文章でもあるので、読んでいるこちらを余計に混乱させる。

  • 言わずとしれた帯が有名な名作。
    「わたしはこの事件の探偵であり、証人であり、被害者であり、犯人なのです」

    新訳だからかすごく読みやすい。たまに言い回しにおフランスを感じる。
    結末ははっきりさせても無粋だし考えるほど深みにハマる

  • 新訳で読みやすくかつ理解しやすくなったらしい。が、やはりモヤモヤ。真相は藪の中。これが作者の狙いなんでしょう。

  • 作者の罠にまんまとはまりました。
    結局「ミ」なの?「ド」なの??最後の方にかけて混乱。深読みして謎が増える。「ラ」を登場させたのは特に意味無いのかな?
    途中から読み返してみようと思ったけど、これは最初から読み返した方が良さそう。

  • 新訳があったとは知らず。どっちにしろ覚えてはいないが。
    今となっては成立しない話。

  • ミなのかドなのか最後まで読者を混乱させる面白いリドルストーリーでした。

  • 初 セバスチャン・ジャプリゾ 作品

    1962年発行。時代背景はあるものの、古さを感じないミステリ。

    訳者あとがきにもある、有名なコピー「わたしの名前はミシェル・イゾラ。歳は二十歳。わたしが語るのは、殺人事件の物語です。わたしはその事件の探偵です。そして証人です。また被害者です。さらには犯人です。わたしは四人全部なのです。いったいわたしは何者でしょう?」のとおり、引き込まれるミステリです。

    特に、火事で生き残ったのは、「ドムニカ」なのか「ミシェル」なのか、読み進めば読み進むほど、二転三転。ついには、どちらでもいいじゃないの?と思わせるまでの展開に。

    ジャンヌの役割・立場が微妙で、私たちをどんどん混乱の渦に。「ジャンヌはどうして何も言わなかったのだろう?」のセリフが印象的です。

    最後に、〈わたし〉は記憶が回復して、エンディングとなった。本書内では、”誰か”は暗示されただけで、実名は伏せられている。「訳者あとがき」でも、語りの人称と視点など、解釈が分かれるような分析が紹介されている。

    私感:〈わたし〉は、通常の読み方どおりで間違いないと思う。「もし、違っているとしたら」、〈わたし〉は絶対にそれを主張、証明するハズです。だって莫大な遺産が入るんだから。

  • シンデレラの罠
    210612
    今年31冊目今月2冊目。
    #読了
    #シンデレラの罠
    #セバスチアンジャプリゾ

    帯の惹句が秀逸。
    火事、殺人、生き残り。
    欲しいのは遺産なのか愛なのか。

    「ミ」も「ド」も魅力と難点がある。
    それはどちら側から見るかだし、愛への渇望も見える。

    愛や憧れは執着のプラス面、憎しみはマイナス面だな。

    記述を鵜呑みにするな。

  • 「私はこの事件の、探偵であり、証人であり、被害者であり、犯人なのです。」

    この帯を考えた人は天才だと思う。
    この作品は、"帯負け"してる感が否めない。

    純粋に考えれば「わたし」はミなのだが、訳者の解説のようにも考えられるので、結局どっちなのか分からない。
     
    例えば、岡嶋二人さんの『クラインの壺』では真相が分からないことがとても良い余韻を残していたが、この作品ではただただモヤモヤする。

    東西ミステリーベスト100にも入っているらしいが、正直あまりスゴさが分からなかった。

  • 旧訳でも読みましたが、読みやすかったです。
    最後まで、火事で生き残ったのはどちらなんだろう?
    とサスペンス感がありました。

  • 名作の底力をこれでもかと感じさせられる極上のミステリー。自分は誰なのか?探偵であり、証人であり、被害者であり、犯人である彼女。読了後も深まる謎。こりゃすごいや。

  • 1962年フランスミステリ。というかミステリ史上でも有名な作品らしい。一見、フランスらしい叙情的な文体が途中一体自分は何を読んでいるんだろうと思わせられたが、徐々にヒロインの置かれた立場がわかってきて、二転三転するラストへ一気読みだった。
    ドとミという娘が出てくる。ミドラ伯母に気に入られたミはまるでシンデレラのようにドと離れた華やかな世界へ行ってしまう。そして10年ほど後、銀行の事務員だったドはミに再会。ミのわがままに振り回されながらも友人関係を続けてきた。そんなある晩、二人が泊まっていた別荘で火災が発生。ミの後見人ジャンヌは、全身に大火傷を負ったミを自分の皮膚を移植し、救う。しかし、目覚めたミは記憶喪失となっていた。回復したミにジャンヌはなぜか父親や友人に会わせることをためらっているように見えた。するとジャンヌは恐ろしいことをミに告白する。あなたはドで、伯母がミに残した遺産を引き継ぐため、ミになりすますべく、この火災を共に計画したのだと……
    私はミなのか、ドなのか…自分というアイデンティティを失い、ジャンヌだけが私の「真実」なのか…と思っていると、後半、いろんな人物が登場し、さらに彼女を混乱に陥れて行く。

    解説でも「私はどっちだったのか?」の考察がなされていて、面白かったです。その理由も含め、このミステリが名作とされる所以には納得がいった。

  • 間を空けずに「シンデレラの罠」の新訳を読みました。

    まず言いたいことは
    私にもドとかミとかみたいに
    一文字のあだ名をつけてもらいたい、ってこと。
    理由としては何か素敵にお洒落っぽいから、です。

    比べると新訳は非常にすっきりしていて、
    とても読みやすいです。

    場所も洋服もお部屋の様子も、
    人間模様も役割分担も、よくわかります。

    さてさてインターネット上の感想を読むにつけ、
    生き残ったのはミだの、いやドだのと、
    わいわいがやがやと楽しくやっている模様。

    「こんなにはっきりしているのに何故?」と
    鼻息あらくおっしゃっている人がいれば、

    「いや、違う(でも決定的な証拠が無いけれど)」
    と言う人や、

    「どっちともとれるようになっている」と言う人、

    しまいには
    「あっちだと思うけれど決定的なものがないから
    だれかわかったら教えて」などと言う人まで。(丸投げ?)

    そんな風に盛り上がっている皆に、
    急にラについて何か新発見をして教えてあげたいと思ったけれど、
    やっぱりそんなものは全然なかった!
    (意味ありげなのに、実はそんなことが全くないラって…)

    新訳を読んで色々がはっきりわかった私の意見は、
    生き残った娘はやっぱりミ、

    だってミッキーとジャンヌを抜いて、
    この娘はドだ、と思ったり、言ったりする人が
    一人もいないんだもの。

    これは他人から見てどっちなの?と言う話では無く、
    本人がわからない、と言うところが面白いお話なんだね。

    それにさ、裁判の時、ジャンヌがイタリア語で
    話しかけているでしょ?だからそれってさあ…

    って、なんだかんだ、私もすっかり夢中だわ!

    ミステリ好きの人に出会ったら
    「『シンデレラの罠』は読んだ?」と聞いて、
    もし読んでいたらミだのドだのと
    楽しく語らいたいものだ!

  • ブルジョワの別荘で火事が起き、
    若い女が一人死亡、別の一人が重傷を負って救出された。
    助かった娘は肉体的に回復していくが、
    頭を打ったせいか記憶を失っていた。
    彼女は伯母の莫大な遺産を相続する予定の
    ミシェル・イゾラ(20歳)であると教えられるが、
    確信を抱けない――。

    不安におののく娘の自分探し。
    あるいは気紛れな老傀儡師に操られて
    破滅に向かった三人の女。
    Que sais-je?
    それは永遠に解き明かせない謎かもしれない。

  • 「わたしはこの事件の探偵であり、証人であり、被害者であり、
     犯人なのです」こんな帯広告見たら、読みたくなるでしょ~
    ミは病院で目を醒ます。
    火事で大火傷を負い、顔を焼かれたものの一命は取り留めた。
    しかし記憶をなくしていた。一緒にいたドは焼死。
    ミは裕福な伯母の遺産相続人であったのだが、果たして自分は
    本当にミなのか?
    結末をすんなり受け入れるなら、こっちだろう。
    でも、色々と深読みすると、あっち?
    読み方によってどっちにも転がれるのよ。
    面白いのに気持ち悪いよぉ~
    文庫初版が1964年って・・・(゚O゚;

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著者プロフィール

1955年千葉県生まれ。フランス文学翻訳家。主な訳書に、ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』、モーリス・ルブラン『アルセーヌ・ルパン』シリーズ、ジャン=クリストフ・グランジェ『クリムゾン・リバー』、ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』などがある。ミステリー、サスペンス、児童文学と幅広い分野でフランス文学の紹介に携わっている。

「2026年 『エマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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