黒後家蜘蛛の会 新版 (1) (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2018年4月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784488167097

作品紹介・あらすじ

弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の六人からなる〈黒後家蜘蛛の会〉と給仕一名は、月一回〈ミラノ・レストラン〉で晩餐会を開いていた。会では毎回のようにミステリじみた話題が出て、会員各自が素人探偵ぶりを発揮する。だが常に真相を言い当てるのは、物静かな給仕のヘンリーだった! SFの巨匠アシモフが著した、安楽椅子探偵ものの歴史に燦然と輝く連作推理短編集が、読みやすい新装版として隔月で刊行開始!

感想・レビュー・書評

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  • 何十年ぶりかの再読。思っていたより給仕ヘンリーが前に出てくるし、英語がわからないと楽しめない話も多かったけれど、これぞ〈安楽椅子探偵〉安定の面白さ。それと作者のあとがきの内輪ネタも楽しめた。また続きを読もう。

  • 111108さんに影響されて読んだ本2連続。

    おじさんたちのあれやこれやの推理が、ヘンリーによって単純にスッキリ解決されていくのが、からまったネックレスがほどけた瞬間のように爽快。
    これを12連続で読めて、しかも続巻もあるなんて、なんて幸福。

    特に結末ではっとさせられたのは「会心の笑い」「実を言えば」「明白な要素」。
    特に愛すべきおじさまは、定番の冗談をヘンリーに「いささか鼻についた感じがございます」とこてんぱんにされるトランブル、メンバーを家に招いていそいそ料理を作るルービン。

    • ロッキーさん
      111108さん、どちらにもコメントありがとうございます!!

      とんでもないです、癖の強いおじさん最高です笑
      トランブル氏、ルービン氏を筆頭...
      111108さん、どちらにもコメントありがとうございます!!

      とんでもないです、癖の強いおじさん最高です笑
      トランブル氏、ルービン氏を筆頭に、どのおじさんも愛くるしいです\( ˆoˆ )/笑
      続きも楽しみです!
      2022/11/28
    • 111108さん
      ロッキーさん
      おじさん愛♡優しいですね!私は本の中の出会いでよかったと思いました。おじさん達の暴走とヘンリーのクールな決着の対比も面白いです...
      ロッキーさん
      おじさん愛♡優しいですね!私は本の中の出会いでよかったと思いました。おじさん達の暴走とヘンリーのクールな決着の対比も面白いですけどね♪
      2022/11/29
    • ロッキーさん
      111108さん
      おっしゃる通り、もし黒後家蜘蛛の会のおじさんたちが上司や親戚だったら、呑気に愛せないかもしれません笑
      ほんとそうですよね、...
      111108さん
      おっしゃる通り、もし黒後家蜘蛛の会のおじさんたちが上司や親戚だったら、呑気に愛せないかもしれません笑
      ほんとそうですよね、ヘンリーも大好きです!
      2022/11/29
  • 『小説という毒を浴びる』(桜庭一樹/著、集英社)に掲載されていた桜庭さんと道尾秀介さんの対談の中で紹介されており、無性に読みたくなりました。

    月に一度の「黒後家蜘蛛の会」の晩餐会。
    そこに集うのは、6名の会員たちとホストに招待されたゲスト、そして給仕の男が一人。
    あるときからこの会には不思議な謎が持ち込まれるようになります。
    素人探偵たちがあれやこれや推理を繰り広げますが、最後に謎を解き明かすのは、いつも給仕のヘンリーでした。

    自身の立場をわきまえつつ、静かに慎ましやかに謎を解くヘンリーがすてきです。
    本書には12編が収められていますが、やっぱり第1作目「会心の笑い」の穏やかなのにぞくっとする最後の一文がたまりません。

    本書のおもしろいところは著者のアイザック・アシモフがたびたび顔を覗かせるところ。
    まえがきだけでなく、12編の短編それぞれにあとがきが書かれているのです。
    読み終えるころには、アシモフのことを、いろいろ読者に話しかけてくるユーモラスでおしゃべりなおじ様…と思うようになっちゃいました。
    このシリーズは全5冊刊行されているので、物語はもちろん、アシモフのおしゃべりもまだまだ楽しめると思うとうれしくなります。

  • なんともまあ アシモフの安楽椅子探偵短編集
    実際にアシモフが参加していた会がモデルになっているそうで、まさに食事の際の会話にて蜘蛛の糸のように広がる会話からミステリーの…

    なんてことは正直どーでもよかです
    この本の最大の魅力はアシモフの散りばめられたコメント。人によってはそれこそが宝石箱のようにキラキラして楽しいのではないかと思う
    とても短く、そしてワンアイデアを楽しめる謎
    本筋も楽しいですけれどその周りを埋めるオマケが愛おしい、そんな本でした
    本業の方のアシモフが好きな方には期待する奇想のような楽しみ方は皆無かと思いますけど、ホントにっこり読める本でした 存在は知っていたけど読んでビックリ、こういうアシモフの姿を知れてヨカッタす

  • やっと読めました、『黒後家蜘蛛の会』!
    これは是非、続巻以降も読んでいきたいと思います(^^)/

    そもそも、「黒後家蜘蛛」というなんだか恐ろしげなタイトルはなんぞや?と疑問だったのですが、クロゴケグモというのはアメリカに生息する毒蜘蛛だそうな。
    画像検索してみましたが、黒い体に赤い斑点があり、交尾の後雄は雌に食べられてしまうんだとか……。
    社会的地位のある6人の紳士が毎月集まり、女人禁制の場で素敵な食事とお酒と給仕を堪能する会としては、ぴったりなネーミングですよね。

    展開はいってしまえばワンパターンなのに、むしろ落語のオチのような、安心感のある本書。
    いずれも読み応え十分な12編が収められているのですが、印象に残ったのは「ブロードウェーの子守歌」でしょうか。
    ここで話題になるのはなんと、集合住宅の騒音トラブル。
    マンションに住む人であれば誰でも、上下左右斜め一体どこから聞こえてくるのかわからない音に悩まされた経験はあるはず。私はあります。
    そうした点で共感しやすいお話でしたし、アイザック・アシモフ自身もまさに騒音トラブルがきっかけでこちらを執筆したそうで、一気に親近感を覚えました。いつものレストランと違い、個人のお宅での会食も打ち解けた雰囲気で楽しかった(⁠*⁠´⁠∀`⁠*⁠)
    また、思わず笑ってしまったのが「実を言えば」。
    途中で気付いた読者の方もいらっしゃるかと思いますが、私はあのヘンリーの台詞に思いっきり力が抜けてしまいました。笑
    収録作のほとんどがコージーミステリな中、異彩を放つ「日曜の朝早く」もスパイスとなっていて良かったですねぇ……。ヘンリーの誠実さと優しさが身に染みました。

    そうそう、この『黒後家蜘蛛の会』の何が魅力的って、アシモフ自身のコメントがたくさんあること!(平成の少女マンガのコミックスにあった柱コメント、あれが大好きだったんです)
    まず、「まえがき」の
    「最近のミステリは酒に浸した上にたっぷりと麻薬を注ぎ込み、セックスで味つけをしてサディズムで焼き上げてある」
    「一方、私の理想とするところはエルキュール・ポワロとあの小さな灰色の脳細胞なのだ」
    の時点でそれはもうアシモフと固い握手を交わしたくなりましたね……!そうなの、現代ミステリってそんなのばっかり!!!
    各話ごとに執筆の裏話などが明かされるのも興味深いですし、何よりコメントから滲み出るユーモアとミステリ愛に惚れ惚れしてしまいました。質問がたくさん来るからあらかじめそれに答えるスタイル、面白すぎる。

    最初こそ〈ブラック・ウィドワーズ〉の面々がなかなか覚えられず、何度も人物紹介を行ったり来たりしたものですが、それぞれの個性が掴めてからは一気に愛着が湧きました。
    各々特徴的だと思うのですが、なぜ映像化してないんですか……?毛色の違うイケオジ6名+ゲスト+完璧な給仕のヘンリーなんて、絶対画面映えするだろうになぁ。
    なんとも嬉しいことにアシモフ自身〈ブラック・ウィドワーズ〉を気に入って、このあとも第5巻まで刊行されています。
    異なる分野の叡智と鮮やかな解決と。知の巨人、アイザック・アシモフの著した極上のミステリを、今後もじっくり楽しんでいきたいと思います!

  • 月に一度、女人禁制の晩さん会が開かれる。その名は『黒後家蜘蛛の会』。メンバーは弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者、と様々だ。
    毎月ホストがゲストを1名招待し、ゲストが提供するちょっとした謎を皆で解決しようとする。しかし、結局最後に謎を解くのは会合が開かれるレストランの給仕、ヘンリーであった。

    本書は12編の短編からなり、基本的にはすべて前述の流れで話は進む。提供される謎は、学生時代のカンニングの方法や暗号解きによる遺産探し、殺人事件までバラエティ豊かである。
    皆自分たちの専門分野と興味を生かしてああだこうだ意見を述べ合うのだが、気楽な会で責任もないので言いたい放題である。自己主張の強い面々なので、けんかになることもしばしばで、仲が悪いのか?と勘違いしてしまいそうだが、きっとそのけんかも含めてわいわいすることがいい歳をしたおじ様たちの楽しみの一つなのだろう。

    読みはじめは誰が誰だかわかりにくく、キャラクターをつかみきれないところもあったが、それぞれの性格を理解できるようになると愛着を覚えてくる。そうなると、同じようなパターンが繰り返されても水戸黄門のような味わいになるから面白い。

    私の好きな話は、ゲーム好きな友人が自分に残した遺産のありかを「アリスの不思議な省略」という謎の言葉から推察する『不思議な省略』。『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の話を知っていないとわからない部分もあるが、ゲームを解くような楽しさがあり、後味もよい。

    本書のもう一つの楽しみは、作品ごとに添えられたアシモフによるあとがきである。ちょっと人を食ったようなユーモアのあるコメントで制作秘話を惜しげもなく公開してくれていて、アシモフ自身この短編を書くのを楽しんでいたのだろうな、というのが伝わってくる。

    ちなみに、会の名前にある『黒後家蜘蛛』は、猛毒を帯びた美しい蜘蛛であるが、毒を持つのは雌のみで、雄は雌よりずっと小さく、空腹時もしくは交尾の後、雌に食べられてしまうらしい。女人禁制もむべなるかな、である。

  • こちらは前職で一緒だった人におすすめを聞いて教えてもらった一冊です。
    ミステリーでそこまで怖くなくてって話してたら、
    安楽椅子探偵なんてどうですか?と。

    月に一度、黒後家蜘蛛の会が開催されて、
    その会ではひとりだけゲスト参加も許されています。
    そこで持ち寄られた話の中の謎を解いていく。

    これ、森博嗣さんの作品で同じような形読んだことある、と思いましたが安楽椅子探偵ものだったんですね、そしてアシモフさんのが全然先ですね。苦笑

    出席者各自の意見や考え推理が展開されるなか、
    最後は給仕のヘンリーが鮮やかに謎を解き明かします。
    同じような流れの中で
    こんなにバリエーションあるのかっていう驚きと、
    各話の終わりに
    著者のコメントが載っているのが贅沢です。
    元ネタや着想など語ってくれています。
    それがまた面白くてユーモラス。

    ただ、これはめちゃくちゃ個人的なことなんですが、
    私、カタカナ覚えるのが苦手すぎて、
    誰が誰だか覚えられず、
    (名前と愛称が混ざると余計。苦笑)
    毎回登場人物紹介に戻るという。。。苦笑

    シリーズであと4冊(全5冊)あるんですよね。
    これも時間と余裕と気持ちが向いたときに、
    続きを読みたいと思います。
    最後どうなるのか気になる…(そのまま終わるのか、この会に何か変化があって終わるのか)

  • 去年の夏くらいに買った。
    基本的にどの巻から読んでも楽しめると思っている….が!やはり私は1巻から読んで欲しい。
    6人のおじ様達が、一つのミステリ的話題について、ゲストを招き、皆んなであーだのこーだの言って、最後に給仕が真相を当てると言う形なのだが…
    おじ様達のやり取りが、私はとても愛おしく感じるのである。
    各話の最後にアシモフの解説が付いているのもいい。
    短編集だから、寝る前に1つ読んで寝るとか、やっぱり今日は2つ読んで寝ようとか出来るのもよい。

    私はこれが好きで、何度か再読している。
    毎回読んでも、おじ様達のやり取りがいいんだよな。
    私はミステリを推理しながら読むことが出来ないため、そんな楽しみ方をしている。

  • コージーボーイズの何たらを読んで以来読みたかった本がタイミングよく再販されたようで読むことができました。黒後家蜘蛛の会に入りたい。料理の扱いが雑というような解説ですが、私は料理もすごく美味しそうに感じてそれも含めて会に入りたい。女性禁止なんて残念。

  •  SFの大御所、アイザック・アシモフがミステリを書いていたということを、私は寡聞にして知らなかった。旧Twitterで呟きを見かけて、短編集だと知り興味を持って手に取った。
     舞台設定が面白い。女人禁制の会合で最初は雑談をする場だったのに、次第に謎解きをするようになっていく。
     一冊に12作という数が収録されていて、ひとつひとつの話が実にコンパクトではある。しかし、それぞれが大変読み応えがあり、とても面白い。登場人物にそれぞれクセがあるのも面白い。表紙のデザインはその重要な登場人物をモチーフにしているのだとすぐにわかる。内容としては安楽椅子探偵モノを雑学で彩った感じで、アシモフの教養の広さがすごいなあと感心してしまう。中には『えっそれってアリなの?』という、やや反則的に感じるものもあるけれども、全体を通してみても面白い。特に第一作は、おもいっきり唸ってしまった。
    アシモフといえば、大分昔に彼が書いた『化学の歴史』という本を持っているのだが、長いこと積ん読していた。良い機会だから、読み進めていくのも悪くないかもしれない。

  • アイザックアシモフの本を初めて読む。
    少し自惚れも感じさせる作者だと思ったが、確かに面白い。いろいろな推理小説を読んできた人にとって特に面白く感じるかもしれない。ダイイングメッセージが複雑なものであることが多い推理小説への皮肉的な展開が特に印象に残った。

  • 「黒後家蜘蛛の会」なんともオドロオドロした会。
    ウルトラQのエピソードに「クモ男爵」というのがあった。夜更け道に迷った一行が駆け込んだ館は……。

    原題は“TALES OF THE BLACK WIDOWERS”
    なぜこんな題名になったかは、作者前まえがきを。

    給仕のヘンリーは別として、メンバーの個性を把握するのに少し時間がかかったけど、全十一話が小噺のような小気味良い結末。物語ごとの作者の作品エピソードも興味深い。

    なにより、描くのが楽しそうな作者がいることが、良い。

  • 森博嗣の、犀川の最後の事件を読んで、この本が言及されていたので手に取った。

    アシモフって推理モノも書いてるんだー、というほどの認識で読む。
    そも、アシモフ自体はじめて読んだ。

    淡々とした火曜クラブ。
    ジーヴスみたいな人=給仕のヘンリーが探偵役。
    淡々とシンプルで読みやすかった。
    作者本人による一編ごとのあとがきが読めて得した気分。
    クリスティのアクロイド、ぎりネタバレ回避のセリフがあった。

    クラブの参加者たちを全然覚えられないのだけど、仲いいのか悪いのか、なんかこういう趣味の仲間っていいわねーと思えた。

  • このシリーズが人気の理由は、読めばすぐに理解できた。
    面白いのが通常運転みたいな連作短編集って凄い。
    会員同士の知的な会話やゲストが持ち込む謎すらも面白く感じる。
    ストーリーはシンプル、だけど満足度は高い。
    ヘンリーの控え目な推理とラストの一言も好き。
    これは全巻読もう。

  • 離脱→積読

    昔はこういうミステリ好きだったのになー!
    なんか今は読めない

  • 月一回の晩餐会、そこで話される不思議な謎。会員たちの推理が煮詰まった頃に真相を言い当てる給仕のヘンリー。安楽椅子探偵の短編集。

    アイザック・アシモフって名前はすごく有名でミステリのイメージが無かったけど面白かった。

    話の流れはほぼテンプレ化というか様式美というか同じだけど飽きない。
    真相も単純に考えれば分かるものもあれば知識が必要だったりと色々パターンあり。

    明白な要素、面白かった。こういう角度からの話も良い。

    とりあえずシリーズは続けて読んでみようかな。

  •  『黒後家蜘蛛の会』と呼ばれる会合で、会員やゲストから提示される不思議な謎をウェイターであり会員の一人でもあるヘンリーが次々に真相を言い当てる連作短編集で、話を聞いて真相を当てていく安楽椅子探偵方式で進み、オーソドックスながらも確実に真相を解明する流れが面白かった。

  • すずめさんの感想に刺激されて猛烈に読んでみたくなり入手。短編集は一気に読まずに1日1話ずつ読んで行くのが楽しいなと気づきました。このシリーズはEQMMに連載されてたものとのことで、月一会の会合ということで各ストーリーが連続しています。アシモフはSF作家としてしか知りませんでしたが、ミステリーもいいですね。

    ただ、87年19版を入手したので今は改訂されてるのかもしれませんが、2話目で民族差別的訳語が出てくるので星一つ減。当時から悪意なく普通に使っていたところがますますたちが悪く根深い感じ。改めたいたいものです。

    各編ごとについている作者のあとがきが楽しい。それにしても、こんなふうにバーだったり居酒屋であーでもないこーでもないと楽しい時間を過ごしていたのが懐かしい。もう同じ形には戻らないかなと思うとちょっと寂しいです。

  • 私が初めて『黒後家蜘蛛の会』に出会ったのは、学生の頃、推理小説という推理小説を読み散らかしていた頃である。
    アイザック・アシモフという名は、SF好きの知人から聞いていたので、SFにさほど興味のない私としては、縁の無い作家だと思っていた。
    けれども、書店で見つけたその本は推理小説ということだし、帯に絶賛の推薦文もあったので(だいたい帯はそういうものだ)、まずは一冊手に取ってみることにした。

    これがめっぽう面白い。

    シャーロック・ホームズ、シェイクスピア、聖書、SF、日常のこと、etc. etc. etc...あらゆるジャンルの話が出てくる。

    アメリカの事情や、英米の文化、英語についての話などはまったく別の世界で解らないが、
    そこはそれ、短編集なので、一編わからないものがあっても、次はまた別の話、すっかりテーマはかわってしまう。

    さらに、一編ごとに作者アシモフが現われて、その話にまつわる裏話を語ってくれるのだ。
    このかるいユーモアが面白い。知らないテーマの話であってもだ。
    本編で頭をしぼって、裏話に笑う、頭を絞る、ユーモアに笑うという繰り返しがなんとも心地よい。

    「緊張と緊張の緩和」とは、桂枝雀が落語の面白さについて述べた言葉だが、これはきっと落語に限らない。
    『黒後家蜘蛛の会』こそは、緊張と緊張の緩和、名人の独演会である。

    私は間もなく5巻全てを買いそろえた。

    1巻から読んで、5巻まで読んで、そしてまだ飽き足りなくて、1巻から読み始める。
    黒後家蜘蛛の会の面々と別れがたくて、ずいぶん繰り返し読んだものだ。

    しかし、迂闊なことに、私はシリーズ5巻を失ってしまった。
    読みたいと思っても手元にない。
    惜しく思っていたが、今回、シリーズが再版されてこんなに嬉しいことはない。

    改めて読んでみても、やはり面白かった。
    さらに驚くべきことに、面白いと思う話が増えているのだ。
    どうやら私も多少なりと知っていることが増えて、以前さっぱりだったテーマがわかるようになったらしい。

    そしてまた、登場人物たちの夫婦関係もうかがえるようになっていた。
    口ぶりなどからして、概して、彼らの夫婦仲は、よい。
    読んでいてこれは嬉しい。
    ミステリ好きだからといって、殺伐とした話ばかり読みたいわけではない。
    頭を刺激され、唸ったり笑ったりして楽しむ話も大好きだ。

    この再販をきっかけに、新しい読者が増えてくれたらなお嬉しい。
    知の御大にしてユーモアの名手アイザック・アシモフの緩急の妙に、皆にして酔おうではないか。

  • 軽い気持ちで読めて楽しい。しかしヘンリー以外の人物があんまり好きになれないなー。

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著者プロフィール

Isaac Asimov (1920―1992 )。アメリカの作家、生化学者。著書に『われはロボット』『ファウンデーション』『黒後家蜘蛛の会』等のSF,ミステリーのほか、『化学の歴史』『宇宙の測り方』等の科学啓蒙書やエッセイが多数ある。

「2014年 『生物学の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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