- Amazon.co.jp ・本 (622ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488183080
感想・レビュー・書評
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青天白日の身となったハリエットが、死体を見つけてしまう。ピーター卿、すかさず登場で、ダブル探偵でストーリーは展開します。
何ともこんがらがった事件!なのにカギは死亡推定時刻をひっくり返す「病気」だとは! -
ピーター卿もの。ハリエット・ヴェインは徒歩旅行の最中に喉を掻き切られた死体を発見する。死体は海際で潮に流され詳細がわからなくなり、被害者や容疑者たちの不審な動きに惑わされるピーター卿は真実を言い当てられるか――。法月氏の解説があとがきにあるのだけれど、それが作品を見事に解説されている……簡単に言うと様々な推論をだす探偵の推論はことごとく外れるアリバイもの。ページ数の多い作品だったけれども退屈せず読めた。死体の不可解な謎やピーター卿とハリエットのユーモアなやり取り、暗号の解読などなどが興味を引き付けてくれたからだと思う。アリバイものはこんがらがるのであまり好きではなかったので、結末はそうなのかと思う程度だったけれども……。アリバイを崩すきっかけはいささかよくわからないと思ったりも。とはいえ、面白い作品でした。
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ハリエットは一人旅の途中に海辺で死体を発見したが、死体は潮にのまれて消えてしまった。ハリエットは彼女が事件に巻き込まれたことを知り飛んできたピーター卿と二人で死体の身元と死因を探り始める。
どちらかというとハリエットがメインの一冊。 (2002-01-27) -
執事のバンター有能すぎる。ピーター卿とのかけあいが面白すぎて大好きだー!!
ヴェイン嬢とピーター卿の恋の駆け引きも素敵です。煮え切らないあたりがもどかしくてサイコー。
もちろん推理作品としても一級品。600ページというかなり分厚い部類の文庫だと思うが、この厚みを感じさせないほど展開に引き込まれてすいすい読めた。
こうなると、セイヤーズ影響を受けたといわれている執事ジーヴスシリーズも読んでみたくなるなぁ。 -
長かった・・・。ピーター卿と麗しのハリエットの掛け合いが面白いけれど、二人の間の問題は結構根が深いのね・・・(主にハリエット側の問題で)ということがよくわかりました。でも、(ロマンス的には)そこがいい!
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セイヤーズのピーター・ウィムジィ卿シリーズ第7弾。
作風が変わってきた前作の長編と同様、謎解きがまるでパズラーのように凝った構成。といっても、それがやや飽きるほどバリバリだった前作「五匹の赤い鰊」と違い、今作はピーターの愛するハリエット嬢や従僕バンターも登場、その活躍あいまって、人物とのやりとりは可笑しくもあり、物語としても楽しめる。
ピーター卿とハリエット嬢の掛け合いや、バンターの涙ぐましいほどの尾行劇なども面白いし、何しろことごとくピーター卿の推理が暗礁にのりあげては、打ち砕かれるプロットが巧み。
その物語性の面白さと解けない謎がこの長編をどんどん読み進ませるから、さすがで、更に作品ごとにパターン化せずに趣が変わるのもスゴイ。 -
ピーター卿とハリエット嬢の掛け合いが面白い。
バンターはあいも変わらず有能で素敵だ。尾行する男の頭を見つめすぎて泣いちゃうバンター大好きだ。
しかし、話はおもしろくない。アリバイと登場人物と暗号がごちゃごちゃしすぎて話が進まず、微妙。
エラリー・クイーンだって試行錯誤しながら探偵家業が進むのに、ちっとも進まず。
28章の暗号解読はひたすら苦痛。ものすごいパズラー。この小説に、暗号解読要素は一切いらないよ〜(泣)
セイヤーズはクイーンと張り合ったり、探偵論にガツガツした性格だった模様。 -
バンターとパーカーがあんまり出てきませんでした…。