囁く谺 (創元推理文庫 M ウ 9-5)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (529ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488187057

感想・レビュー・書評

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  • 減点、減点、減点!

    ミステリーの方は相変わらず緻密すぎる組み立て、まるでペルシア絨毯のよう(本人はうまいと思ってる例えシリーズ)

    でもなんでしょうこの全体に漂う馬鹿にされてる感

    主人公がちょっと好きになれないんですよね
    馬鹿だから
    主人公あるいは主人公たちがほんと揃いも揃って馬鹿なんですよ
    ここで言う馬鹿っていうのは「男ってほんと馬鹿よね」の馬鹿です

    そこまでひどくはないけど男なら一度や二度はほんのり経験したり、思ったり、言ってしまったりっていうようなことをやってくれちゃうんですな

    そしてミネットに「まぁ男なんて3人揃ってようやく一人前よね」って言われてる気がするんですよね

    うんまぁ間違ってないけど(間違ってないんかい!)

  • 「氷の家」と同じ作者だったので。

    南アフリカのレストランに現れる女性を勝手に老女だと思いこんだのが、敗因なのか、
    途中で訳が分からなくなった。

    浮浪者の死体が一つ、外交官と銀行員の行方不明事件が二件、新聞記者とストリートチャイルド、写真係の三人の男の人生が錯綜している。

    男四人のクリスマスの風景も良かったが、主人公の記者は母親との関係が好転してよかったし、ストリートチャイルドはストリートから抜け出せそうでよかったが、写真係は救われない。

    ミステリー自体に興味が持てなかったのも、訳が分からなくなった原因かも。
    もうちょっと、男三人の生活が幸せに続いて欲しかった。

  • 悪女タイプの女性を調べようとしてはまっていく男性。男性作家が書きそうな設定をわざと楽しんで書いているようです。この構成とキャラクターはミステリ・ファンなら面白く読めると思います。

  • この作家はどれも読みやすい。

  • 「遮断地区」のミネット・ウォルターズさん。
    何というか、ペダンティックで緻密で社会派。それほど感情移入できないし、好きというわけではないのだけど、何となく手にとってしまった。
    あまりに緻密で込み入ってるので、最後まで読んで、謎解きが終わっても、あまりすっきり感がなかった。キャラクターは悪くなかったけど。

  • 「氷の家」で衝撃なデビューを果したミネット・ウォルターズ。
    書評はどれも誉めていました。でも、私はそう思わなかった1人でした。
    イギリス・ミステリーだなぁ~という感が強かったし、内容もそう興味を持つようなものでもなかったんです。
    だけど、新刊がでるとどうしても手がでてしまう作家なのです。
    新作がでるたびに、ウォルターズの面白さがわかってきました。
    全体的には静かに事が進行していきます。
    そしていろいろな新事実がでてきて、全てが一直線に並ぶと、ひゃ~となるクライマックスへ突入するのです。
    その進み方が見事ですね。読者をじ~っくりと読ませるタイプの作家です。
    するめじゃないですが、読めば読むほど味がでます。
    本書は最初からワクワク。
    餓死を選んだ浮浪者の身元も不明だし、でてくる脇役のことも面白いし。
    久々に満足する作品を読んだような気がします。

  •  「なぜなら、どんな人間であれ、その人生がなんの価値もないものとみなされ、死に方だけに興味が集まるのを当然のことのように受けとめている社会は、ひどく歪んでいると思うからです」
     これに続く主人公ディーコンの言葉の通り、たくさんの人が毎日ひっそりと亡くなっていますが、その一部がセンセーショナルに報道されることはあっても、その人がどのような人生を送ってきたのかということになると、多くは語られることがありません。

     本作では、ロンドンの個人の敷地内にあるガレージでホームレスの男性(ビリー)が死んでいるのが発見され、その死の謎を追って物語が進行します。死因は餓死。しかし、ビリーの死んだガレージには食料がたっぷり詰まった大型の冷凍庫が置かれていました。男はなぜこの家で、なぜ餓死したのか?

     生きている間は関心を持たれず、特異な死に方のみ注目される社会というのは確かにどこか歪んでいるのかもしれません。『囁く谺』では、そういった人々の象徴として、テムズ川沿いの倉庫に住む浮浪者たちにスポットを当てています。

     本作は、推理小説ではややもすると軽い扱いをされている死者をテーマにした意欲作ということになるのだと思いますが、正直、これまでのミネット・ウォルターズの作品と比較すると少々物足りない印象を受けてしまいました。ウォルターズの登場人物には毎回ドキッとさせらる部分があるのですが、今回はそれがあまり感じられなかったのが一因かと思います。彼女の作品には多くを期待し過ぎてしまうようです。決して面白くない訳ではありません。
     四十代でバツ2の記者ディーコン、老齢のユダヤ人弁護士ローレンス、写真オタクのバリー、そして利発でたくましく生きているホームレスの少年テリー。どこか哀愁のある彼らが、ビリーの死と人生を通じて集まり、あまり良い印象の無かったクリスマスを共に過ごすシーンはとても面白く、時にしんみりとさせられます。ウォルターズの作品には珍しく男性メインの物語ですが、これはこれでありかなと思います。

  • このところ立て続けに読んできた作者の作品の中ではいまいちかなぁ。

    登場人物は脇役に至るまで、皆なかなかに魅力的(これは必ずしも好感が持てるという意味ではありません^^;)で、筋立ても凝ってるし、読んでいて面白いことは面白いんだけど、読み終わってから、ええ?って感じになる。
    全体的にとっちらかってる感じなんだよね。
    それは、さきに挙げた良い点2つが悪く作用しているとも言えるけど。

    あと、今までの作品と違って、完全に男性主人公だけの目線で話が進んでるのも敗因かも。
    女性キャラが強烈なのに定評がある(私の中で^^;)作者なのに、本作にはヒロインになる女性がいないんですよね。
    一応、アマンダがそういう位置づけといえなくもないし、彼女は、後に明らかになる行動面からするとかなり強烈なキャラではあると思われるんだけど、様々に疑われていて話のキーになるという役柄上、心理描写とかが全くできないので、キャラクターの掘り下げようがないんですよね。

    おかげで、本作には直接的な恋愛模様の類が全く出てこなくて、私の好みからすると大変に爽快なのですが、その分やはり人間関係が浅い感じになり、利害関係や隠し事なども減るため、緊迫感のようなものがなくなり、全体的にダレた感じになるのは否めないんですね。

    『氷の家』の警察官と容疑者的位置の女性の唐突な恋愛的事態(変な表現ですが、いろいろと複雑なのです)には呆れて、少々げんなりはしましたが、やはり、あれがあるが故の場の緊迫感とかは凄いんですよね。
    まぁ、あれは設定自体が特殊で、それ故の緊迫感が元々かなりあるから、単純比較するのはフェアじゃないですが。

    ポイントはやっぱり強烈なキャラクターの不足かな。
    さっき女性キャラが弱いってことを書いたけど、考えてみれば、別に男性で強烈なキャラクターがいればそれはそれで納得したかもだし。
    みんなそれぞれに魅力的というのは、裏を返せば、そこそこの魅力しかないということかも。

  • 珍しく主人公の恋愛要素なし。
    主人公のディーコン(メタボになりかけ)、
    職場の同僚(デブの無自覚ゲイ)、
    ディーコンが拾ってしまった口がたち、はしこいストリートキッズテリー、
    突然絡んできたディーコンの元知り合いの老弁護士ロレンス、
    謎の餓死したホームレスビリー。
    いけすかない女、アマンダ。

    アリバイまで扱い始めたときには笑ってしまった。
    動機はこじつけだけど、
    伏線の回収はカタルシス(所々理解不能)

  • あとがきにもありましたが、かなりややこしい話でした。

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