病める狐 上 (創元推理文庫 M ウ 9-7)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488187071

感想・レビュー・書評

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  • 前向きで明るく朗らかで力強い女性を描かせたら無双のミネット・ウォルターズですが、まるっきり反対の嫉妬深く陰湿で身勝手な女性の描写も天下一品
    物語に同時に登場させることで、朗らかな女性の魅力を倍増させるという呪文バイキルトの使い手

    そして男どもはそんな女性にコロッとやられるのだ
    作中の男どももコロッとやられる
    恐ろしいリアリティだ

    そして物語はコロッとやられた男二人が家から出て闘うことを決意して下巻に続く!

  • 下巻でまとめて

  • 「氷の家」と同じ作者だったので。

    養女に出された孫娘と祖父、死んだ祖母。
    トラヴェラーの人々と「フォックス」仕切るその計画。
    農園をめぐって高まる緊張。

    面白かったけど、もっと主人公の孫娘に活躍してほしかったのに、
    予想外に祖父の弁護士が活躍していた。
    それと、目的は農園の乗っ取りかと思っていたのに、盗みだったとは。
    フォックスの連続殺人の扱いも軽くてがっかり。

    (下巻へ続く)

  • かなり前に読んでいた氷の家や女彫刻家と違うかな?
    面白いんだけど、読み進むのがしんどかった。

    主人公のナンシーのみ焦点が当たるわけじゃなく
    トラヴェラーの侵入とそれに戸惑う住民の
    なんだかなーという展開がかなりを占めてます。

    まぁナンシー、アンカートンは魅力的だからね。
    他の悪意ある方々もじっくり書くことで
    それがまた強調されるかのよう。

    それなりに納得のいくラストの展開ですが
    一番良かったのが、最後犯人に当てた弁護士の手紙。
    犯人のダメっぷりが如実でダントツに面白かった。

  • 何が起こるのかな、わくわく。
    登場人物たちのちりばめの巻。
    俗悪で自分自身を生きるのに一杯いっぱいのひとたち。

  • 「氷の家」「女彫刻家」のミネット・ウォルターズが二度目のCWA最優秀長編賞を受賞した作品。

     イギリスの寒村で起こる、死と暴力。

     読み終えたあと、また最初から読みたくなります。
     なんつーか、ぐちゃぐちゃに絡まった糸を、少しずつほぐしていって、最後に真直ぐになった…そんな快感があります。
     やっぱり、すごいよウォルターズ。

     物語が実際に動き始めるまでに、かなり長い導入があって、ちょっとしんどいww が、これを超えると一気に走り始める。ジェットコースターのすごいヤツって、のぼりの時間が長い。そんな感じと思っていただけるとよろしいかと…。
     
     主人公は、軍人一家のふしだらな娘が若くして産み、養子に出した娘。
     彼女も、軍人になっている。この設定が、すごく生きてる。生きてるから、彼女と祖父のやり取りが格好いい。
     この作品、出てくる人間が、いい人も悪いやつも含めて、皆いいのだ。すごく造詣が深い。だから、最後の数行で涙腺が決壊しそうになってしまう。
     
     なんか、どれをどう書いてもネタバレになりそうなので…。
     でも、今年の「このミス」はこれで決まりです。

     最後に、ある意味キーパソンである人は、姿を現さない。
     この潔さは脱帽ものです。
     
     クールで、でも人生に対する愛おしさに溢れた作品です。

  • 新ミステリの女王ミネット・ウォルターズ、「鉄の枷」に続く2003年のCWA最優秀長編賞受賞作。
    ドーセットの寒村シェンステッドでは、不穏な空気が渦巻いていた。狐は次々に罠にかかり、ある子供は虐待され、深夜に嫌がらせの電話がかかる。
    移動生活者(トラヴェラー)達が地主のいない空き地を占拠し、権利を主張する…トラヴェラーのリーダーはフォックス・イーヴルを名乗る。
    その正体は?
    前半の重苦しさを跳ね返すような颯爽としたヒロインの登場、一気に形勢逆転なるのか?
    2002年の発表、こちらでは昨07年の発行。
    巻末を見ると翻訳されていないのもあるんですね…渋めなのか?「蛇の形」は傑作だけど万人向きではないからかな。

  • 久しぶりのページターナー。面白すぎて、文章にまとめにくい。またあとで。

  • 一番最初は話の展開がさっぱり見えずとまどったし、前半部分は舞台装置を整えるための状況説明とかでなかなかまだるっこしかったけれど。弁護士のマークが違う観点から事態を見直したあたりから、ドミノ倒しのようにパタパタパタパタとそれぞれの登場人物が動き出し、ドラマもありアクションもありの結末までの流れはさすがCWA賞受賞作家。

    イギリスの旧家ロキャー・フォックス家の馬鹿息子&馬鹿娘、いろいろなしがらみと愛情で判断を誤ってしまったその両親、母親の方の死にまつわる不自然な点と根強い噂、残されたロキャー・フォックス大佐をいたわる弁護士、馬鹿娘の私生児として生まれたけれど養父母に育てられ毅然とした軍人に育った孫娘、周りに済む人々の妬みと嫉み、、、そこにトラヴェラー(”ジプシー”と言われた方がわかりやすいですが政治的に正しくない呼称ということでたぶん”トラヴェラー”となっている)が土地を占拠した、という不穏な状況が重なって、、、

    イギリスの法律事情(所有者がはっきりしていない土地はそこを占拠して囲い込んだ者が所有権を主張できる?!)がよくわからなくて最初はとまどいましたが、人物の描写がとてもリアルで深く、おもしろかったです。

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