見習い警官殺し 上 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 50
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488192068

作品紹介・あらすじ

被害者の名はリンダ、母親が所有している部屋に滞在していた警察大学の学生。強姦されたうえ絞殺されていた。ヴェクシェー署は腕利き揃いの国家犯罪捜査局の特別殺人捜査班に応援を要請する。そこで派遣されたのはベックストレーム警部、伝説の国家犯罪捜査局の中では、外れた存在だ。現地に入ったベックストレーム率いる捜査チームは早速捜査を開始する。CWA賞・ガラスの鍵賞等5冠に輝く『許されざる者』の著者の最新シリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • 被害者の名はリンダ、母親が所有している部屋に滞在していた警察大学の学生。強姦されたうえ絞殺されていた。ヴェクシェー署は腕利き揃いの国家犯罪捜査局の特別殺人捜査班に応援を要請する。そこで派遣されたのはベックストレーム警部、伝説の国家犯罪捜査局の中では、外れた存在だ。現地に入ったベックストレーム率いる捜査チームは早速捜査を開始する。

    「許されざる者」は、傑作だったと思うが、こちらはまだよく良さがわからないまま、下巻へ。

  • うーん、下ネタが多くて引いた。事件の事よりやたらに飲むシーンも多くて、それが人物像を深く描くと言うより、ページ数を増やす為だけのように感じた。下巻に期待したい。

  • 「許されざる者」が素晴らしかったので手に取りました。許されざる、、はタイトで素晴らしかったけれど、こちらはちょっと冗長かなあ。なかなか進まない。ベックストレーム警部の人となりのためか、下世話な場面か多いし。ソーセージがらみのネタが度々登場して閉口しました。下巻に期待!

  •  ドイツの法律家フェルディナント・フォン・シーラッハは、作家自身の実務経験に基づいた現実的な素材を元にした短編小説が特徴であるが、スウェーデン作家レイフ・GW・ペーションは犯罪学の教授である。そしてシーラッハとは対極的に同じ実務経験で得たものを長編小説に加工して提示している。現実に起きる事件はこんなものであり、それはこうして小説の素材になってしまうんだ、と二人のスタイルの違う経験豊富な作家たちが別の表現でエンターテインメントの地平に提示しているかに見える。

     長編小説としての本書は、シーラッハのように最小限の関係者だけで恐ろしい犯罪のエッセンスを数ページの掌編に込める方法ではなく、恐ろしく地味で、現実的で無駄も余白も多い捜査模様のうちに個性的な捜査官たちを配置し、それぞれのショートカット・シーンを幾人も幾通りもも積み重ねてゆくことによって、大きな舞台装置を演出しているように見える。

     ペーションという作家は初の邦訳作品『許されざる者』は、心臓を患った元警部ヨハンソンという、アームチェア・ディテクティヴ(車椅子探偵)ならぬ医療用ベッド探偵の推理、およびその手足となって彼を助ける元捜査官ヤーネプリングの活躍を描いたもので、ヨハンソン・シリーズの最終作が実は最初の邦訳となってしまったのだが、本書はその5年も前に書かれた作品で、ヨハンソンは後半戦で満を持して登場する。

     本書は、優秀厳格なヨハンソンとは対照的に、ちびでデブでエゴ丸出しでいいとこなしの駄目警部ベックストレームのシリーズ第一作である。故R・D・ウィングフィールドの人気シリーズ・フロスト警部みたいにユーモラスで頑固な親父捜査官なのだが、フロストのような捜査のシャープさがなく、部下に厳しく己に甘い半アル中の捜査官なのである。

     事件は警察学校の女子学生がアパートでレイプされて殺害されたという単純なもの。事件現場には未登録のDNAが遺されていたので、ともかく家族関係、知人関係のDNAを検査するということだけが、ベックストレームの捜査方針。だが、刑事たちはいずれも個々により深い捜査や推理にこだわり、彼を苛つかせる。それぞれの捜査官たちの個性や物語も、シリーズ第一作らしく、微に入り細に入る。

     捜査は脱線と寄り道を繰り返し、単純な事件に見えるのに、マスコミとの戦争、社会現象としての捜査陣批判、的外れな捜査、無駄な捜査と、時間ばかりが無為に過ぎてゆく。ページは前に進むのに、物語は一向に進まない。本筋とは縁のない的外れな枝葉末節と思われる事象に寄り道し、捜査官の個々の描写に寄り道し、ベックストレームによる事件以外の汚職的行為の数々にも触れて読者を呆れさせる。

     ヨハンソンが事件に介入する後半部分では、こんな事件一昼夜で解決させられるじゃないか、との見通しで、それが当たららずとも遠からずの展開になる辺りで、ようやく読者は心地よさを得ることができる。全体に現実的すぎる事件の曖昧な動機、真犯人の性格の焦点が絞りにくい点、新装に至る歯がゆさ、などなど実際の事件とは、凡百のミステリー小説のようにミスリードや伏線による面白さではなく、こうした社会事象の積み重ねみたいな、人間模様の複雑怪奇さに面白さがあるんだよ、と犯罪学教授としての作者らしき声が聞こえてくる気がする。その辺りでシーラッハとの共通の地平があると、ぼくは感じた次第。

     誰にでもおススメできる小説とはとても言えないが、一昨年『許されざる者』の読者にとっては、あの頑迷で強推理のヨハンソンとのまさかの再会は、ある意味たまらなく嬉しく感じられるに違いない。

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