サイモン・アークの事件簿〈1〉 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ホ 4-8)
- 東京創元社 (2008年12月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488201081
感想・レビュー・書評
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超常現象が絡んでいそうな不可解な事件を、これまた年齢不詳の不可解な人物が解決するシリーズ短編集。
合理的な解決とちょっと割り切れないところのある余韻が特徴かな。
コズミックホラーとは別な派閥に属しているようなので、そっちの方を期待すると残念に思う人もいるでしょうが、そもそも短編推理小説が得意な作家さんなので、推理小説が好きなら楽しめるのではないかと思います。
作者さんが亡くなってしまいましたが、翻訳は引き続き出版を続けてほしいものです。 -
二千年生きてるというオカルト研究家のサイモン・アークと友人の編集者。
一見不思議な殺人事件を、サイモンがスパッと解決。
とっかかりはオカルトだけど、中身は殺人ミステリ。
歳をとらないサイモンが一番のオカルトです。
これは楽しめました。 -
ミステリ。短編集。10作。
1作30ページほどで、文章が簡潔なこともあり、非常に読みやすい。
怪奇趣味と不可能犯罪の組み合わせが、どことなくジョン・ディクスン・カーを思わせる。どの作品も謎が魅力的。良作。
ベストは「妖精コリヤダ」、次いで「狼男を撃った男」。 -
3
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怪盗ニックと同じ作者だったので。
サイモン・アーク、千五百歳ぐらいの元コプト教の僧侶にして、
悪魔を求めて世界を旅する男。
墜落した飛行機を捜しにエジプトの砂漠へ向かったり、
オオカミを撃ったはずが男が死んでいたと主張する男のところへ行ったり、
ジャワ島を占領した日本軍が残した黄金を巡る殺人に遭遇したり。
最初の「死者の村」では、
村の人間がみんな崖から飛び降りて死んでいた。
金鉱ねらいの犯罪だろうとは気がついたが、
新興宗教を標榜する男がやってきて村のみんなが熱狂していった、
と証言した、村に住んでいた女性が怪しいと思っていた。
まさか、その女性が主人公(普通の人間の男性)と結婚するとは。
自分の汚れ具合が少し嫌になった。
それにしても、付け髭したぐらいで女性が男性に見える? -
短編ミステリの名手と言われるエドワード・D・ホック。イベントにお誘いいただき初めて手に取りました。自称二千歳のサイモン・アークが73人もの人間が崖から飛び降りた謎の大量自殺に挑むという一編目は、二十数ページながらきっちり本格で楽しく、これは素敵な作家さんに出会ったと嬉しくなりました。悪魔退治をするというサイモン・アークの設定上オカルトがかった事件も多いようですがこの本ではきっちり手がかりが与えられて解決していくものが多く楽しめました。シリーズの続きはもちろんホックの他のシリーズも是非読んでみたいです。
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本が好き!で知った1冊。
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古書店にて半額以下で購入。悪魔や超常現象を捜し求める二千歳のコプト教僧侶か、はたまた理知的なオカルト探偵か……自分好みの探偵像や巻末の『ザディーグ』への言及が気になり、何度か手に取り、書棚に戻しを繰り返していたものの、20%オフのセールに乗じて遂に購入。但し読み始めるまで一年近くかかったが……。究極の悪(P26)を捜すというその信条は矢吹駆のようでもあり、黒い服着て超常現象のまやかしを追い回す様は京極堂を彷彿させるものがある。ミステリとしては実に正統派で、時が経つにつれオカルト色が薄れていくのも時代故か。