老人たちの生活と推理 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ソ 1-1)
- 東京創元社 (2000年7月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488203023
感想・レビュー・書評
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何故か7、8巻から読んだので、1巻から。
個性の強い老婦人4人組が事件の解明に乗り出していく。
最初に探偵ごっこを提案したのがキャレドニアだったのがビックリ。
膝が痛くなったり、物忘れがあったり、耳が聞こえにくくなったりしても、警部補に関わらないように釘を刺されても、構わず元気に動き回る。
しかもこのお若い警部補さん、そんなご婦人方にイラついたりせず、うま~く誘導して話を聞き出す手腕をお持ちのようで・・・素晴らしい。
ユーモアたっぷりで、優しく、面白く、ちょっと切なくて、次巻も楽しみ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
海の上のカムデン#1。ドロシー・ギルマン「おばちゃまはスパイ」、ジャナ・デリオン「ワニ町」に続いて、手を出してしまったおばあちゃん活躍もの。忙しい時期に、コージーミステリーは本当に癒やされる。
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即物的なタイトルそのまんま、介護老人施設入居者のばあさんたちが、施設内で起こる連続殺人事件の謎を解く。なんかどこかで見たようなと思ったら、似たような「木曜殺人クラブ」を読んだばかりだった。もちろん警察はちゃんと捜査しているのだが、したたかで行動力のある年寄りに振り回されるばかり、というのもお決まりのパターンだ。狭い世間での事件なので、どうみても内部犯で動機も限られてしまうところが弱い。老人ものではないがこれも最近読んだ「にぎやかな眠り」そっくりだ。こうも類作ばかり読まされると、舞台が舞台なので制限はあるにせよ、もうちょっとプロットの練りようがあるのではという気がしてしまう。まあ生き生きして可愛げのあるばあさんたちの言動、つまりタイトルの前半部分が主題なのだといわれれば納得ではあるが。
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海の近くにある高級老人施設で、地味で貧乏たらしい
スィーティーが海岸に続く階段の下で死んでいるのが発見された。スィーティーは若い頃は図書館司書をやっており、今も本で得た知識を誰彼構わず披露するので、迷惑がられていた。しかし、そのスィーティーの部屋を見ると、宝石やブランド物にバックなどたくさんの高級なもので溢れていた。暇を持て余した老人たちは、自分たちがこの事件を解決するのだと乗り出して…
アンジェラとキャレドニア、ナン、ステラの仲良し4人組が自分達に住んでるところで起きた事件を解決するべく、無茶をしたり刑事さんに怒られたりとする。見てて心配になるけど、少しだけ応援もしたくなる。
結末は意外や意外。まさかの彼女。そして、刑事さんのイケメンぷりが目立った。みんな自分が大切にしてるものを守るために頑張ってきたのだなとは思ったが、まぁ、やはり被害者がクソだったというね。
シリーズ物になっているぽいので第二弾も読んでみたいな。
2021.12.29 読了 -
面白かった❗
四人組のお話かと思ってたら…、意外すぎる展開でした。
みんな個性的で楽しい。ホントにいたら困る人達も多々いましたが。
シリーズものなので続きを読むのが楽しめ。 -
8冊目まで入手できたので、久々に最初から再読。7年振り!?
ほんとパワフルなおばあちゃんず。
このシリーズの良いところは、警察の人がアメリカのミステリにしては珍しく紳士。むしろ菩薩様と言っていいくらい。だいたいアメリカの警官って無頼マッチョ脳味噌筋肉君ばっかりだからね…。
あと、読了後の読み口が優しいところかなぁ。ホッとする。 -
世の中のおばあちゃんには2種類ありまして。
つまりはかわいいおばあちゃんとかわいくないおばあちゃん。
ホテルを改装した老人ホームで、ビーチに出るための階段の下に倒れた入居者の遺体が発見されたとなれば、まあ、事故ですね。
ところが彼女は滅多刺しにされていた。一体誰が、なんのために?
というところで立ち上がりました、一般的にはかわいくないんじゃないかな的なおばあちゃん、アンジェラ。
いや、警察に任せて置こうぜ…と読者にツッコミを入れられそうな勢いで暴れまわります。
面白かったです。 -
毎回同じ老人ホームで起こる殺人事件を解決する
入居者の老人2人。
はなからシリーズ化に無理がある。
まぁそんなカタいこと言わずに読むと
探偵役であるおばあちゃんの大きい方は、
訛りを表現した訳が面白いし、
小さいおばあちゃんは、少女のように可愛らしい。 -
シリーズ最終巻を読んだので、1巻から再読。
初読の時にはさらっと読み流していたが、主役のアンジェラがこんなに嫌われものだったとは?!
この巻でも少しオトナになっているし、シリーズが進むにつれて、性格が矯正されて魅力的になっていたんだな~、とあらためて驚いた。キャレドニアはあまり変わらない。そこがいいところだし。
あと、最初の方の「老いるとはどういうことか」の文章がすばらしかった。著者が登場人物と同じ年代というのは有名だけれど、「老人になる」ことの鋭い分析と、的確で容赦ない(ので却って清々しい……)描写が秀逸❗
おそらく著者はここの部分がいちばん言いたかったんだろうなぁ。
妙に腑に落ちてしまって、初読から自分にも15年の月日が経ったことを実感した。
事件そのものもきちんと作り込んであり、どんでん返しもあり、表紙の絵もかわいいし、邦題がちょいとカタすぎたのが日本ではあまり流行らなかった理由かも?
洒脱と笑いと切なさとやるせなさと時間の重みと強さと優しさが絶妙にブレンドされていて、本格コージーミステリの傑作。