- 東京創元社 (2025年2月19日発売)
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感想 : 22件
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784488203108
作品紹介・あらすじ
あんたとあたし。
どこにも帰れないから、どこへだって行ける。
喧嘩っ早い少女×生真面目な大学生
盗んだ車で走りだす、少女たちの共闘の旅。
ウィルバー・スミス冒険小説賞受賞作!
高校を退学になったばかりの少女チャーリーは、 金の延べ棒(インゴツト)を盗んだことで姉の恋人と争いになり、彼を殺してしまう。現場に居合わせたナオという大学生の提案で、ふたりは死んだ男の車に乗り、死体を捨て、ハイウェイを走りだす。あとを追ってくるのは何者か? なぜ車には黄金が隠されていたのか? 正反対の性格で、ともに帰る家なき少女たちの共闘を描くクライムサスペンス! 著者あとがき=エマ・スタイルズ/解説=杉江松恋
感想・レビュー・書評
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ぶつかり合いながらも相手を思いやり、自身を乗り越えていく犯罪&青春ロードノベル #銃と助手席の歌
■あらすじ
高校を退学になった少女チャーリーは姉の彼氏ダリルのことが大嫌い。チャーリーはダリルから金のインゴットをこっそり盗み出してしまう。
チャーリーが帰宅すると見知らぬ大学生の女性ナオがいた。彼女は何かこの家に用事があるようだが、正体も理由もよくわからない。自宅には姉の彼氏ダリルが待ち構えており、インゴットの件で言い争いになってしまう。
勢いあまってダリルを殺害してしまった二人は、ダリルの車を奪いハイウェイを北へと向かう。しかし彼女たちを追ってくる者がいて…
■きっと読みたくなるレビュー
まだ世間を知らない若い少女たちが図らずも事件を犯してしまう犯罪小説。そしてオーストラリアの西海岸を逃げながら、同乗者と心の痛みを交わしていく青春ロードノベルでもあります。
本作メインの登場人物である女子三人、彼女たちがしくしくと胸に刺さるんですよ。ひとりひとりすんごく尖っていて、まさに触るものみな傷つける的な感じ。私にも息子がいるんですが、今まさに反抗期気味でして、ちょっと似てるんだよなー
○チャーリー:妹
世間知らずで粋がってる若者、口が悪く向こう見ず。いつも衝動的な行動をとるため、頻繁にナオを怒らしてしまう。きっと悪い娘じゃないんだけど、必死に生きてる感じが痛々しい。
○ナオ:大学生
先住民アボリジニの血を引く女性、法律を学ぶ大学生で生真面目。しかし言えない秘密があり、チャーリーに隠し事を繰り返してしまい、全く信用を得られない。知恵は多少あるけど圧倒的に経験不足な女の子。まぁ20代なんてみんなそうだよね。
○ジーン:姉
いつも良くない連中とつるんでいる悪ガキな娘。でも妹思いのお姉ちゃん、特に両親が居なくなってからは、いつもチャーリーのことを気にかけているイイ奴。なんでこんな生活してんだって思うけど、実は彼女こそ必死に生きてきたんだよなー。個人的には一番好き。
チャーリーとナオは、全編ずーっと二人きりで逃走し続けるんですが、この二人の性格が全く合わなくていつも喧嘩ですよ。
最初はチャーリーの粗野っぷりが気に入らなかったけど、読んでいくとナオにも原因があるんですよね。もちろんそこには言えない秘密、理由があるからなんですが、読者視点からすると仲良くやりなよって思っちゃう。
しかし、ここが本作の一番の読みどころなんです。チャーリーではなく、ナオがいかに自分を乗り越えていくか、というところが成長のポイントなんですよね。
そして姉ジーンと妹チャーリー、姉妹の関係性も良く描けていて切なかった。すでに両親がいない二人は、お互いに寄り添って生きようとしている。姉は母親代わりになるように妹を想い、妹は姉のことを少しでも支えよう、助けようとするんです。二人ともやり方は幼稚なんだけど、愛情の深さは手に取るようにわかるんですよ。
ひたすら逃げ続けるロードノベルですが、中盤辺りからストーリーが一気にサスペンス風味を増してきます。そしてナオの過去には何があったのか、彼女たちを追ってくる者は何者なのか、そしてインゴットに関する秘密など、徐々に分からなかったの謎も明かされてきて… 終盤からラストは一気読みです。
途中イライラしたことが何度もあったんですが、最後はすっかり彼女たちを応援しっぱなしでした。そしてラストは、もう完全に号泣でした。
■ぜっさん推しポイント
本作をまるごと振り返ってみて、なんで未来のある若い女性たちがこんなことになってるんだと問いたい。
彼女たちの奮闘ぶりの影に、身勝手な大人たちに腹が立って仕方がありませんでした。もっと悪者たちが報いを受けるシーンを入れてほしいですっ -
原書のタイトルは、"No country for girls(女たちに安住の地はない)" 舞台は西オーストラリアのアウトバック(荒野)を縦断する3000kmのグレートノーザンハイウェイ。パースに住む17歳の娘チャーリーが姉ジーンの恋人ダリルを誤って殺す場面から物語は始まる。チャーリーはその場に居合わせた身元も知らないアボリジーニの血を引く大学生ナオと共に死体を緑のトラックに積み、助手席の下に金庫から盗んだ大量の金塊の入ったバッグを隠し、荒涼たる原野が続くハイウェイを逃亡する。援護する味方も腕力も金も武器もない若い女二人が次々に遭遇する危機から脱する方法は知恵と勇気だけ。映画テルマ&ルイーズのロケーションをオーストラリアに移し、いくつかのプロットデバイスを加えたロードトリップサスペンスで、それでも読み始めたらアンダードッグ効果?なのか二人が無事に逃げ切ることを希いながら一気に読了。
アボリジニの人生感に通じる"Liyan"についてもう少し深くナオの叔母の話が聞きたかった。
「自分のliyan を聴きなさい、ノミ。きちんと耳を傾けるんだよ」‘You want to listen to your liyan, Nomi. Pay attention to it.’
ふたりとも、何かを背負っているのだろう。ここまで一緒に来たのだから。薄い雲の向こうで燃える太陽が、進むふたりを照らし長い影を落としている。あんなにも日焼けしたチャーリーは見たことがない。あんなふうにストライドの大きい歩き方も。They’re both owning it, aren’t they? They’ve come all this way together. The two of them throw long shadows as they walk, as the sun burns through the thinning cloud. Charlie’s got a suntan Geena’s never seen on her. A length in her stride she’s never seen before either. -
オーストラリアを舞台にしたロードノヴェル。何でも挑発的で汚い言葉しか使えないチャーリー。金の延棒を盗んだ事で姉の恋人を殺してしまったが、ひょんなことからその場に居合わせたナオと死体を捨てハイウェイを北に走る羽目になる。本文はチャーリーとナオの視点から描かれる。全く違う面を持つ2人の女性、そして乾燥したオーストラリアのクリスマス時期の暑さ、正体不明の追手、と見所が満載。女の子が主人公だから読者を選ぶかもしれないが私は大満足だった。
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読み手次第やろけど、自分は合わなかった。年老いただけかも。
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タイトルと装丁に惹かれ購入
オーストラリア西部が舞台で、雄大な自然の中での冒険譚を期待してたが、小説自体が逃亡劇なのでそういった趣向はあまりなかった
タイトルが腑に落ちてなかったがラストまで読むと、翻訳本ならではの良さを感る
ただ、この本のターゲットはどこなのだろうと思う。オーストラリアの原住民の人や、舞台近辺の人は面白く読めるだろうけど、舞台に馴染みのない日本人にとっては中々没入して読むのは難しいのではと思った。
解説で言語化されている部分だけで、小説自体の面白みの大半はわかってしまうような本。 -
背表紙にある「帰る家なき少女たちの共闘を描くクライムストーリー」という魅力的なワードと「ジャケ買い」を誘う真っ赤な夕日を背景にしたロードムービー風の表紙。確かにその通りの内容なんだが、今一つ没入できずに読み進めてしまったな。
少女2人のキャラクターに魅力を感じられるかどうかが試されていたのかも。残念ながら背景含めて深く共感することができずに、マイナス点ばかり目についてしまいました。
作品の中にも出てきますが、確かに「テルマ&ルイージ」的ではあるので、お好きな方にはオススメします。 -
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やれやれ、女の子を主人公に据えるのはここのところのトレンドだからね。ただそれだけ。
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性格強めの少女と落ち着いた女子大生を主人公に据えたロードムービー的小説。
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オーストラリア発のロードサスペンス。面白かった。
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序盤から中盤までは良かった。
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出てくる風景が好きだった。ロマンをかきたてられた。
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ロードムービーのバディもの
それぞれの視点デ語られる物語が良くて
第三者の視点で物語を楽しめた
序盤の面白さは凄くて一気に惹き込まれましたが
中盤が少し似たような展開が多く中だるみ感が否めなかったかな
伏線が回収されていくラストは良かったです!
表紙の美しさに見惚れてジャケ買いしましたが
間違いなかった!

毎度のことながらの
あらすじ、読みたくなるレビュー、ぜっさん推し
とお見事!としか言えません。
レビューを拝読しているだけで...
毎度のことながらの
あらすじ、読みたくなるレビュー、ぜっさん推し
とお見事!としか言えません。
レビューを拝読しているだけで
この本の世界に入り込んでしまいます。
ありがとうございます。
Xやノートも拝読してますよ!
お褒めいただき、ちと恥ずかしい… まだまだ修行の身です
そしてXやnoteも見ていただき嬉しいで...
お褒めいただき、ちと恥ずかしい… まだまだ修行の身です
そしてXやnoteも見ていただき嬉しいです、またぜひコメント下さいまし!