背後の足音 上 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488209124

感想・レビュー・書評

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  • ヘニング・マンケル『背後の足音 上』創元推理文庫。

    クルト・ヴァランダー・シリーズ第7弾。読み順番が少し前後してしまったが……

    北欧ミステリーということで、登場人物の名前を頭に入れるのに多少苦労するものの、ストーリーは相変わらず面白い。

    夏至前夜に公園でパーティーを開く3人の若者が何者かに射殺される。事件を追うヴァランダー刑事は、その捜査会議に無断欠席した同僚刑事が気になり、夜中に同僚のアパートを訪れると、同僚も何者かに射殺されていた……

    3人の若者とヴァランダーの同僚刑事を射殺したのは同一犯なのか……

    本体価格1,200円
    ★★★★★

    • goya626さん
      どんなストーリーの面白さなんだろう。特捜Qが面白かったので、北欧ミステリーに関心がないわけではないのだが、どうも暗そうなんだよなあ。
      どんなストーリーの面白さなんだろう。特捜Qが面白かったので、北欧ミステリーに関心がないわけではないのだが、どうも暗そうなんだよなあ。
      2019/07/07
    • ことぶきジローさん
      『特捜部Q』とは異なる警察ハードボイルド小説です。マイクル・コナリーの小説にも似ています。
      『特捜部Q』とは異なる警察ハードボイルド小説です。マイクル・コナリーの小説にも似ています。
      2019/07/07
  • この本に限らす、洋書は登場人物の名前がなかなか覚えられず、最初は苦労するのだが、今回は更に北欧ということで聞き慣れない名前がいっぱい…。
    最初は「誰?」と登場人物のページに戻って確認してたけど、段々慣れていった。
    バラバラのヒントが少しずつ、本当に少しずつ、繋がっていくのが面白く、先が気になる。

  • 昨年夏翻訳発行の最新作。
    スウェーデン南端イースタ警察のクルト・ヴァランダー警部のシリーズ。7作目。
    前の事件から2年後。

    リガに住む恋人バイバとは4年間断続的に付き合ったが、やはり国が違うために結婚は出来ないと断られてしまう。
    一方、亡くなった父親の家は、売りに出すことになります。
    ヴァランダーは体調が悪く、離れて暮らす娘のリンダとせっかく出かけてもあまり疲れている様子に驚かれる。
    さすがに病院へ行くと、血糖値が高いとわかり、動揺することに。

    真面目な警官であるカール・スヴェードベリが連絡を寄越さずに休み、おかしいと気づいたヴァランダーは夜中に一人で彼の家へ。
    死体を発見してしまいます。
    誰とも深い付き合いのなかった彼が、唯一仲の良かった看護師の従妹イルヴァに、ヴァランダーを友達と言っていたと聞いて驚く。
    スヴェードベリの意外な一面、そして不審な行動がしだいに明らかに…

    若者3人が夏至の前夜、仮装パーティに集まったまま旅行に行ってしまったらしい。
    行方が知れなくなっていて、母親は心配しているのですが、旅行先からの葉書も来ているので、捜査にはかかっていないという案件もありました。
    ところが、3人の遺体も発見される。
    現場の様子には不自然さが有り、理由もわからない。
    パーティに参加するはずだったもう一人の女の子イーサを訪ねたヴァランダー。
    イーサの両親は裕福だが、連絡しても旅行先から帰っても来ない冷たさ。孤独なイーサは、何か隠している?

    犯人側の視点も少しだけありますが、正体や動機が全くわからないので、怖さがあります。
    後ろから迫って来るかも知れないような。
    相変わらず不健康なヴァランダーですが、事件には没頭。
    のめりこみ&ひらめき型なので、読んでいる方も引きこまれていきます。
    有能でも、事件を防ぐ所までは出来ないのが苦しい所。
    中年男らしい悩みでいささかみっともない状態になるのも続いています。これは人間味?
    女性署長や娘とだんだん上手くやっていけるようになったようなのは、少しだけ成長したかも。
    作家の筆は、冴え渡っています。
    1997年の作品。

  • ヴァランダー、超人的

  • あああ、この話もドラマで見てしまったものだった・・・ orz
    しかしドラマの内容などすっ飛んでしまった
    一気に下巻を読んでしまいたいが完徹になってしまう!
    ヴァランダーのがんばりに付き合ってしまおうか、非常に悩ましいところ・・・

  • ヘニング・マンケルが描く刑事クルト・ヴァランダーのシリーズ第7作。
    公園でミッド・サマー・イヴのパーティーをしていた若者が姿を消した。一方、出勤しないままの同僚スヴェードベリ。彼を心配して深夜にアパートを訪れたヴァランダーが見たものは・・・。

    一押しの警察小説。今回はレギュラーの一人がまさかの退場。同じスウェーデンのマルティン・ベックの「笑う警官」を少しだけ思い出した。

    さて、どうなる下巻。

  • スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『背後の足音(原題:Steget efter)』を読みました。

    『目くらましの道』に続き「ヘニング・マンケル」作品です… 読み始めると北欧ミステリは続いちゃいますね。

    -----story-------------
    〈上〉
    夏至前夜、三人の若者が公園でパーティを開いていた。
    十八世紀の服装、料理、ワイン。
    彼らをうかがう目があるとも知らず……。
    イースタ警察署に娘を捜してくれという母親の訴えが出された。
    夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ。
    捜査会議を招集したが、刑事の一人が無断で欠席した。
    几帳面なはずの人物がなぜ? 
    不審に思ってアパートを訪ねた「ヴァランダー」の目の前に、信じられない光景が。
    シリーズ第七弾。

    〈下〉
    長年一緒に仕事をしてきた同僚の刑事が殺された。
    そのあまりに無惨な姿に、イースタ署の面々は言葉を失った。
    どうやら彼は、例の若者たちが失踪した事件をたった一人で調べていたらしい。
    二つの事件は同一犯の仕業なのか。
    調べ進むうちに明らかになる、殺された刑事の隠された素顔。
    自分はいったい彼の何を知っていたのか。
    「ヴァランダー」ら捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が……。
    現代社会の病巣をえぐる北欧の巨匠の傑作。
    訳者あとがき=「柳沢由実子」/解説=「小山正」

    *第1位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/総合部門
    *第1位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/翻訳家&評論家部門
    *第3位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/読者部門
    *第4位『このミステリーがすごい!2012年版』海外編
    *第4位『ミステリが読みたい!2012年版』海外篇
    *第6位〈週刊文春〉2011ミステリーベスト10 海外部門
    -----------------------

    警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの第7作… 第1作の『殺人者の顔』、第4作の『笑う男』、第5作の『目くらましの道』に続き、本シリーズを読むのは4作目です、、、

    本シリーズ、新しい作品が出る度に長くなる傾向があるようで、本作品は上下巻で850ページを超える大作になっています… 読み応えありましたね。


    夏至前夜、三人の若者が自然保護地区の公園でパーティを開いていた、、、

    十八世紀の服装、音楽、美味しい料理、ワイン… 物陰から彼らをうかがう目があるとも知らず。

    その三人の若者のうちの一人「アストリッド・ヒルストルム」の母親「エヴァ・ヒルストルム」から、イースタ警察署に娘を捜してくれという訴えがあった。

    夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ… 旅先から絵はがきが届いてはいるのだが、筆跡が偽物らしいというのだ、、、

    母親の熱意に動かされた「ヴァランダー」は捜査会議を招集したが、同僚の刑事のひとり「カール・エヴァート・スヴェードベリ」が無断で欠席した… 電話をしても応えるのは留守番電話ばかりで、いっこうに連絡がとれない。

    几帳面で遅刻などしたことのない「スヴェードベリ」が、なぜ? 不審に思ってアパートを訪ねた「ヴァランダー」の目の前に、信じられない光景がひろがっていた… 長年一緒に仕事をしてきた「スヴェードベリ」はライフル銃で頭を撃たれ殺されていた、、、

    そのあまりに無惨な殺人現場に、イースタ署の面々は言葉を失う… どうやら「スヴェードベリ」は休暇まで使って、例の若者たちが失踪した事件を一人で調べていたらしい。

    二つの事件は同一犯の仕業なのか? 調べ進むうちに、次第に明らかになる、「スヴェードベリ」の隠された素顔… 自分はいったい彼の何を知っていたというのだろう、、、

    そして、自然保護地区の公園で三人の遺体が発見される… 三人とも銃で頭を撃たれており、しかも、遺体は一度どこかに持ち去られたあと、再度、殺された場所に置かれていた。

    捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が… 三人の若者とのパーティーに参加する予定だったが、体調を崩して参加できなかった「イーサ・エーデングレン」が銃で撃たれて殺され、さらに結婚式を挙げた直後に記念撮影をしていた「トルビューン・ヴェルネル」と「マーリン・スカンデール」の新婚夫婦とカメラマンの「ロルフ・ハーグ」が銃で撃たれて殺される、、、

    次に狙われるのは誰か? そして、「ヴァランダー」にも魔の手が迫る… 糖尿病からくる身体の不調(本人は同僚たちにちょっと血糖値が高いだけ… と言って、糖尿病とは言いませんが)と闘いながら、「ヴァランダー」は同僚たちの協力を得ながら、事件の真相に迫る。

    相変わらずですが… 現代社会の病巣を見事に描いた快作でしたね、、、

    第6作の『五番目の女』を飛ばして読んだので、いつのまにか「ヴァランダー」の父親は亡くなり、「ヴァランダー」と「バイバ・リエパ」との関係も終わってしまったみたいです… やっぱ、順番に読むべきだったかなぁ。




    以下、主な登場人物です。

    「クルト・ヴァランダー」
     イースタ警察署の刑事

    「アン=ブリッド・フーグルンド」
     イースタ警察署の刑事

    「マーティンソン」
     イースタ警察署の刑事

    「カール・エヴァート・スヴェードベリ」
     イースタ警察署の刑事

    「ハンソン」
     イースタ警察署の刑事

    「スヴェン・ニーベリ」
     イースタ警察署鑑識課の刑事

    「リーサ・ホルゲソン」
     イースタ警察署の警察署長

    「エッバ」
     イースタ警察署の交換手

    「ツーンベリ」
     代理の検事

    「クルト・ヴァランダーの父」
     画家

    「イェートルード」
     その妻

    「モナ」
     クルトの別れた妻

    「リンダ・ヴァランダー」
     クルトの娘

    「バイバ・リエパ」
     リガに住む未亡人

    「ステン・ヴィデーン」
     クルトの友人

    「イルヴァ・ブリンク」
     スヴェードベリのいとこ、助産師

    「スツーレ・ビュルクンド」
     スヴェードベリのいとこ、大学教授

    「ルイース」
     スヴェードベリの恋人?

    「ブロー・スンデリウス」
     元銀行理事

    「アストリッド・ヒルストルム」
     行方不明の若者

    「マーティン・ボイエ」
     行方不明の若者

    「レーナ・ノルマン」
     行方不明の若者

    「イーサ・エーデングレン」
     アストリッド、マーティン、レーナの友人

    「エヴァ・ヒルストルム」
     アストリッドの母

    「エリック・ルンドベリ」
     イーサの隣人

    「バルブロ」
     ルンドベリの妻

    「レナート・ヴェスティン」
     群島の郵便配達人

    「スティーグ・ストリズ」
     スヴェードベリを訴えた男

    「ニルス(ニッセ)」
     スティーグの弟、故人

    「ルート・ルンディ」
     ニルスの内妻

    「トルビューン・ヴェルネル」
     新郎

    「マーリン・スカンデール」
     新婦

    「ロルフ・ハーグ」
     カメラマン

    「マリア・ヨルトベリ」
     ロルフのアシスタント

    「ロネ・シェール」
     コペンハーゲン警察の刑事

    「シェル・アルビンソン」
     郵便物の集配責任者

    「オーケ・ラースタム」
     郵便配達人

  • 7作目。夏至前夜、18世紀の装束を身に着けて自然保護区の人目につかない場所で秘密のパーティーを開いていた若者たちが何者かに額を撃ち抜かれる犯人目線のショッキングなプロローグ、儀式のようなパーティを開く若者と正体不明の処刑者のような犯人という組み合わせに今回もなんだかすごそうと読み進む。本編ではシリーズ1作目からヴァランダーとともに捜査にあたっていたイースタ署の刑事が連絡もなく会議に現れず不審に思ったヴァランダーが夜中に急に思い立って自宅へ赴くとライフルで正面から撃たれて遺体となった同僚を発見するというまさかの展開に驚かされました。事件が芝居がかっていて動機も不明で手がかりもないのに加え、同僚の突然の死に動揺しながらも知っているようでまったく知らなかった同僚の人となりや人生を洗い出さなければならないヴァランダーたち。殺された刑事は夏季休暇中に単独で若者の失踪事件の捜査をしていたことが判明します。そんななか犯人が地中に隠しておいた遺留品と遺体を掘り起こして元通りに並べ直すという猟奇的な行動に出て失踪ではなく殺人事件に巻き込まれていたことが明らかになり、単独捜査をしていた同僚と事件との関わりに動揺しながら、最悪は犯人だったのではという可能性も除外しないという苦しい捜査になります。友人ではないものの信頼関係を築いていた検事は休職してアフリカに行っており、代わりにやってきた若い規則重視の検事と対立があったり、体調が悪すぎて医者にかかると糖尿病と診断されたり、疲労困憊しながら難しい捜査にあたるヴァランダーはいつにもましてヨレヨレでした。シリーズ初期では有能だけれどいつも不機嫌で感じのわるかった鑑識のニーベリが良い味を出しています。上下巻とも分厚くて長かったですが一緒に捜査しているような気持ちで最後まで集中してドキドキしながらへとへとになって読了。いつもながらいろいろ考えさせられる作品でした。犯人の動機はやや分かりにくく、もうちょっと解説してもらいたい気持ちもありましたが、実際にはそんなにスッキリわかりやすい犯罪ばかりではないからこれがリアルなのかも、と思ったり。最後の怒涛の展開が特にすごかったです。

  • 犯人側の描写でも意図が分からず怖い。ちょっと超人的過ぎるので少し減点。一人でできる犯行には思えない。

  • 今回も何やり、思わせぶりな始まり。
    仮想パーティの若者達が殺され、ついにスェードヴェリまで殺されて・・・。

    かなりショッキングなスタート。
    次々と謎も深まり、細部を丁寧に描きこみいつもの展開でグイグイ物語に引き込まれていく。

    前作くらいから、作者のスタイルが完全に確立されて、
    じっくりと読める。

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