背後の足音 下 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 235
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488209131

感想・レビュー・書評

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  • ヘニング・マンケル『背後の足音 下』創元推理文庫。

    クルト・ヴァランダー・シリーズ第7弾。

    今から20年前の作品だというのに今の世の中とも通ずるような犯罪や人間の嗜好が描かれていることに驚かされた。まるで無差別的に無実の多くの人びとをいとも簡単に殺害する異常な犯人。このような異常な犯罪は、今の日本でも当たり前に起こるのだから恐い。

    殺害されたヴァランダーの同僚刑事が隠し続けてきた素顔。エスカレートする犯人の犯行は、ついに8人目の犠牲者を生み出す。明らかになる犯行の動機……ヴァランダーの運命は……

    本体価格1,200円
    ★★★★★

  • 殺された同僚は3人の若者の失踪事件を単独で調べていたらしい。
    ヴァランダー警部はじめイースタ警察の面々は捜査に奔走するが、新たな犠牲者が…。

    ヴァランダー警部もアラフィフになり、スウェーデンの国民病とも描写されている糖尿病を発症する。
    周囲に素直に打明けることができないなか、この大変な病と共に事件捜査に立ち向かう。
    当然病状は悪化し、周りからの信頼もぐらついてしまう。
    別れた妻からの再婚の報告に、その相手を貶めてみたりもしてしまう。
    これぞ、まさしくしょぼくれ親父ヴァランダー!
    身近な人が糖尿で倒れて救急車で搬送と言うことがあったばかりなので、飲酒や乱暴な食事のとり方にやきもきしながら、先へ先へと頁をめくる。
    事件は地味に展開し、僅かずつその形が見えてくる。
    その合間にもこの親父のしょぼくれっぷりはいかんなく発揮され、今回の犯人の性格もあって捜査は後手後手に回ってしまう。
    それでも一歩一歩犯人に近づき、最後に半歩だけ先んじるあたり、読ませる。むふー。
    犯人の動機が弱く感じられる面もあるけれど、ラストのもっていき方がそれを十分補って、スウェーデンにおける社会の病巣を描いている。
    やっぱりヴァランダー警部シリーズはいいなあ。

    • kumanecoさん
      >take9296さん
      これは犯人側からの描写を省いちゃだめでしょう。
      新作が出たときの反応を見ると、マンケルファンは多いみたいですね。...
      >take9296さん
      これは犯人側からの描写を省いちゃだめでしょう。
      新作が出たときの反応を見ると、マンケルファンは多いみたいですね。うらやましい限りです。
      2011/11/24
    • take9296さん
      原作では「背後の足音」の次になるFIREFALLも観ました。原作を知らなければ、ドラマも結構楽しめることがわかりました。日本では、シーズン2...
      原作では「背後の足音」の次になるFIREFALLも観ました。原作を知らなければ、ドラマも結構楽しめることがわかりました。日本では、シーズン2まで放映、DVD化済み。イギリスではシーズン3まで制作中のようです(いずれも3作ずつ)。これから初期の小説群がどう料理されているのか、見守りたいと思います。映像化が原作本の売れ行きによい影響を与えますように。
      2011/11/25
    • kumanecoさん
      >take9296さん
      マンケルは日本でもっと評価されるべき作家の一人だと思います。
      映像と小説、双方がよい影響を与え合ってマンケルの名...
      >take9296さん
      マンケルは日本でもっと評価されるべき作家の一人だと思います。
      映像と小説、双方がよい影響を与え合ってマンケルの名が広まるといいですね。
      2011/11/26
  • 一気に読了。
    写真が女装した男性や、スェードヴェリがゲイとか、犯人が
    郵便配達員というオチは意外と早く分かる。
    それでも少しずつそこに近づいていくヴァランダーたちの捜査手法が緻密なので飽きずに読めるし、それぞれのキャラも少しずつ成長していて楽しめる。

    今回はヴァランダーのプライベートは意外と描かれておらず、父親のエピソードも、リンダもバイパもほとんど名前くらい。エリカというそれっぽい女性が一瞬登場するのみで、ひたすら犯人に翻弄されて終わるが、最後、新たな友人?
    を訪ねる辺りはなかなか印象深い。

    早くも次作に期待。

  • 面白かったぁ。新婚カップルが殺されたのは嫌だったけど。犯人を捕まえて署に戻った時のヴァランダーの姿を想像すると、可笑しかった。北欧ものはこういうちょっと笑える部分があってほっとする。
    エピローグも良かった。色々な事に区切りを付けて生きる気力を戻しに島へ行ったように思えた。スウェーデンに行ってみたい。
    自分の仕事に思い悩みながら進んでいく主人公にいつも共感し、励まされる。私も同じだから。
    そして身体的にも問題が出てきてるところも共感してしまう。
    それにしても、糖尿病に徹夜にとあんなに体を酷使してたのに、一人で逮捕しちゃうなんて。「リガの犬」の時も思ったけど、小説じゃないとあり得ないわ・・・

  • 決して派手ではない、地道な捜査が積み重なっていくだけ。かっこいい人がいない、みんな悩みを抱えている。だけれども一気に読めてしまう、さすがマンケル。しかしまさかフーグルンドが・・・とショック。早く次が読みたい。あとがきにもあったけれど、最初の3作で投げ出さなくて良かった! それにしても、文庫本の価格がもう少し安くならないものか。この厚さで千円はきつい。

  • 随分とスローペースで読んだが、高価な文庫なのでそれもよしとしよう。

    ヘニングマンケルを初めて読んだ。
    話に吸い込まれヴァランダーの愛すべきキャラにも惹かれてしまった。

    これからゆっくり時間をかけてヴァランダーシリーズを読めると思ったら実に幸せ。

    ミステリーなので幸せな話では無いけれども(笑)。

  • 今回またヴァランダーの鋭い冴えとアクション、反面情けない中年男のへこみ具合を味わえました。とは言え現代社会の闇の深さはなにもスエーデンに限った事ではなく、また犯罪の多様性や訳のわからなさのようなモノも奥深いのだと気づかされました。

  • 7月6日読了。図書館。

  • (上巻より続く)
    しかも、ちらちらしているヒント(女装とかホモセクシャルとか郵便とか)が、
    読者にはわかりやすぎて、
    警察にはわからなすぎて、いらいらする。

    とにかく、
    同僚の死とその隠された私生活よりも、
    同期の不条理さよりも、
    バイパを失った衝撃よりも、
    なぜか糖尿病の怖さだけが、印象に残ってしまった。

  • 今回も楽しく読むことできたけど、この小説の出てくる警官たちは、いつも体力ギリギリまで働すぎ。ヴァランダーもバイパと別れ、糖尿病にかかり、常に寝不足で不健康で、気の毒だ。次号は少し幸せになってくれるといいなあ。

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