ピラミッド (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 107
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (634ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488209209

作品紹介・あらすじ

北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルが生んだ名物刑事、クルト・ヴァランダー。そんな彼が初めて登場したのは『殺人者の顔』だが、本書はヴァランダーがまだ二十代でマルメ署にいた頃の「ナイフの一突き」「裂け目」から、イースタ署に移ったばかりの頃に遭遇した事件「海辺の男」「写真家の死」を経て、『殺人者の顔』直前のエピソード「ピラミッド」に至る5つの短編を収録。若き日のヴァランダーの成長を描いた贅沢な短編集。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ初の短編集。20代、30代のヴァランダーを読めるのが嬉しい。短編でありながら一編一編が重厚で長編と変わらず面白い。地道な捜査、先の見えない捜査。その過程は地味ではあるけれど惹きつけて離さない魅力、力がある。若いヴァランダーの恋、結婚、離婚。父との関係。シリーズではお馴染みの人物たち。それらの知らなかったことが見えてきて興味深い。若い頃からヴァランダーは変わっていないのも嬉しい。不器用で怒りっぽい。シリーズもあと2作で終わってしまう。個人的にはシリーズもので1番好きなシリーズ。今作も大満足。

  • 「1990年代のシリーズで描かれる時期の以前のクルト・ヴァランダー刑事」が5篇在り、それが集まった1冊が本書である。
    事件が発生し、色々と迷いながら、各々の切っ掛けで突破口が開かれ、解決して独特な余韻…というクルト・ヴァランダー刑事のシリーズの面白さ、魅力が高密度で詰まった一冊で、主人公との「再会」を存分に愉しんだ…

  • これまで長編ばかり読んできたが、これが初めての短編、中編をまとめたもの。どうかしらと思っていたのだが、期待と予想を大きく裏切る読み応えのある1冊だった。とにかく面白い。

  • ヴァランダー警部シリーズ。

    シリーズ化された主人公の過去が描かれた作品集。
    読者から熱望されたと書かれていたが、
    そこまでファンでない自分でも、面白く読めた。

    忙しいのに父親を救いにエジプトに行く破目になった、
    「ピラミッド」が一番面白かったかな。
    手芸店の老姉妹の意外な裏の姿が驚きだったし。

    モナが作品により、恋人、妻、元妻となっていくのが、
    少し辛かった。

  • ヴァランダーの20代から、第一作『殺人者の顔』前日譚までを集めた中短編集。

    刑事を目指していた巡査時代から、イースタ警察署の刑事捜査を担うベテラン刑事までの長期間の年代を追っている。私生活でも、夫婦関係や父親との微妙な確執など、その変化が順を追って垣間見える構成はまさにヴァランダー・ファンのための一冊と言えるだろう。

    話によって頁数が大きく異なるので、ストーリーの厚みに多少の差はあるが、短編であってもシリーズらしさは出ていると思う。社会的背景を色濃く出したやるせなさも印象に残るが、やはり警察ミステリとしてのプロセスが秀逸。特に巡査時代である前半が面白く、優秀だが風変わりな刑事の元で、戒められながも評価されていくヴァランダーの成長は読み応えあり。

    ミステリとしての謎解きは弱いけれども、情けない部分も含めてやっぱりヴァランダーに魅力を感じてしまうのだと再認識した一冊でした。未訳作品がまだかなりあるそうなので、それを読むまでは元気でいよう(笑

  • ヘニング・マンケル『ピラミッド』創元推理文庫。

    クルト・ヴァランダー・シリーズの中短編集。若き日のクルト・ヴァランダー刑事の活躍を描く。『ナイフの一突き』『裂け目』『海辺の男』『写真家の死』『ピラミッド』の5作を収録。

    スウェーデンのハリー・ボッシュと言うべきこのシリーズについてはもはや何ら文句の付けようが無い。面白いの一言。

    シリーズも残り2作。我が郷土の産んだ翻訳者の柳沢由美子さんには頑張ってもらいたい。

  • シリーズ開始までの出来事の短編集。
    久しぶりに初期のメンバー集合で懐かしかった。
    ドタバタぶりもいつも通り。
    シリーズ1作目を読んだときは何とドタバタすることかと思ったが、今はこれが心地いい。
    あと2作未訳があるとのこと。
    作者が亡くなってそれ以上望めないのが残念であるが、早く読みたい。

  • 面白い 柳沢さん、他の二作も楽しみです!

  • 刑事ヴァランダーシリーズ番外編。
    ヴァランダーがまだ新米巡査だったころからシリーズ第一作「殺人者の顔」直前までの中短編五編。
    新米巡査なのに刑事の真似事をして、禁じられている単独行動の末に撃たれてるし、その後、念願の刑事になっても相変わらず単独行動を繰り返しては時に銃撃戦になったり揉み合いになったりで、ヴァランダーさんはずっとこんな感じだったんだなぁと改めて思う。
    ただヴァランダーの単独行動はスタンドプレーというよりは、自分の推理が独りよがりのものなのかの確認だったり、部下や同僚たちを巻き込んではいけないと考えてのことなので、厭な感じはない。またやっちゃったか、という感じ。

    モナとの関係は恋人時代から危うく、その後の離婚という結末が予想できる。それでもヴァランダーが後々まで未練を持つのはモナ。叶うことはないけど。ただ娘リンダとの関係は良好でホノボノする。
    父親はヴァランダーそっくりで、感情が先走るタイプ。エジプトで起こした事件はファンキー過ぎてビックリする。度々ヴァランダーと喧嘩しているが、読者から見れば似た者親子。ただ時折仲良くもしてるので、ホッとする。
    麻薬犯罪、移民の犯罪などの社会的問題もあれば、容易に他人が立ち入れない理解しがたい個人的な事件もあって、事件ものとしても面白かった。
    そして最後、表題作のエピローグにシリーズ第一作『殺人者の顔』のプロローグとなるシーンが描かれている。『殺人者の顔』直前のヴァランダーはこんなに大変だったんだなぁと分かり、再び『殺人者の顔』を読み返したくなる。

    訳者あとがきによると、シリーズ未訳作品はあと二作あるらしい。いつになるか分からないが楽しみに待ちたい。

  • 安定の面白さ。仲間たちの姿も懐かしい。
    マルメからコペンハーゲンへ行く定期船に乗りたいなぁ。

    ヴァランダー・シリーズ、未訳があと2作あるということで、早く読みたいような、読んだらほんとに終わっちゃうのでとっておきたいような…

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